ESGはビジネスの成長につながるのか–アクセンチュアに聞いてみた
今回は「ESGはビジネスの成長につながるのか–アクセンチュアに聞いてみた」についてご紹介します。
関連ワード (松岡功の一言もの申す、経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
企業経営の新たな取り組みとして注目されるようになってきたESG(環境・社会・企業統治)。その重要性に対する認識は高まってきているが、一方で「ESGはビジネスの成長に直接つながらないので後回しになりがち」と本音を漏らす経営者も少なくない。ESGとビジネスの関係はどうなのか。この分野の新サービスをこのほど提供開始したアクセンチュアに聞いてみた。
「企業はESGを経営戦略の中心に据え、社会的責任を果たすことが求められる世の中になってきている」
アクセンチュア ビジネスコンサルティング本部 AIグループ日本統括 AIセンター長 マネージング・ディレクターの保科学世氏は、同社が先頃オンラインで開いた新サービスの発表会見でこう切り出した(写真1)。
新サービスとは、「企業のESGの取り組みが企業価値をもたらすインパクトを分析・予測し、企業成長につながる施策を提示することでESG経営を支援するクラウドベースの人工知能(AI)ソリューション」と銘打った「AI Powered Enterprise Value Cockpit」のことだ。その内容については速報記事をご覧いただくとして、本稿ではESGとビジネスの関係について解き明かしたい。
保科氏は会見で新サービスを開発した背景について、2つの図を示しながら次のように説明した。
まず、図1は冒頭の発言と共に、ESGが注目される背景について示したものである。図の左側は、国連をはじめとした世界的な取り決めであるSDGs(持続可能な開発目標)の内容だ。このSDGsに則って右側に記したような背景からESGに注目が集まっているという。ここではこのうち、「ビジネスにおいて『ステークホルダーに対して果たすべき責務』を改めて見直すことが社会的期待要請となっている」との説明に着目しておきたい。
図2は、ESGの課題について説明したものである。保科氏は「多くの経営者はESGについて『やったほうがいい』と認識しているものの、ESG施策が企業価値向上に結びつけられていないというのが現状の課題となっている」とし、図に示したように3つの課題を挙げた。下段には、その3つの課題に対して「あるべき姿」を描いている。保科氏によると、「新サービスはこれらのあるべき姿を追求して開発したもの」だという。
また、「ESGに取り組むのは余裕のある大企業との見方があるが、新サービスは企業規模や市場要因といった要素を切り離した形で評価する仕組みになっている」とも述べた。