誰もが資本を獲得し起業家精神を持てる社会を目指すことが最後の公民権運動
今回は「誰もが資本を獲得し起業家精神を持てる社会を目指すことが最後の公民権運動」についてご紹介します。
関連ワード (SuppliedShop、コラム、シリコンバレー、差別等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
本稿の著者Joseph Heller(ジョセフ・ヘラー)氏は小規模企業の専門家でSuppliedShop(サプライド・ショップ)のCEOである。SuppliedShopは、小規模企業とブランド企業向けの卸売プラットフォームで、ブティックのオーナーはこのプラットフォームから高品質で手頃な価格の商品を買いつけることができる。
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人間にとって環境と背景はいつでも重要だ。俯瞰的に見ると、私には次のような持って生まれた特権があった。男性であること、世界で最も力のある国にその歴史上最も繁栄している時代に生まれたこと、両親はどちらも大学を出ていること、中流階級の隣人に囲まれていることなどだ。
私が父親の世代に生まれていた可能性だってある。当時は、白人至上主義がまだ残っており、黒人がいたるところで門前払いされていた。今でさえ、私にはユダヤ人の血が半分流れているおかげでまったくの「黒人」には見えないことで恩恵を受けている。
そうした恩恵は受けているものの、黒人の家系であることでベンチャーキャピタル(VC)からの資金調達が難しくなっていることもまた間違いのない事実だ。この現実は「完璧を目指して力を尽くし、常に向上する」というシリコンバレーの典型的な価値観と相反する。
起業家を目指す人たちにできるかぎり平等な競争環境を用意することは国益になるはずだ。
この国では今、これはデータからも証明されていることだが、VCから資金調達する際に白人男性に不当な優位性がある。この所為で、巨大な企業を築き上げた白人男性企業家の地位が低下することはないが、同等の能力を持つ黒人創業者は存在しないも同然の扱いを受けてきた。
国が、個人の背景とは無関係に起業家精神を促進することには利点がある。起業家は仕事を生み出し、イノベーションを起こし、そのおかげでこの国は地球上で最も競争力のある国としての地位を維持できる。起業家を目指す人たちにできるかぎり平等な競争環境を用意することは国益になるはずだが、この国は人種と性別の両方においてその目標達成には程遠い状態だ。
UC Berkeley(カリフォルニア大学バークレー校)を卒業してすぐ、私は中国南部に引っ越した。当時の私は大半の意思決定をどちらかというと無意識に行っていたが、黒人男性として、大企業で働いても公平な扱いを受けることはないだろうと常に感じていた。私の成功への道は起業家として自分の会社を立ち上げることだといつも思っていた。米国ではなく中国でならそれができるように思えた。
私は中国の起業家精神が大変気に入った。驚いたことに、中国で暮らす外国人として、私は人種的な差別を受けていないと感じた。中国人は、自国にビジネスチャンスをもたらす1人の米国人という視点だけで私のことを見てくれた。私がもたらす価値のメリットに基づいて、米国内よりも高く私を評価してくれていると感じた。それは新鮮な感覚だった。私はビジネスチャンスに駆り立てられ、中国で輸出入事業を立ち上げ成功させた。2、3年後には30人を超える従業員を抱えるまでになった。工場相手の仕事もとてもおもしろかった。米国人が使ったり身につけたりする製品が製造されるのを見て惹きつけられた。
当時、私の会社の顧客は、米国拠点の比較的大規模な小売企業やブランド企業だった。Shopifyの成長を目の当たりにした。小規模企業は複雑そうに見えて実はシンプルなeコマース製品とInstagramなどのマーケティングツールによって、自社製品をオンラインで販売しマーケティングできるようになった。そのような販売とマーケティングの手法は、数年前まで私の会社の顧客のような大企業にしかできなかったことだ。しかしその一方で、小規模企業が、ShopifyやInstagramを使ってビジネスを展開できても、サプライチェーンと製造業の巨大なリソースを自らのビジネスに生かす方法がないという現実が頭から離れなかった。
