コロナ禍がAIにもたらした光と闇–英オックスフォード大のオズボーン教授に聞く
今回は「コロナ禍がAIにもたらした光と闇–英オックスフォード大のオズボーン教授に聞く」についてご紹介します。
関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
人工知能(AI)のテクノロジーは、現在の社会、産業、経済にさまざまな作用をもたらし始めている。AIが人の仕事に与える影響を予想した論文「The Future of Employment(雇用の未来)」(PDF)を発表した英オックスフォード大学のMichael A. Osborne教授に、テクノロジーとしてのAIの現在地や企業、ビジネスに与えている影響、今後予想される変化や各種テクノロジーとの関係などを尋ねた。同氏の見解を2回にわたり紹介する。
–論文を発表して以降、世界中でさまざまな反響が見られたと思いますが、どのように受け取られていますか。
この論文では、主に日本のケースを中心に取り上げましたが、発表して以降にさまざまな動きが見られています。発表当時に、AIによって日本の職業の49%が高い確率で失われるリスクに直面すると予測しました。
分析を基に想定し得るトレンドを提起しましたが、現在の状況を見ると、トレンドの幾つかは、予測した当時としては少々楽観視し過ぎたものがありました。例えば、2015年の段階では無人運転の自動車や無人タクシーが急速に普及するだろうと予測していましたが、現在までにほとんど実現されていません。
一方で、私たちが予測した以上に文章や画像を生成するAI技術が進化し、2022年は目覚ましい進化を遂げました。これはプロンプトから文章や画像を生成しますが、代表的なものに「DALL·E 2」や「Stable Diffusion」などがあります。また言語モデルも目を見張る進化を遂げており、あたかも人が書いた文章をAIが生成できるようになりました。
文章や画像を生成可能なAIの進化に共通しているのは、私たちが日常生活の中で関わるような仕事の多くをAIが行えるという点です。文章や画像を生成する技術によって自動化がどんどん進み、例えば、建築なら設計図の草案を作成することができるようになります。「ChatGPT」のような最新の文章生成AIでコピーライティングができますし、ソフトウェアエンジニアの業務や、検索エンジンそのものを置き換えることが可能になります。
AIは加速度的に進化していますので、今後10年間にどのような進化を見せるのかが非常に興味深いですね。
–やはり、文章や画像を生成するAIが最も進化していくのでしょうか。それとも新たな領域のAIが台頭してくるのでしょうか。
特に文章や画像を生成するAIは、引き続き急速に進化していくでしょう。間もなくOpenAIから「GPT-4」がリリースされると見られますし、DeepMindは「Sparrow」がリリースされる予定です。