中堅中小企業の生産管理システム、販売管理やBOM連携が重要課題に–ノークリサーチ調査
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中堅中小企業(年商500億円未満)の生産管理システムでは、長らく原価管理が大きな課題となっていたが、近年は「生産部門と販売部門の連携」や「部品管理の精度」が注目されるようになった(図1)。調査を実施したノークリサーチによると、販売管理や部品管理(BOM)との連携強化が今後の重要な取り組みになる。
調査では、中堅中小企業を対象に、統合基幹業務システム(ERP)や生産管理、顧客関係管理(CRM)など10分野の業務アプリケーションから導入済み/予定の分野を聞いている。その後、導入済み/予定の分野について、製品/サービスを列挙した社数シェア、運用形態、端末形態、導入年、導入費用、課題とニーズを聞き、その結果を集計、分析している。業務アプリケーションの導入/更新に関する全般的な方針についても聞いている。
他の分析結果では、SaaS形態の生産管理はパッケージ導入の布石とはならず、ITベンダーやシステムインテグレーター(SIer)は継続的な強化や改善が必要だということも分かった。
生産管理システムの運用形態を「導入済み」と「新規予定(導入予定)」で比較すると、「新規予定(導入予定)」から「導入済み」を差し引いた値では、いずれの項目も減少または横ばいとなっている(図2)。ノークリサーチによれば、運用形態を聞いた設問は複数回答設問であるので、この結果は複数の運用形態を併用するケースが今後は減る傾向にあることを示しているという。
これを確認する意味で、「導入済み」と「新規予定(導入予定)」のそれぞれについて、「パッケージ」と「SaaS利用」の場合に他の運用形態を併用している割合を集計した。
その結果、「パッケージ」において「SaaS利用」を併用する割合、「SaaS利用」において「パッケージ」を併用する割合のいずれに関しても、「導入済み」と比べて「新規予定」の方が同程度もしくは低い値を示していることが分かった(図3)。
この結果について同社では、昨今ではSaaS形態の生産管理システムも登場してきているが、現段階ではパッケージとSaaSの併用が拡大する兆候は見られないとした。また「SaaS利用」の場合にはパッケージ導入の初期段階としてではなく、当面はSaaSを継続する意向を持つユーザー企業が少なくないと考えられるとした。
こうした分析の結果、生産管理システムを開発するベンダーが今後新たにSaaS形態の展開・強化を図る際は、SaaSをパッケージ導入の呼び水として位置付けるのではなく、パッケージとSaaSの双方でユーザー企業の課題・ニーズに応じた改善を続けていくことが重要となってくるという。
なお今回の調査では、調査対象企業に対し、導入済みの最も主要な生産管理製品/サービスを単一回答で聞いた。その結果、「生産革新」(OSK:大塚商会)が首位、「EXPLANNER」(NEC)と「GLOVIA」(富士通)が僅差で2位および3位となり、4位以降は多くの製品/サービスが少しずつ社数シェアを分け合う状態となった。