日立製作所、製品別のCO2排出量を算出・可視化する自社取り組みを外販化
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日立製作所(日立)は、同社の神奈川事業所における、カーボンニュートラルに向けた製品のライフサイクルアセスメント(LCA)の取り組みやノウハウを「EcoAssist-Pro/LCA」として社内外に展開していく。
同事業所はストレージをはじめとしたITプロダクツ設計・製造拠点で、設計部品表(Bill of Materials:BOM)をベースに、原料の調達から、製造工程における燃料・電力の使用、製品の使用・廃棄に至るCO2の排出量を、製品単位で精緻に自動算定・可視化する取り組みを行ってきた。1月からこれに関連した実証を進めており、今回、実製品での効果検証を完了した。
EcoAssist-Pro/LCAはBOMをベースに、調達する素材・部品の重量、自社の加工・組立・検査工程の電力量、製品の消費電力などの関連システムと連携し、製品単位でのCO2の排出量を実態に沿って算定することを可能にする。将来の欧州エコデザイン規制(ESPR)や炭素国境調整メカニズム(CBAM)への対応を見据え、神奈川事業所にて実証を重ねてきた。
最近では、神奈川事業所以外でも大みか事業所の一部製造工程にてEcoAssist-Pro/LCAを活用した実証を進めている。また電子情報技術産業協会(JEITA)が事務局を務めるGreen x Digitalコンソーシアムに参加することにより、自社のCO2排出量をサプライチェーン上で共有することで、サプライチェーン全体における排出量の算定に向けた取り組みを先行的に進めている。
神奈川事業所での実証では、BOMから部品の材料や重量情報を取得し、まずScope3の上流におけるサプライヤー側からのCO2排出量を算出した。さらに、Scope1、Scope2においては、製品ごとに異なる製造プロセスや使用設備に基づき、電力量、燃料使用量の実測値から排出量を算出した。これに加えて、Scope3の下流の製品使用時の消費電力をデータベースから取得し、製品廃棄時の排出量も加算することで、Scope1〜3の製品レベル全体でのCO2排出量算出の自動化、ダッシュボードによる見える化、さらに各種分析ができることを確認した。
今後はこれらの算定結果をもとに、CDPサプライチェーンプログラムへの回答、およびステークホルダーへの会社・事業単位での報告に活用することをめざす。CDPは英国の非政府組織(NGO)で、環境影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営している。
日立は、「EcoAssistシリーズ」として環境情報管理ソリューション「EcoAssist-Enterprise」をこれまでに製造、流通・小売、電力など幅広い業種に提供してきた。今回、製品単位の脱炭素を支援すべく、神奈川事業所での実証をもとに、EcoAssist-Pro/LCAをEcoAssistシリーズのラインアップに加え、展開していく。
なおEcoAssist-Pro/LCAの価格は個別見積もり。