古いコンピューターをよみがえらせる「Bodhi Linux」

今回は「古いコンピューターをよみがえらせる「Bodhi Linux」」についてご紹介します。

関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 「Bodhi Linux」は筆者にとって思い入れのあるOSだ。見た目が美しく、ユーザーフレンドリーなOSというだけでなく、筆者がLinuxを使い始めた頃を思い起こさせてくれる。というのも、デフォルトのデスクトップ環境である「Moksha」は、筆者が長年にわたって愛用しているウィンドウマネージャーの1つである「Enlightenment」をベースにしているところが大きいためだ。

 まず、ちょっとした用語について説明しておきたい。全てのデスクトップ環境は複数のコンポーネントで構成されており、その1つがウィンドウマネージャーだ。ウィンドウマネージャーは画面の描画やレイアウト、ウィンドウに関する位置情報の保存を担当する。

 例えば、ウェブブラウザーの「Firefox」をオープンしたと考えてほしい。タイトルバーとウィンドウ枠が表示されているはずだ。そのタイトルバーをつかんだ状態(マウスの左ボタンを押したまま)でドラッグすれば、デスクトップ上でのウィンドウの位置を移動させることができる。また、ウィンドウ枠をつかんでドラッグすれば、ウィンドウのサイズを変更できる。さらに、Firefoxをクローズした後、再びオープンすると、クローズする直前に表示されていた位置に、同じサイズで表示される。これはウィンドウマネージャーの働きによるものであり、他のデスクトップ要素とユーザーがやり取りする場合の動作もウィンドウマネージャーによって制御されている。

 ウィンドウマネージャーという機能に関する限り、Enlightenmentは見た目と効率の双方で申し分ないものとなっている。このため、Enlightenmentは昔から筆者のお気に入りの1つだ。Enlightenmentの持つ効率の高さ(Mokshaもその利点を享受している)は、デスクトップメニュー(上の写真を参照)にも表れている。ほとんどのOSのデスクトップ環境では、アプリケーションを起動する際、マウスの左ボタンで(デスクトップの端にあるか、パネルの右端にあるかにかかわらず)メニューボタンをクリックしてメニューを表示させ、そこからアプリケーションを選択するようになっている。

 EnlightenmentとMokshaはいずれも、デスクトップ上のどこを左クリックしてもメニューが表示されるため、デスクトップ上でマウスを移動させる距離がずっと少なくて済む。これが高い効率につながっている。

 しかしBodhi Linuxのうたい文句は高い効率だけではない。このディストリビューションは使いやすさと美しさを兼ね備えてもいる。そのデフォルトテーマですら素晴らしい出来となっている。そして、デフォルトテーマが気に入らないという場合、デスクトップ上のどこでもよいので左クリックした後、[Setting](設定)−[Theme](テーマ)を選ぶだけで、あらかじめ用意されているさまざまなテーマから選択できるようになっている。

 Bodhi LinuxのMokshaは、「KDE Plasma」などのような見た目の美しさを有しているわけではないが、設定上のさまざまな選択肢が用意されている。Linuxの初心者にとっては、あまりにも設定が多いと感じるかもしれない(特に、[Settings]ウィンドウをオープンし、[Advanced]《詳細》タブを選択した場合、ほとんどのユーザーにとって変更しようとは思わない設定まで目に入ってくる)。だからといって、Linuxを触ってみた経験がまったくない、あるいはほとんどないユーザーがこのディストリビューションを避けるべきだという話にはならない。

 なぜだろうか?それは、試さずにいるのはもったいないほどの楽しさがあるためだ。

 Bodhi Linuxの最新バージョンにまずログインすると、初めてコンピューターを触った時のような感動を覚えるだろう。そしてすぐさま無限の可能性を感じ、心の底から楽しめるはずだ。

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