クラウドビジネスが変わる–ヴイエムウェアCTOが語る「非中央集権化」

今回は「クラウドビジネスが変わる–ヴイエムウェアCTOが語る「非中央集権化」」についてご紹介します。

関連ワード (クラウド等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 エンタープライズブロックチェーンは今のところまだ実験段階だが、今後はアプリケーションやシステムの設計のあり方を変えてしまう可能性がある。主流のアーキテクチャーが、個々の企業によって維持されているアーキテクチャーから、アプリケーションやデータを複数の組織と共有するアーキテクチャーに変わっていくかもしれない。つまり、真に非中央集権型(decentralized)のコンピューティングだ(訳注:「decentralized」は日本語では「分散型」と訳されることが多いのですが、この記事では同じく「分散型」と訳される「distributed」と区別するために「非中央集権型」という表現を用いました)。

 クラウドサービスプロバイダーは多数存在するが、企業のデータセンターの数はそれよりも多い。そしてこれらのデータセンターは、十分に利用されていないコンピューティング資源を無数に抱えている。このまだ活用されていない資源は、クラウドのエコシステムをフラット化させる可能性がある。

 VMwareの最高技術責任者(CTO)であるKit Colbert氏は、今よりもはるかに非中央集権化が進んだ未来が来ると予想している。筆者は、米国時間8月29日から9月1日にかけてサンフランシスコで開催されたVMwareのカンファレンス「Explore」で、Colbert氏から話を聞く機会を得ることができた。同氏は、エンタープライズコンピューティングの開放に繋がる可能性があるいくつかの要素について語った。

 最近新たに生まれつつあるシナリオは、複数の参加者間の信頼を可能にする技術であるブロックチェーン技術(分散型台帳技術)を使って構築されたアプリケーションが実用化されるというものだ。「エンタープライズブロックチェーンは、私たちが目指しているものと非常に方向性が一致している」と同氏は言う。

 現在は、ネイティブクラウド上で「Kubernetes」ベースの構成要素によって構築され、実行されている分散型(distributed)アプリケーションが主流になっている。しかし最近では、分散環境から非中央集権的環境の構築へと流れが変わりつつあると同氏は指摘した。分散型のアーキテクチャーは単一の組織によって支えられているが、非中央集権型のアーキテクチャーは複数の組織によって支えられている。

 どちらのアーキテクチャーも、複数のアプリケーションインスタンスと共有データベースを支える環境であるという点では同じだ。Colbert氏は、「大きな違いは、非中央集権型アーキテクチャーでは、それらのインスタンスを単一の企業が運用するのではなく、複数の企業が連携して運用するということだ」と説明する。

 しかしそれらの組織は、「おそらくお互いを完全には信頼できない」はずであり、「その種のユースケースを可能にしてくれるのがブロックチェーン技術だ」とColbert氏は続けた。

 現在のVMwareの製品には、ブロックチェーン技術を使用した非中央集権型システムはあまりないが、Colbert氏は、技術が発展するに従って増えていくはずだと予想している。

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