AIや量子コンピューティング関連ベンダーの展望
今回は「AIや量子コンピューティング関連ベンダーの展望」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
2024年に向けたAIおよび量子コンピューティング関連ベンダーのトップメッセージを紹介する。
Dataiku Japan カントリーマネージャー 佐藤豊氏
2023年は、生成AIが世界的に普及し活用が広がった年といえるでしょう。生成AIの拡大は、AIの民主化に向けた大きな一歩となりました。誰もがAIの恩恵を享受し、多くの人がワクワク感を持って自らの手でAIを楽しみ始めた年でした。
2024年には「AIの定着」が鍵となります。そのためには、コンプライアンスやガバナンスを考慮した堅固な基盤、AI人材育成だけでなく、コミュニティーとデータカルチャーの醸成、そしてトップによる戦略とコミットメントが重要になります。
今年は、大規模言語モデル(LLM)やLLMメッシュの浸透などの技術革新で、エンタープライズでさらに多くのデータパイプラインやAIが量産される時代になります。新しいアイデアや改善活動にAIを実験的に適用する段階から、実際の事業に転換し運用していく、実装とオペレーションに移っていきます。イノベーションを起こすために全員がアップスキルしながら協業し、ビジネスのシナリオに沿った試みを展開していくためには、データと分析環境へのアクセスを担保する必要があります。データリテラシー、AIリテラシーを誰もが持ち、データカルチャー、AIカルチャーの広がる世界を目指します。
Dataikuは2024年、日本のお客さまの成功を一層支援していくためにさまざまな施策を展開していきます。製品の日本語化をはじめとした使いやすさの向上や、Dataikuのシグネチャーイベントとして「Everyday AI」ロードショーの開催も企画しています。AIの真の民主化には、関係者がお互いをパートナーとして「コラボレーション」することが必須となります。それぞれが蓄積した知識や経験を共有することを推奨します。生成AIの登場により容易かつ効果的なアップスキルが可能となりました。ビジネスユーザーのデータリテラシーが向上にするに伴い、データサイエンストとの協業が一層進むようになるでしょう。
Classiq Technologies 日本担当ゼネラルマネージャー 田中晃氏
2023年は、量子技術業界が注目を集めた一年でした。日本政府は、AIや量子技術などの先端技術に関する国家戦略を策定し、諸外国との量子技術研究開発の新たな枠組みを発表しました。これにより、量子技術は国家的に重要な技術の一つとして確立しました。
量子ハードウェア分野は大きく進展しました。既存の量子コンピュータは100量子ビットを超え、2024年内には1,000量子ビットを超えるハードウェアも開発される見通しです。日本では3機の国産超電導量子コンピュータが稼働し、先駆的な企業や教育機関、研究所が量子コンピュータの開発に力を入れています。量子アルゴリズムや測定技術も、最適化を超えた応用分野での研究が進んでいます。しかし、量子コンピューティングの実用化にはまだ課題が多くあり、業界は実用的な用途の開発を模索しています。
2024年は、量子技術の発展が加速すると予想しています。
量子技術人材の育成と新産業の活性化:2024年以降、量子技術はAIに匹敵する注目分野となることが予想されます。新たな資金と競争が業界に流入し、新産業やスタートアップの登場により量子技術人材の需要が高まると見込まれます。
QX(Quantum Transformation)への貢献:ハードウェアの進化に伴い、量子コンピューターの実用化が現実味を帯びています。量子能力の開発に着手することは、企業にとって重要なステップです。
量子技術の実用化に向けた取り組みの活性化:ハードウェアの進歩により、量子アプリケーションの開発が進み、「ハイブリッド型」テクノロジーも登場しています。従来の技術システムとの融合により、新たな可能性が期待されるため、ハイブリッドアルゴリズムの開発と導入が大幅に増加することが予想されます。
量子分野の特許出願・出願公開が増加:これは量子技術に対する商業的関心と投資が高まっていることを示しているといえます。出願件数の増加に比例して、特許の出願から1年半後にその内容が公開される特許が現れることで、量子ハードウェア分野の主要な事業者の戦略的方向性とイノベーションの優先順位についての洞察が得られるようになるでしょう。
当社の目標は、量子ソフトウェアをよりハイレベルで使いやすくすることです。これにより、量子技術の潜在的可能性への理解を深め、技術へのアクセス障壁を下げることを目指しています。