私がThe/Studio(ザ・スタジオ)を創業した理由もそこにある。The/Studioは、カスタム製品を生産するための製造業プラットフォームだ。小規模企業はこのプラットフォームを通して工場に製品の生産を依頼できる。このプラットフォームの目的は、小規模企業が製造業に関するさまざまな面倒ごとやリスクに対処することなく自社製品を簡単に少量生産できるようにすることだ。
当時、私はVCから資金を調達するという方法があることさえ知らなかった。資金調達では、まさに、有色人種であることが障害となっていた。VCを中心とする同心円の中心に近い人間ほどVCという存在を知っており、その利用方法もわかっていた。
同心円の中心から遠く離れた位置にいる人たちは、VCがどのようにして会社を成長させることができるのかを理解していない。ましてやその利用方法など知る由もない。日用品のようでありながら、一部の特別待遇の人間しか利用できない閉鎖的な資本があるとするなら、それはエリート主義であり縁故主義だ。そうした資本はシリコンバレーの理念とは正反対のものであり、グローバルな企業家基準をリードする米国の能力を低下させるものだと思う。
2016年までには、私は資本を調達することなく、会社の収益を数千万ドル(数十億円)台にまで自力で成長させた。従業員数は100名を超え、事業は黒字経営だった。Shopifyが手にしたのと同じような、大きなチャンスがあることもわかっていたが、当時は、現実的な方法や責任が持てると思える方法でビジネスを成長させるための財源も知識もないと考えていた。
テック企業がこの規模になると会社をさらに飛躍させるために、VCが本当に必要になるということがわかってきたのもこの頃だった。資金を獲得することだけが目的ではない。もちろん資金は重要だが、資金と同時にアドバイスも必要だった。
そこで私はサンフランシスコに居を移した。私の会社ならVCから簡単に数百万ドル(数億円)くらい調達できるだろうと楽観的に考えていた。TechCrunchの記事で、具体的な製品はなく単に良いアイデアだけで(ときにはとても良いとは思えないようなアイデアでも)数百万ドル、ときには数千万ドルを調達した会社があることを知っていたからだ。私はすでにかなりの規模の会社を作り、TAM(獲得可能な最大市場規模)も相当に大きく、実際に販売している製品もあり、黒字経営で規模拡大の準備は整っていた。起業家としての能力は証明済みだった。
まず、大学時代の友人の1人が書いてくれた紹介状と、以前VCを運営していた人物が前の同僚宛に書いてくれた何通かの紹介状を使って、資金調達活動を始めてみた。従来のシリコンバレーのやり方に従い、1通の紹介状を受け取り、そこでまた別の紹介状を書いてもらった。そのうち、VCというのはソーシャルゲームみたいなものだとわかってきた。私は以降2年間、このソーシャルゲームを続けることになる。
ジョセフ・ヘラー氏はSuppliedのCEO兼創業者だ(画像クレジット:SuppliedShop)
資金調達の過程において、VCの世界であからさまな人種差別を受けたことはないことを明言しておく。みな丁寧で親切に対応してくれた。しかし、プレゼンミーティングやVCのイベントなどに参加すると、ビバリーヒルズのロデオドライブにある高級カントリークラブや高級ショッピングストアで感じるのと同じ気持ちを味わった。VCのコミュニティとVCのお眼鏡にかなった一部の起業家たちが、外部の人間とのつながりを拒否する、結束の強いエリート集団であることは明白だった。
傲慢で、エリート主義で、排他的な雰囲気が文字どおりあらゆるやり取りに浸透していた。彼らはみな同じ話し方をし、こちらが彼らの側のネットワークで他に誰を知っているのかを探ってきた。そして、彼らのネットワークに属する人間ではないことがわかった時点で、面接は基本的に終了である。この感覚は、私の考えるシリコンバレーの理念と相反する。私のイメージするシリコンバレーは、良いアイデアを持っており聡明でハードワークを惜しまず、なおかつ肝の据わっている起業家が、資金を調達して成功を見出すことができるという理想的な世界だ。
