アカマイ、Macrometaと提携–エッジクラウド領域に参入
今回は「アカマイ、Macrometaと提携–エッジクラウド領域に参入」についてご紹介します。
関連ワード (クラウド等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
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Akamai Technologiesが2月にIaaSプラットフォームプロバイダーのLinodeを約9億ドル(当時のレートで約1000億円)で買収することを発表した際、同社のコンテンツ配信ネットワーク(CDN)とセキュリティサービスを、Linodeの開発者フレンドリーなLinuxベースのIaaSクラウドとどのように連携させるのか、明らかではなかった。しかしこの買収によって、Akamaiは単にクラウドを追加するだけではなく、エッジコンピューティングとクラウド開発の相乗効果にも目を向けていた。同社は2023年末までに、世界各地でLinodeを備えた新たなデータセンターを十数カ所以上追加する計画だ。
Akamaiの最高経営責任者(CEO)Tom Leighton氏は、「Linodeは早くから、クラウドに代わる市場を切り開いてきたパイオニアだ」と述べている。Amazon Web Services(AWS)、Microsoft Azure、Google Cloudといったハイパースケールクラウドのプロバイダーのように、機能満載のサービスではなく、開発者に新しいアプリケーションを構築する廉価な方法を提供して成長した。一方、90年代後半からCDN事業を手掛けるAkamaiもエッジコンピューティングの前身となるものだ。
同氏は、両社の組み合わせにより、「Akamaiは、CDNとアプリケーションのセキュリティ強化から、開発者のクラウド上での構築支援へと事業を拡大できる。Linodeの買収は、当社の進化に向けた大きな一歩だ。Linodeのクラウドコンピューティングの経験を、Akamaiのスケールとセキュリティにおけるリーダーシップと融合させることで、世界で最も分散されたコンピューティングプラットフォームを構築できる」と力説した。
同氏の思惑は、奏功しているようだ。最新の第3四半期決算報告書では、セキュリティソフトウェアの売上高が13%増の3億8000万ドルで、コンピューティングの売上高は72%増の1億900万ドルだった。
同氏は、次のように述べている。「Linodeを当社のエッジプラットフォームに統合し、大手企業のミッションクリティカルなアプリケーションをサポートするために必要な機能と規模を追加する取り組みは、順調に進んでいる。特に、Linodeの既存の11拠点をすべて、当社のプライベートバックボーンに接続したことで、低遅延、高スループットが実現したほか、エグレスの経済性が向上した」
Akamaiはほかにも、エッジコンピューティングのリソースでLinodeのプラットフォームを活用する計画だ。同氏によると、「大規模な配信に適した軽量な導入モデルだ。これにより、世界中のエンドユーザーにより近い場所でコンピュートが行えるようになる。2023年には、数十カ所のこうした軽量サイトを展開する予定だ。それが完了した暁には、企業のデータセンターとエンドユーザーに対するポイントオブプレゼンスと近接性の面で、ハイパースケーラーに比肩しうるだろう。」
さらに同社は、エッジコンピューティングクラウド企業のMacrometaに投資し、提携することを発表した。Macrometaが提供するエッジプラットフォームにより、開発者はデータをステートフルプログラムやAPIとして、超低遅延で保存、処理、配信できる。両社は、開発者がエッジとクラウドの両方でプログラムを構築、導入、実行できるよう支援する。クラウドとエッジコンピューティングを組み合わせ、「単一のシームレスなマルチクラウド/ポリクラウドプラットフォームにする」ことを目指す。