デル、新型「PowerEdge」サーバー13機種を発表–23年後半にはAPEXでの提供も予定

今回は「デル、新型「PowerEdge」サーバー13機種を発表–23年後半にはAPEXでの提供も予定」についてご紹介します。

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 デル・テクノロジーズは1月24日、13機種の新型「Dell PowerEdge」サーバー群を発表した。第4世代「インテルXeonスケーラブルプロセッサー」(Xeon SP)など最新技術の搭載に加え、同社独自の機能強化によって、これまで以上のパフォーマンスの強化とエネルギー効率、コスト効率の向上を図っている。

 同日開催の記者会見の冒頭、執行役員 副社長 データセンター ソリューションズ事業統括の松本光吉氏は「サーバー事業は非常に好調に推移しており、この6年でシェアが倍以上、売り上げは3倍ほどになった」とアピール。堅調なサーバー事業の主な背景として、「テクノロジー」「プロセス」「ピープル」の3点を挙げた。

 テクノロジーでは、5Gモバイル基盤での圧倒的な実績と大規模プライベートクラウドへの導入、人工知能(AI)/高性能コンピューティング(HPC)システムへの相次ぐ採用があったとする。プロセスでは、世界的に半導体の供給がひっ迫する中で、大半の製品納期を維持したこと、受注予測に基づき組み立て直前まで部品単位の流動性を確保したこと、特定の製造ベンダーに依存しない製品の設計により代替性を向上したことが後押しとなった。ピープルについては、非接触を前提としたコミュニケーションによって質と量の両面で顧客との時間を確保し、Work from Anywhereを全社的に導入するなど社員の働く環境の整備を進めた。

 2023年の国内サーバー市場について、松本氏は「多様な用途、ユースケースに応じた製品ポートフォリオが求められる」「クラウドを経験したユーザーが適材適所でオンプレミス回帰を具体化する」「地政学的リスクを考慮した製品の供給、およびベンダー選定が進む」「ビジネス変動要因がさらに増加:aaS(as a Service)サービス化への要求が高まる」「DX(デジタル変革)推進の根幹となるリスク管理、ゼロトラストへの対応が必須となる」「処理能力当たりの電力消費量の削減、SDGs(持続可能な開発目標)は不可避な対応となる」との展望を掲げた。

 その上で、同氏は「リスキリングが大きなチャレンジになる」とした上で、同社のサーバー事業では「最新テクノロジーで日本のデジタル化の加速に貢献」するといい、プライベートクラウドなど大規模プロジェクト体制の確立や中堅企業のDX推進、人工知能/機械学習(AI/ML)、エッジ、マルチクラウドでのエコシステムの拡充、「Dell APEX」サービスの拡充、次世代データセンター水冷化への移行による環境対策を注力戦略として強調した。

 執行役員 製品本部長 データセンターソリューションズ事業統括の上原宏氏は、新型PowerEdgeサーバーの製品概要について説明した。

 同氏は新型モデルの開発思想として「専用設計」「インテリジェント」「サイバーレジリエント」「サステナブル」の4点を挙げる。加えて、2023年後半にはAPEXによるコンピュートのサービス化も予定していると話す。

 新型モデルは、汎用モデルに加えて、AI/ML、エッジ/通信、クラウドサービスプロバイダー(CSP)など顧客のニーズに応じた専用モデルが用意されている。

 「Dell PowerEdge R760」は前世代の「同R750」との比較で、最大2.9倍のAI推論を実現したほか、最大20%多くの仮想デスクトップユーザー、最大50%多くの「SAP Sales&Distribution」ユーザーを1台のサーバーでサポートするとしている。

 「Dell PowerEdge HS5610」と「同HS5620」は、大規模なマルチベンダーデータセンターを管理するCSP向けに最適化されたサーバーになる。1Uと2Uのフォームファクターで提供される2ソケットサーバーで、コールドアイル保守のための前面I/O構成となっている。また、マルチベンダーのサーバーフリート管理を簡素化する、OpenBMCベースのシステム管理ソリューション「Dell Open Server Manager」を利用できる。

 インテリジェンスとセキュリティを中心にシステム管理機能の強化も図られている。まず、AI分析に基づくパフォーマンス異常を予測する「CloudIQ」では、対象デバイスに新たにPowerEdgeが追加され、全ての仮想マシンの自動ツリー表示、セキュリティポリシーに準拠していないサーバーの検知と推奨アクションの提示が可能になった。

 「OpenManage Enterprise Power Manager」のサステナビリティーツールでは、温度と消費電力に加え、二酸化炭素(CO2)と温室効果ガス排出量(GHG)の可視化とレポートを開始。「Integrated Dell Remote Access Controller(iDRAC)」には、新たに各種セキュリティ証明書の期限切れの事前通知やDellコンソールでのテレメトリーの可視化、GPUの監視などのアップデートされた機能が備わった。

 新型モデルは、サステナブル(持続可能)な製品づくりを目指しており、マルチベクタークーリング(MVC)機能と液体冷却(DLC)オプションを提供し、前世代比で最大70%増の内部温度センサーで冷却ファン稼働とシステム消費電源を制御することができる。R760の消費電力当たりパフォーマンスはR750より22%向上しているという。また、最新世代のPowerEdge 1台に複数の旧世代サーバーを統合してシステム当たりの消費電力も削減可能としている。

 「Dell Smart Flow」シャーシがエアフローを増量し、前世代のサーバーに比べてファンの消費電力を最大52%削減する。加えて、PowerEdgeのDLC対応の対象を拡大し、最新世代では新たに1ソケットと4ソケットサーバーもDLCモデルの対象になった。さらに、PowerEdgeで初めてDLC専用の2U 4GPUサーバーを投入する。

 その上で、上原氏は「デル・テクノロジーズは2050年までに、スコープ1、2、3において温室効果ガス排出量を正味ゼロにすることを約束する」という取り組みを紹介した。

 最後に、APEX&Solutionsプロダクトマーケティング フィールドマーケティングコンサルタントの野崎絵里佳氏が、APEXポートフォリオへのコンピュートメニューの追加を説明した。

 デルでは、2023年後半にPowerEdgeをベースとしたベアメタルコンピュートサービスを提供する予定。ノードの種類、サーバーの内臓ストレージ容量、GPUの搭載有無、デプロイ方法、設置場所、契約年数などをウェブの「APEX Console」で構成パターンを確認して、月額のサブスクリプションベースで利用できるという。

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