Windows 10の終局で見えたWindows 11で変わるWindows Update
今回は「Windows 10の終局で見えたWindows 11で変わるWindows Update」についてご紹介します。
関連ワード (モバイル、新潮流Device as a Serviceの世界等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
Microsoftは、4月27日付のブログでWindows 10の最終バージョンが「22H2」になることを明らかにしました。「Windows as a Service」と銘打ち、「最後のメジャーバージョンアップ」として世に出たWindows 10。Microsoftは、2015年のリリースから6年経った2021年に、「最後のメジャーバージョンアップ」という当初の触れ込みを覆しWindows 11をリリースしました。そのWindows 10の終局が見えてきました。
企業で利用されるPCは、Windowsがメインです。当然、Device as a ServiceもWindowsが中心となります。Device as a Serviceの重要な要素であるアップデートは、Windowsでは「Windows Update」と呼ばれます。Windows Updateは、Windows 10では大きく変わりましたが、実はWindows 11でもまだ変わっていきます。今回は、Windows 11で変わるWindows Updateを解説します。
Windows 10の最終バージョンの発表にさかのぼること約1カ月前、3月28日付の「Windowsクライアントのリリースサイクルを更新する」と題された記事の中でMicrosoftは、Windows 11におけるWindows UpdateがWindows 10とは異なるものになっていくと説明しています。
まずは、簡単にWindows 10のWindows Updateをおさらいしていきましょう。Windows 10のWindows Updateは、大きく分けると2つです。
Feature Update(FU):機能更新プログラム
年2回、前半(春)と後半(秋)にリリースされ、メジャーアップデートに相当します。仕様の変更や機能の追加は、原則このアップデートで行われ、「大型アップデート」とも呼ばれます。
Quality Update(QU):品質更新プログラム
米国時間の毎月第2火曜日にリリースされる主に不具合やセキュリティのためのアップデート。ここでは原則、機能の追加は行われないことになっています。従来の「KB」(Knowledge Base)と呼ばれるパッチではなく、FUのリリースから全てのアップデートを含む累積更新(Cumulative Update)として提供されます。
FUは、Windows 11のリリース時に年後半の1回になることがアナウンスされています(結果としてWindows 10も最終的にそうなりました)。今後は、「23H2」「24H2」など「H2」(2nd Half=下期)しかリリースされません。またFUのバージョンのサポート期間がWindows 10の18カ月から24カ月に延長されています(Proエディションの場合。Enterpriseエディションの場合は36カ月)。
QUは、第2火曜日にリリースされるアップデートを「Bリリース」と呼びます。基本的には、Windows 10のリリース当初に第2火曜日の月1回しか配信しないと説明されていたのですが、実際には多くの混乱が見られました。
第1週の火曜日ではその月のBリリースの前提となる「アップデート機構のアップデート」(SSU:Servicing Stack Update)が度々提供されていましたが、2021年5月頃から最近ではBリリースに含まれるようになり、累積更新のはずが前月のアップデートを適用していないと、それ以降の月のQUが適用できないというケースもありました。また第3週(Cリリース)、第4週(Dリリース)は、翌月のプレビューリリースと位置付けられたQUが配信されたり、「OOB」(Out-Of-Bound)という火曜日以外の緊急セキュリティアップデートが配信されたりもしました。
Windows 11では、このWindows Updateがどのように変わるのでしょうか。先ほどの3月28日付の記事の内容は、この辺りをだいぶ整理したという感じです。原則としてFUとQUという関係は変わりません。先述したように、Windows 11リリース時にFUが年1回になるというのはアナウンス済みです。
QUについては、実は微妙に詳細が変わっています。従来の第3週・第4週(C・Dリリース)のプレビューが、明確に第4週のリリース(Dリリース)となりました。Microsoftは、記事の中で、これによりIT管理者にとって「修正プログラムと機能をテストおよび検証するための一貫した時間サイクルが提供されます」とそのメリットを述べています。
またOOBは、最初は緊急セキュリティアップデートと言われていたのですが、この3月28日付の記事では、「一部のOOBリリースは非クリティカルに分類されます」とされています。実際に緊急ではないOOBのアップデートも過去にあったので、実態に合わせたというところでしょうか。