ITプロセスの最適化はどれだけ進んでいるのか–Celonisの調査レポート
今回は「ITプロセスの最適化はどれだけ進んでいるのか–Celonisの調査レポート」についてご紹介します。
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IT部門と事業部門の連携についてはは1990年代から問題になっていたが、新たに発表されたデータは、両者の連携が改善されつつあることを示している。しかしその一方で、時代遅れの、あるいは非効率なITプロセスが、人工知能(AI)をはじめとする新たな取り組みを妨げている可能性があることも分かった。
最近の調査で、ビジネスリーダーの10人に8人以上が、IT部門はビジネスニーズに対応できていると考えていることが明らかになった。Celonisの委託調査として企業の経営幹部1217人(うち300人がIT担当役員)を対象に実施されたこの調査では、回答者の81%が、IT部門は必要なスピードで事業部門をサポートできていると考えていることが明らかになった。この結果は、IT部門が、組織の変革を支える上で中心的な役割を担っていることを示している。
変革を重視する姿勢は新たな分野にも及んでおり、AIをはじめとする新技術の導入につながっている。IT担当役員の81%は、業務プロセスの最適化を後押しする要因として、AI活用に対する関心を挙げていた。また、IT担当役員の3分の2以上(68%)は、最適化されていない業務プロセスの不備が、「今後2年間のAI(および自動化などその他の新技術)のさらなる導入の成功を阻害する」可能性があると考えていた。
業務プロセスの最適化を後押しする要因を尋ねる質問では、AIなどの新技術の活用に対する関心(全回答者の70%)、コスト削減(69%)、競争圧力(64%)などが上位に挙げられている。
レポートによれば、IT部門が抱えている業務プロセスの55%はあるべき姿で運用されていた。これは素晴らしい結果のようにも見えるが、逆に考えれば、ITサービスの管理やインシデント対応といったIT部門が抱えている業務プロセスのうち、半分近くが「最適ではない形で運用されている」とも言える。さらにレポートでは、「もちろん、完全に最適化されていると見なされている55%のプロセスにも、まだ改善の余地がある可能性が高い」と述べている。
このように、多くのIT担当役員やITプロフェッショナルがITプロセスの最適化に苦戦しているが、そのことは業務にもさまざまな影響を与えている。例えば、IT担当役員の4分の3以上(78%)は、可視性の欠如がプロセスの最適化を妨げていると考えていた。また、ITプロセスの最適化を阻む要因を尋ねる質問では、56%が業務プロセスの複雑さを挙げている。
IT部門の業務プロセスが最適化が不十分であれば、その影響は事業部門にも及ぶ。ITプロセスが最適化されていないことによる影響を尋ねる質問では、全回答者の61%が、時間が余分にかかり、生産性が低下すると回答していた。また44%は、効率性の欠如によってコストが増大すると述べている。一方で、ITプロセスの最適化によって得られる成果を尋ねる質問では、収益拡大(51%)、コスト削減(46%)、柔軟性の向上(41%)などが回答の上位に挙がった。