AWSのインフラは巨大セール「プライムデー」をどう支えたか
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本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
AWSは、Amazonの大規模セールイベントである「プライムデー」を、同社のクラウドインフラがどう支えているかを詳しく説明する記事を公開した。
7月12~13日に開催された「Amazonプライムデー2022」は、2015年にプライムデーが開始されて以来の大規模なイベントになった。今回、Amazonプライムの会員は、このイベント中に全世界で3億個以上の商品を購入した。Amazonによれば、全世界では毎分10万個のペースで商品が購入され、米国で購入された商品は毎分6万個に達したという。
プライムデーは、Amazon Web Services(AWS)のコンピューティングインフラ、ストレージ、データベース、電子メールサービス、メッセージングサービスによって支えられている。AWSは同社ブログで、プライムデー2022を支えるために使われた主な資源に関する数字を紹介した。
AWSのチーフエバンジェリストであるJeff Barr氏は「多数のツーピザチーム(ピザが2枚で足りるくらいの5~10人の小規模チーム)が連携して、インフラのあらゆる部分の規模を拡大し、テストし、顧客にサービスを提供できる状態を整えた」と述べている。
「Amazon Aurora」は、MySQL、PostgreSQLと互換性があるAmazonのデータベースサービスだが、プライムデー2022では、5326のAuroraインスタンスが2880億件のトランザクションを処理し、1849TBのデータを保存し、749TBのデータを転送した。
また「Amazon Elastic Compute Cloud」(EC2)では、プライムデー2022のために、「正規化インスタンス数」(同社が社内で使用しているコンピューティングパワーの指標)が2021年比で12%増強された。
さらに今回のプライムデーでは、「Amazon Elastic Block Storage」(EBS)に152ペタバイト(1ペタバイト=100万GB)の容量が追加された。同サービスでは、1日当たり11兆4千億件のリクエストが処理され、532ペタバイトのデータが転送された。ただしAmazonは、実際に使用されたEBSのストレージはプライムデー2021のときよりも約4%小さくなり、転送量も13%減少したと述べている。
Amazonの「Simple Email Service」は、ピーク時に1秒あたり3万3000件のプライムデー関連の電子メールメッセージを処理し、「Simple Queue Service」(SQS)はピーク時に1秒あたり7050万件のメッセージを処理して最高記録を更新した。
「Amazon Alexa」やamazon.comのサイトは「DynamoDB」によって支えられているが、これらのサイトは、プライムデーの期間にDynamoDBのAPIを数兆回呼び出し、ピーク時には毎秒1億520万件のリクエストが処理された。
「Amazon SageMaker」で機械学習モデルをトレーニングして構築された「Amazon Robotics Pick Time Estimator」は、ピッキング作業にどれだけの時間がかかるかを予測するシステムだが、このシステムは、プライムデーの期間中に1億件のトランザクションを処理した。
ブログでは最後に、プライムデーに購入された商品を配送するために使用されたパッケージング計画システムについての数字もいくつか挙げられている。
北米では、パッケージング計画システムが「『AWS Lambda』の呼び出しを6000万回実行し、S3の圧縮データを17TB処理し、Amazon DynamoDBと『Amazon ElastiCache』に6400万件のデータを保存し、『Amazon Kinesis』のイベントを2億件発生させ、『Amazon Simple Queue Service』のイベントを5000万件処理した」という。