情報通信研究機構(NICT)が世界最高性能の分解能15センチの航空機搭載用合成開口レーダーを開発、技術実証に成功

今回は「情報通信研究機構(NICT)が世界最高性能の分解能15センチの航空機搭載用合成開口レーダーを開発、技術実証に成功」についてご紹介します。

関連ワード (仮想的、航空機搭載用、貢献等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


情報通信研究機構(NICT)は、分解能15cmの航空機搭載用の合成開口レーダー「Pi-SAR X3」(パイサー・エックススリー)を開発し、実証実験に成功した。2008年に開発した「Pi-SAR2」の分解能は30cmだったので、その2倍の性能となる。高精細画像が得られるようになり、自然災害時の被災状況のより詳細な把握や、効果的な救助活動や復旧作業に貢献できるという。

合成開口レーダー(SAR)とは、航空機や人工衛星などに搭載し、移動することで仮想的にレーダー直径(開口面)を大きくする仕組みのレーダーのこと。電磁波を送受信し、主に地表の観測に使われている。NICTの合成開口レーダーでは、X帯の電波(8〜12GHz)を使用しているが、Pi-SAR X3ではそのうち、従来の2倍となる9.2〜10.2GHzの帯域を使用。帯域幅を拡大することで、分解能を向上させた。また、観測データの記録装置は、従来比で書き込み速度は10倍、容量は8倍となった。2021年12月に能登半島上空で初めて行った試験観測では、田んぼに残されたトラクターの轍(わだち)もはっきりと写し出され、その高い性能が示されている。

2021年12月にPi-SAR X3で観測された輪島市近郊の画像と白枠内(田圃)の拡大図。拡大左図:15cm分解能、拡大右図:30cm分解能(Pi-SAR2相当)。Pi-SAR X3は、Pi-SAR2では計測困難だった田圃内の轍(わだち)を鮮明に観測することに成功。地震などで発生する地表面の変化をこれまで以上に詳細に観測可能となった

今後はシステムの最適化による性能の向上を目指し、2022年度からは、地震などの自然災害のモニタリング、土地利用、森林破壊、海洋油汚染、海洋波浪、平時の火口観測などの環境モニタリングに関する技術の高度化を実施する予定とのこと。

COMMENTS


Recommended

TITLE
CATEGORY
DATE
胃に埋め込む食欲ペースメーカー 青色LEDで偽の満腹感与えて食欲を抑える :Innovative Tech
トップニュース
2021-01-28 13:32
精神疾患者向けカウンセリングAI実現のための大規模対話データベース構築に関する産官学共同研究プロジェクト
IT関連
2022-01-28 04:40
川崎市と富士通、スマホアプリを活用し、脱炭素社会実現に向けた行動変容を促す実証を開始
IT関連
2022-11-03 07:38
オラクル、「Java 20」をリリース–新サブスクリプションも
IT関連
2023-03-23 21:58
AirPods Pro 2は2022年発売か
IT関連
2021-07-03 02:59
ミズノ、データ活用基盤を「Microsoft Azure」で構築へ–データドリブン経営などの推進
IT関連
2023-09-30 09:55
[速報]マイクロソフト、手書きのスケッチをAIでアプリ画面に手軽に変換できる「Power Apps Express design」発表。Microsoft Build 2022
Microsoft
2022-05-25 21:55
セールスフォースが「世界最大のエンタープライズアプリケーション企業」を掲げた理由
IT関連
2022-12-03 18:12
ウガンダのバイクタクシー「SafeBoda」はスーパーアプリ化でパンデミック不況からの回復に賭ける
IT関連
2022-02-22 07:27
「macOS」アプリサンドボックス回避の脆弱性、MSがパッチ適用を呼びかけ
IT関連
2022-07-16 22:14
オープンソースの地理情報システム「Re:Earth」登場 マウス操作で情報追加、地図をWebアプリとして公開可
科学・テクノロジー
2021-07-29 13:22
NEC、製造DXの新パートナープログラムを始動–世界での復権めざす
IT関連
2023-12-09 09:07
ライフスタイルの特典クーポンを提供するスタートアップFringe、パンデミックをきっかけにシードラウンドで資金調達
ネットサービス
2021-04-07 22:12
「全てのCIOはクラウドオペレーターに」–レッドハットのコーミアCEO
IT関連
2021-04-30 07:00