RPAは生成AIに呑み込まれるのではないか–UiPathの長谷川CEOに聞いてみた
今回は「RPAは生成AIに呑み込まれるのではないか–UiPathの長谷川CEOに聞いてみた」についてご紹介します。
関連ワード (CIO/経営、松岡功の一言もの申す等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
RPA大手のUiPathが自社の製品群とジェネレーティブAI(以下、生成AI)の連携に注力している。RPAと生成AIを組み合わせれば、業務自動化のシステム作りが容易になるからだ。ただ、何でも作ってしまう生成AIが今後さらに賢くなれば、RPAの役どころそのものも呑み込んでしまうのではないか。こんな疑問をUiPath 代表取締役 最高経営責任者(CEO)の長谷川康一氏にぶつけてみた。
「RPAと生成AIを掛け合わせれば、業務自動化のシステム作りが非常に容易になる」
UiPathが7月13日に開いたRPAとAIを組み合わせた製品戦略についての記者説明会で、長谷川氏はこう強調した。
どういうことか。RPAはソフトウェアロボットを使って業務自動化のシステム作りを行うツールだ。それに生成AIを組み合わせることで、さまざまな局面で作業を効率良く進められるようになる。その業務スピードの向上と共に、業務革新に向けた新たな発想が生まれる可能性もある。同氏は上記の発言に続けて、「効率だけでなく、新たな顧客価値の創出にもつながる」と述べたのは、そうした意味からだと筆者は理解した。
記者説明会の内容については関連記事をご覧いただくとして、筆者はその説明を聞いていて、冒頭で述べたように「RPAは生成AIに呑み込まれるのではないか」という疑問が浮かんできた。プログラムをはじめ、何でも作ってしまう生成AIがさらに賢くなれば、いずれはRPAの機能も取り込んでしまうのではないかと考えたからだ。
そこで長谷川氏に取材を申し入れたところ、後日、話を聞くことができたので、以下ではそのやりとりを紹介しよう(写真1)。
その前に、言葉遣いについて一つ。長谷川氏は今、自動化ソリューションについてRPAではなく「オートメーション」と表現する。これは、UiPathのオートメーション関連製品が、業務プロセスを「自動化」する元来のRPAから、自動化すべき業務プロセスを「発見」する領域、自動化した業務プロセスを「運用」する領域へと広がってきたからだ。同社ではこれをして、図1に示すように「UiPathビジネスオートメーションプラットフォーム」と呼んでいる。従って、以下に出てくるオートメーションという言葉はそうご理解いただきたい。
さて、本題。RPAは生成AIに呑み込まれるのではないか。この質問に対し、長谷川氏は次のように答えた。
「そうは思わない。生成AIをはじめとしたAIはオートメーションの後ろにあるというのが、私の感覚だ。後ろにあるというのは、オートメーションの世界を一層便利にするためにAIが背後で機能するという意味だ。呑み込まれるという観点で言えば、イメージとしてはむしろ逆で、オートメーションの中にAIが組み込まれていくといった感じだ」
オートメーションの側からすると、そう見えるかもしれないが、目指すのが「業務の自動化」であれば、成長した生成AIはやはりオートメーションの機能も包含していくのではないか。そう考える筆者が、長谷川氏の説明に対して少々納得の行かない表情を浮かべていたのだろう。同氏は表現を変えて、次のように説明した。