大塚商会、2022年度上期は減収減益–提案力向上の取り組みなども
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大塚商会は8月1日、2022年度上期(2022年1~6月)連結業績を発表した。売上高は前年同期比4.6%減の4453億円、営業利益は7.4%減の307億円、経常利益は7.3%減の317億円、当期純利益は3.4%減の228億円だった。また、第2四半期(2022年4~6月)の売上高は3.5%増の2352億円、営業利益は2.7%増の169億円、経常利益は2.4%増の174億円、当期純利益は1.3%増の123億円で、売上高と経常利益は4四半期ぶりの増収になり、第2四半期の売上高としては過去最高だった。
同社は、2022年度から収益認識に関する会計基準を適用しているが、公表値では比較対象となる前年同期を従来の会計基準としており、数値に差異が生じる。2022年度上期の場合、会計基準変更の影響額は売上高では181億円減、前年度に適用したと仮定した場合の売上高への影響額は167億円減になるという。
説明を行った代表取締役社長の大塚裕司氏は、「2021年に収益認識に関する会計基準を適用したと仮定した場合の上期売上高は前年同期比1.0%減。また、前年度第1四半期にあった『GIGAスクール構想』関連需要の反動で233億円の影響があった。会計基準の影響を除くと、売上高は『Windows 7』サポート終了時の(PC買い換え需要)水準を上回る。上期計画に対して営業利益は0.4%減だが、その他は達成し、ほぼ計画通りの業績」と総括した。
セグメント別の連結売上高は、システムインテグレーション(SI)事業が5.0%減の2870億円、サービス&サポート事業が3.7%減の1582億円だった。だが大塚氏は、「SIでは会計基準の変更とGIGAスクールの反動で259億円の影響を受けている。また、サービス&サポートは会計基準の影響を除くと5.4%増で堅調に推移している」と述べた。
複写機の販売台数は3.2%減の2万853台で、そのうちカラー複写機は2.9%減の2万466台。サーバーは15.6%減の1万1036台、PCは36.1%減の57万9984台、タブレットを含むクライアント合計では38.7%減の64万1504台だった。
「第1四半期のPC販売台数は、GIGAスクール構想の反動で48.3%減のほぼ半減だが、第2四半期はPCで13.8%増、クライアント合計で22.1%増となっている。JEITA(電子情報技術産業協会)の国内PC出荷統計は第2四半期が13.5%減となる中での2桁成長は価値がある。だが、サーバーは品不足の影響でマイナス」(大塚氏)
SI関連商品の売上高は4.6%減の2215億円、受託ソフトなどが5.6%減の268億円。サプライが3.4%増の852億円、保守などが11.3%減の714億円。「収益認識の適用を考慮すると、全てのセグメントで前年実績を上回っている。特にコピー機や回線サービスなどの保守は実質的には6.7%増」(同)とした。
重点戦略事業では、「たのめーる」の売上高が3.5%増の912億円、オリジナル統合業務ソフト「SMILE」が5.9%増の6527億円、ナレッジマネジメントシステム「ODS」が3.4%増の303億円、セキュリティビジネスの「OSM」は4.6%減の468億円だった。6月末時点の「たのめーる」口座数は、5.7%増の189万421口座だった。「たのめーるは粗利率が高い生活用品のほか、感染対策商品や介護、工具、作業用品など幅広く展開しており、収益面でも順調」(同)とする。
また、ウェブサービス(ASP)の利用者数は、2021年12月時点比で21万4000人増の361万8000人となった。「たよれーるOffice 365」の利用者は86万人、「どこでもキャビネット」は約25万人に達したという。サプライと保守契約を含むストックビジネスの売上高は3.9%減の1508億円で、構成比は37.2%だった。「厳しいコピー保守の売り上げを、ウェブサービスの増加でカバーしている」(同)という。
なお、連結子会社のネットワールドの売上高は16.2%減の521億円。「商談や受注は順調だが、サーバーおよびネットワーク機器の品不足による納期遅延の影響がある。6月末の受注残は前年同期比で約50億円増加している」(同)とした。
2022年度(2022年1~12月)の連結業績見通しは据え置き、売上高は前年比2.8%減の8280億円、営業利益は4.0%減の536億円、経常利益は5.3%減の545億円、当期純利益は8.2%減の366億円とした。2021年に収益認識に関する会計基準を適用したと仮定した場合には、売上高は前年比1.2%増になる。