NECと富士通、複数ベンダーの基地局装置間における検証時間を3割以上短縮–ポスト5Gに向け

今回は「NECと富士通、複数ベンダーの基地局装置間における検証時間を3割以上短縮–ポスト5Gに向け」についてご紹介します。

関連ワード (ネットワーク等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 NECと富士通は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」において「ポスト5G」に対応した基地局装置間の相互接続性を検証する技術の研究開発に取り組んでいる。

 両社はO-RAN市場として期待される英国と米国の拠点で接続性の検証環境を構築し、2021年8月~2023年6月に同技術の動作を検証。その結果、最適なテストシナリオの抽出、パラメーターの生成~検証結果の良否判定を自動化することで、異なるベンダーの基地局装置間における相互接続性の検証時間を30%以上短縮した。NEDO、NEC、富士通が7月12日に発表した。

 5GはDXのインフラとして展開されており、将来的には5Gが持つ超低遅延や多数同時接続などの機能を強化したポスト5Gの普及が期待されているという。オペレーター(事業者)の間では、高品質な通信サービスの提供に向けて、複数ベンダーの基地局装置から最適なものを選択し、自社のネットワークに導入する動きが活発化しているという。

 世界のオペレーターやメーカーなどが参加する業界団体「O-RAN Alliance」は、基地局における複数装置間の接続について標準化を進め、異なるベンダーの基地局装置を接続する条件を整えてきた。しかし、接続した状態での動作検証はオペレーター自身が行っているほか、不具合解消時の再検証を含めると長い検証期間が必要となり、O-RAN仕様に準拠した装置導入の課題となっていた。

 NECと富士通はNEDOの事業において、基地局の親局(CU/DU)と無線子局(RU)間のインターフェース「O-RANフロントホール」における複数ベンダーの基地局装置間での相互接続性の検証作業を自動化する技術を開発し、各国/地域のオペレーターが使用するための接続条件に対応する機能拡張を実施した。

 同技術には、基地局装置間に接続してフロントホールプロトコルを検証するFHA(FrontHaul Analyzer)、RUの単体試験を行うP-DU(Pseudo-DU)、検証作業の各工程を自動化するテストシナリオ抽出ツール、テストパラメーター変更ツール、検証結果判定ツールなどの独自技術が含まれる(図1)。

 同技術により、相互接続性検証の時間短縮が可能となり、異なるベンダーのO-RAN仕様に準拠した基地局装置を組み合わせたシステムの導入にかかる時間を短縮できる。これにより、現在普及している5Gネットワークにおけるオープン化の進展に加え、ポスト5Gの展開を見据えたネットワークの構築にもつながるとしている。

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