ノーコード開発を加速させる生成型AI–使い勝手や訓練に課題

今回は「ノーコード開発を加速させる生成型AI–使い勝手や訓練に課題」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 生成型の人工知能(AI)をはじめとする、AIを搭載したプログラミングツールの普及が進んできている。では、そうしたツールは究極のローコード/ノーコードツールと言えるだろうか。その答えはイエスだが、開発者、そして最終的には非開発者向けの大幅な生産性向上ツールとしての能力が完全に開花するのはもう少し先になるかもしれない。

 多くの開発者たちは実験的に、あるいは個人的な目的でこうしたツールを使用した経験があるという統計を記したO’Reillyのレポートもあるものの、公式な業務で全面的に採用されるようになるのはまだ先のことだろう。このレポートによると、開発者が新たなツールを使用する上での最大の課題は訓練であり(34%)、使い勝手を挙げた回答者も12%いたという。また、このレポートには「全回答者の半数近く(46%)がこれらの課題を抱えていることになる。こうしたツールはローコード/ノーコード開発向けのものであると考えられているため、結果には驚かされた。これらツールの学習曲線は、われわれが考えていたよりも険しいようだ。また回答者の13%は、こうしたツールが開発者の直面している問題を実質的に解決しなかったと述べている点も注目に値する」と記されている。

 このレポートによると、生産性向上ツール、特に「GitHub Copilot」を皮切りに登場してきた同種のツール群は、「革新的な方法でソフトウェア開発を再構築している」一方、「ソフトウェア開発者はこうしたツールの価値を享受しているとはいえ、世間の熱狂に惑わされてはいけない。その価値は無料で手に入れられるわけではない。『ChatGPT』に対して『靴を販売するためのエンタープライズアプリケーションを生成してほしい』と入力したとしても、価値あるコードは生成されない。それぞれには固有の学習曲線が存在しており、その立ち上がりの勾配は甘く見られがちだ」という。

 開発者が生成型AIの開発したコードを使い物になるようにするための手法を確立できれば、市民開発者にも普及していくことだろう。生成型AIはソフトウェアの開発/テスト/デプロイ方法を変革する大きな可能性を秘めており、ローコード開発やノーコード開発を新たな段階に導くだろう。Creatioの最高経営責任者(CEO)Katherine Kostereva氏は、「われわれはノーコードによる開発の自動化に向けた生成型AIの可能性に期待している」と述べ、「生成型/対話型AIのユースケースが、今後の数年で大々的に増加すると考えている」と続けた。

 Kostereva氏は、ノーコード開発と生成型AIが融合していく結果、開発者や非開発者などが視覚的なドラッグ&ドロップツールを利用するようになると述べ、「生成型AIはユーザーからのテキスト入力に基づいて、テンプレートやコンポーネント、さらにはアプリケーション全体を事前に自動生成することで、ノーコード開発プロセスを補完/加速していく。そうすれば、ノーコードアプリの制作者がプロトタイプに基本的な要件を反映する時間と手間を減らせるようになるだろう」と続けた。

 ローコードやノーコードの領域で生成型AIがもたらす変化として、開発の高速化が期待できる。「生成型AIを活用するツールは、ノーコード手法を用いたアプリケーションの作成を加速させる」と同氏は言う。「ユーザーは、期待される結果を実現するための各手順を綿密に説明するよりも、成果自体を説明することに時間を費やすようになるだろう」。

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