クラウドフレア・ジャパン新社長が自らの経験から語った「日本法人の役割」
今回は「クラウドフレア・ジャパン新社長が自らの経験から語った「日本法人の役割」」についてご紹介します。
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本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、クラウドフレア・ジャパン 執行役員社長の佐藤知成氏と、チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズ 代表取締役社長の青葉雅和氏の発言を紹介する。
米Cloudflareの日本法人クラウドフレア・ジャパンの執行役員社長に1月19日付で就任した佐藤氏は、同社が先頃オンラインで開いた社長就任会見で、抱負を述べるとともに日本での事業戦略について説明した。冒頭の発言はその際に、自身の心づもりを語ったものである。
Cloudflareはコンテンツデリバリーネットワーク(CDN)を主軸としてサイバーセキュリティやエッジコンピューティングに関連する各種サービスを提供するITベンダーで、世界100カ国、250都市以上に接続拠点を持つ高速・高信頼のグローバルネットワークを展開しているのが最大の特徴である(図1)。2009年創業で、本社は米国サンフランシスコにある。
佐藤氏に先立って挨拶した米国本社プレジデント 兼 最高執行責任者(COO)で共同創設者のMichelle Zatlyn(ミシェル・ザトリン)氏によると、「世界中に現存するオンラインサイトのおよそ2割に当社のネットワークが利用されている」とのことだ。
ただ、ITやコンテンツ業界では注目されているものの、一般的な認知度はまだ乏しい。佐藤氏もそれは承知の上で、「まずは多くの人に馴染みを持ってもらうために、ブランディング活動の強化を図っていきたい」と力を込めていた。
会見全体の内容については速報記事をご覧いただくとして、ここでは改めて冒頭の発言に注目したい。
佐藤氏はこれまで、日本IBM、SAPジャパン、日本マイクロソフト、アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)などで要職を歴任。本人いわく「IT業界に37年ほど従事し、技術者からスタートしてさまざまな職務やマネジメントの経験を積ませてもらった。外資系日本法人での長年の経験から、世界で優れた最新技術を日本に素早く導入し、日本の社会に合わせた形で根付かせていくのが、日本法人および私の役割だと心得ている」とのこと。
続けて発したのが、「今回の新たな役割が、もしかしたら自分の人生の集大成になるかもしれない。そのつもりで責任を持って思い切って臨みたい」と。冒頭の発言はこのコメントから抜粋したものである。
会見の質疑応答で、競合他社との最大の差別化ポイントを聞いた筆者の質問には、「これだけの巨大なグローバルネットワークを通じて世界中に高品質なサービスを提供できるのが、圧倒的な差別化ポイントだ」とキッパリ。「人生の集大成…」と話した思いも聞きたかったが、またの取材の機会にしておこう。1月で59歳になった同氏には胸に帰するものがあるのかもしれない。