データリテラシーがあれば年収29%増も、スキルに自信がある従業員は5%–米クリック調査

今回は「データリテラシーがあれば年収29%増も、スキルに自信がある従業員は5%–米クリック調査」についてご紹介します。

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 クリックテック・ジャパンは4月7日、データリテラシーに関する国際調査「Data Literacy: The Upskilling Evolution」(データリテラシー調査:スキルアップの革新)についてオンライン記者説明会を開催した。

 同調査は、データ活用の進化と、そこで生まれる新しい役割を明らかにすることを目的としている。米Qlikと調査会社のFuture Labsが共同で実施し、専門家に取材して得たインサイトに加え、2021年10~11月にかけて英国、米国、ドイツ、フランス、日本、オーストラリア、ニュージーランドの経営幹部1200人以上と従業員6000人以上を対象とした調査結果で構成される。日本では経営層200人と従業員1000人を対象に調査した。

 同社は、データリテラシーについて個人レベルと企業レベルで定義している。個人のデータリテラシーは「データの読み込み、取り扱い、分析、疑問を持つことができる能力」を指し、企業のデータリテラシーは「データを読み取り、分析し、疑問を持ち、意思決定し、組織内に伝える能力」を指している。

 Qlikの最高教育責任者(Chief Learning Officer:CLO)であるKevin Hanegan氏は「データリテラシーは、これからの職場で最も必要とされるスキルの一つであるとともに、人工知能(AI)により大きく変わる職場環境に対応するために必要になる」と強調した。

 Hanegan氏によると、従業員と経営層は共に「データリテラシーは重要である」と感じているが、そのスキルは依然として低いという。調査では、「AIの利用が拡大してもデータリテラシーにより自らの役割を適切に維持できると考える従業員」は日本で54%(世界は58%)、「データリテラシーは将来、現在のコンピューターの使用能力と同じくらい不可欠になると考えている経営層」は同87%(同85%)に上る。その一方で、「データリテラシースキルに十分自信がある従業員」はわずか同5%(同11%)にとどまっている。

 次に、データリテラシー教育は誰の役割なのか、という問いに対しては、「データ主導型の職場環境に従業員が対応できるよう、勤務先が準備を進めていると感じている従業員」は日本で17%(世界は21%)だった。また、「勤め先がスキルアップやトレーニングの機会を十分に提供していないという理由で過去12カ月に転職した従業員」は同27%(同35%)いることも分かった。

 日本の経営層の89%(世界も同値)は「従業員全員が意思決定を下した根拠をデータに基づいて説明してほしい」と考えているとし、「従業員がより良い意思決定のためにインテリジェントツールを使用するになると予測する経営層」は日本が85%(世界は84%)、「従業員が生産性向上のためにインテリジェントツールを使用するようになると予測する経営層」は同79%(同83%)だった。

  Hanegan氏によると、調査対象となったどの経営者もデータリテラシーを発揮できる求職者には給与の増額を提示するつもりだと回答しているという。このスキルに対して提示される給与増額の平均値は日本が29%(世界は26%)であり、国税庁が公表している直近の平均年収をもとに算出すると、年収が128万円増えることになる。

 では、従業員はスキル獲得のためにどれだけの時間とお金を費やしているのだろうか。調査によると、「データリテラシーを習得するために自分の時間を投資している」とする日本の従業員は67%(世界は78%)、「データリテラシーを習得するために自費で投資している」とするのは日本、世界とも64%だった。

 Hanegan氏は「日本の従業員はデータリテラシー習得に毎月平均7時間、1万7800円以上を費やしている」と説明する。

 これらの調査結果を踏まえ、同氏は「ビジネスリーダーは、来たるデータ変革を成功させるため、従業員がデータによるインサイトを使用して意思決定を行うことに自信を持ち、生産性が向上するように支援する必要がある」といい、「従業員はデータリテラシースキルを身につけることが利益をもたらすことを理解する必要がある」と指摘。その上で、「データリテラシーと分析技術を導入することで、組織全体がアクティブインテリジェンスに基づき、より良い意思決定と行動を起こすことができるようになる」と説明した。なお、アクティブインテリジェンスとは、リアルタイムのデータに基づいて迅速に意思決定ができる能力を指す概念として同社が提唱するものになる。

 Hanegan氏はまた、日本企業がアクティブインテリジェンスの投資対効果(ROI)を最大化するためのポイントとして「アクティブインテリジェンスによりサポートされるデータリテラシー文化の醸成」「ツールとリテラシーによるデータの民主化」「持続的な学習の実践と時代への適応」「データの信頼性の向上」「継続的な改善とポジティブな変化のためのデータ活用」の5つを挙げた。

 さらに、クリックテック・ジャパンのカントリーマネージャーである今井浩氏は、データ活用のための提言として「CDO(最高データ責任者)などのデータ責任者の設置」「全社的なデータ活用文化の醸成」「従業員教育への投資」の3点を挙げた。

 「データドリブンな文化のある企業に優秀な人材が集まる時代になってきた。会社としてデータ活用に対するコミットメントを示し、部門ごとのサイロ化に陥らないための全社的なデータ活用文化の醸成とデータパイプラインの構築や、従業員のためのワークショップやトレーニング、資格認定などへの投資が重要になる」(今井氏)

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