ソニーの新しいXRヘッドセットを体験–米ZDNET記者の第一印象
今回は「ソニーの新しいXRヘッドセットを体験–米ZDNET記者の第一印象」についてご紹介します。
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ラスベガスコンベンションセンターの後部にある乱雑な廊下の1つ(CESの象徴的存在である派手で清潔なサムスンとLGのブースからアメリカンフットボールの競技場1つ分ほど離れている)で、金属製のドアを通り抜けた。そのドアには、「メディアブリーフィングが行われているため、立ち入りを禁じる」と走り書きされたメモがテープで貼られていた。
いくつかの折りたたみ椅子とテーブル、プロジェクタースクリーン、長い黒色のUSB-Cケーブルで高性能ノートPCと接続されたヘッドマウントディスプレイが置かれたこの殺風景な部屋で、筆者は「CES 2024」の最大のサプライズである製品の非公開デモを体験した。さらに、この製品に携わる数人の誇り高き従業員に単独で話を聞く機会にも恵まれた。
ソニーのXRヘッドセットは米国時間1月8日の夜、突然登場した。それは、Appleが待望の「Vision Pro」ヘッドセットの発売日と予約注文方法を発表してからわずか数時間後の出来事だった。ソニーのヘッドセットは、Qualcommの新しい「Snapdragon XR2+ Gen 2」チップを初めて採用している。XR2+ Gen 2は、先頃発表されたばかりで、ハードウェアメーカーがAppleのVision Proと競合するハイエンドXRデバイスを製造できるようにすることを目指している。これらのXR2+ Gen 2搭載ヘッドセットのほとんどは「Android」を採用しており、ソニーも米ZDNETに対して、同社のヘッドセットがAndroidを搭載していることを認めた。
ソニーのヘッドセットは、8Kディスプレイ(2つの4K OLEDマイクロディスプレイで構成される)を備えている。リングとポインターで構成されるウェアラブルコントローラーも含まれており、仮想空間内の3Dオブジェクトを正確に選択したり、効果的に操作したりできる。ソニーは、ユーザーが利き手でポインターを持ち、もう一方の手でリングを持つことを想定している。ヘッドセットはフリップアップディスプレイを備えているので、ユーザーは簡単にヘッドセットのセッションから抜け出したり、セッションを再開したりできる。筆者は、すべてのヘッドセットがこの機能を提供してくれることを望んでいる。
ソニーとSiemensの関係者へのインタビューでは、このヘッドセットが主に以下の2つのことに焦点を当てていることも明らかになった。
ソニーのヘッドセットはまだ正式名称さえ決まっていない。それには妥当な理由がある。
このヘッドセットは、スタンドアロンのデバイスとして販売されるのではなく、「Siemens NX Immersive Designer」を含む製品パッケージの一部として販売される予定だ。Siemens NX Immersive Designerは、ソフトウェア組織がグローバルチーム全体で創作や共同作業、反復、製品デザインの変更を行うことを可能にする。この製品を利用して、長時間のフライトを伴う海外出張や物理的なプロトタイプの世界各地への郵送を、仮想空間内の「デジタルツイン」での共同作業に置き換えることで、膨大な時間とリソースを節約できる可能性がある。
ソニーとの提携により、ほかのパートナーも自社のソフトウェアプラットフォームをソニーのヘッドセットと組み合わせて、特定の業種や業界で販売する予定だ。ソニーは、自社が深く根ざしている場所として、エンターテインメント業界を挙げた。同社は、このヘッドセットを「空間コンテンツ作成プラットフォーム」として使用し、新たな没入型コンテンツの波を作り出すためのツール群を映画制作者やゲームクリエイター、そのほかのストーリーテラーに提供する計画だ。これには、全身トラッキングが可能なソニー独自のモーションキャプチャーシステム「mocopi」も含まれる。これにより、3Dコンピューターグラフィックスおよびアニメーションのための強力なプラットフォームが実現する。