IBM、「Quantum Heron」プロセッサーを発表–エラー訂正に向けた開発ロードマップも
今回は「IBM、「Quantum Heron」プロセッサーを発表–エラー訂正に向けた開発ロードマップも」についてご紹介します。
関連ワード (ソフトウェア等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
IBMは米国時間12月4日、同社が毎年開催している量子コンピューティングに関するイベント「IBM Quantum Summit」で、次世代の量子プロセッサー「IBM Quantum Heronプロセッサー」と量子コンピューターシステム「IBM Quantum System Two」を発表した。
IBM Quantum Heronは、IBMが4年を費やして設計した、新しいアーキテクチャーを備えた実用規模の量子プロセッサーだ。133量子ビットのHeronは、これまでのIBM Quantumプロセッサーの中でもっとも性能が高く、もっとも低いエラー率を実現している。性能の最高記録は、一世代前のプロセッサーである「IBM Quantum Eagle」の5倍を達成したという。
一方、IBM Quantum System Twoは同社初のモジュール式量子コンピューターシステムであり、量子コンピューターと古典コンピューターを組み合わせたハイブリッドなスーパーコンピューティングを実現することを目指して設計されたものだ。Heronプロセッサーを3基搭載した最初のシステムが、すでに米ニューヨーク州ヨークタウンハイツに設置されて稼働していることも明らかにされた。
IBMはまた、量子コンピューティングに関する開発ロードマップを改訂し、今後10年間の新たなロードマップを示した。このロードマップでは、IBM Quantum System Twoを同社の次世代量子コンピューティングシステムアーキテクチャーの基盤として位置付けている。このアーキテクチャーは、古典的なコンピューティングリソースによって量子通信と量子計算を組み合わせ、ミドルウェア層を使用して量子ワークフローと古典ワークフローを統合する。計画の中には、IBM Quantum System Twoに、同社の将来世代の量子プロセッサーを搭載することも含まれている。
新たなロードマップには、高度なエラー訂正システムの実現に向け、規模拡大と品質向上を図るためのゲート操作の質を徐々に改善していくことも盛り込まれた。
同社は量子ソフトウェアスタックに関する計画も発表した。新たな計画では、同社のオープンソース量子プログラミングプラットフォームである「Qiskit 1.0」が2024年2月にリリースされることが明らかにされたほか、量子コンピューティングを利用した開発を容易にすることを目的としたツール群である「Qiskit Patterns」も発表された。
さらに、同社のエンタープライズ向け人工知能(AI)プラットフォームである「watsonx」を通じて、生成AIを量子プログラミングに利用できるようにする取り組みを進めていることも明らかにした。