しかし実際には、シリコンバレーというのは人種、性別、出身大学(カリフォルニア大学バークレー校でさえあまり高く評価されない)によって入会できるかどうかが大きく左右される排他的なクラブのような場所だった。白人でもなく、男性でもなく、ハーバード、スタンフォード、およびアイビーリーグに属する大学の出身でもない人は、自らのビジョンを何年も執拗に追求して裏口から入り込むしかなかった。
関連記事:年間売上高11億円のスタートアップがVCからの資金調達に18カ月かかった理由
The/Studioは最終的に、シリーズAで1100万ドル(約11億4000万円)を調達した。18カ月間で150回の面接を受け、145回失敗した末の結果だ。私のプレゼンの相手はほとんど白人男性のVCだった。彼らの偏見とこちらが彼らのネットワークで知っている人がいないという事実だけで、面接が始まる前に結果は「失敗」となる。より広範なデータを調べてみると、これには人種的偏見があることがよくわかる。私の面接経験からざっと計算してみてもやはり同じだ。私は、白人が運営する120社のVCの面接を受けたが、そのうち条件概要書を提示してくれたVCは1社もない。これに対して、少数民族出身者が運営する30社のVCの面接では、5社のVCから条件概要書を受け取った。つまり成功率17%だ。
2年後、私は、大規模なVCラウンドで資金を調達した排他的起業家グループの仲間入りを果たした。そして今、シリコンバレーの裏側がどういうものかを理解している。シリコンバレーには本当に聡明な投資家と起業家がいることは、データが物語っている。シリコンバレーでVCの支援を受けて上場した企業の数はそれ以外の上場企業数を大幅に上回っているが、それも当然だ。
また、あまり有能と思えない投資家でも単純にネットワークだけで投資家として活動できている人たちも大勢いる。同様に、世界トップクラスではないが、ネットワークがあるというだけで資金調達に成功している起業家たちも大勢いる。さらに、すばらしい投資家になったであろうに、シリコンバレーにネットワークがなく白人でないという理由だけで投資家になる機会さえ与えられなかった優秀な人たちにも多く出会った。同じように、大企業を上場に導いた人物と同等の能力を持つ優れた起業家であるにもかかわらず、ネットワークがなく有色人種であるという理由でVCからの資金調達に失敗した人たちも大勢知っている。
私は、シリコンバレーには、人種と家系の条件を満たしている人が最高の起業家であるという根強い感覚があると確信している。そして、その条件に当てはまる人に対しては「10%の投資先から利益を稼げれば、残りの90%は失敗しても問題ない」という考え方で動くシリコンバレーのVC投資業界の仕組みと、そこから生まれる悪循環が、この感覚を助長している。
もし、内輪で知られていない人物に投資すると、その決定を下した理由についてパートナーに問い詰められるリスクを負うことになる。そのような危険を冒すことで発生する個人的リスクは大きい。シリコンバレーで絶大な社会的信用を誇る人物に投資すれば、それが失敗に終わったとしても、誰からも叱責されない。それは最初から組み込まれているプロセスだからだ。
VCもしょせん人間だ。数十億ドル(数千億円)の資金があって、その資金を調達したいと思っている数千人の起業家がいるが、年に数人しか選択できない場合、反発のない方法、つまり自分が知っている人たちに投資するのが簡単だ。それは大抵の場合、白人男性だ。そのような選択は自己達成的予言となる。というのは、圧倒的多数を占める白人男性に対する投資案件でさえ成功するのが数件だけだとしたら、それよりはるかに少ない有色人種や女性に投資しても、成功件数がさらに少なくなるのは統計学的に当然だ。こうした数学的に「客観的な」意思決定を下すことで、投資先に対する人種的バイアスを自分の中に取り込んでしまうことになる。
ただし、女性に関しては、この問題がここ10年で解決の方向に向かい始めている。10年前、VCから資金を調達した女性起業家はごくわずかだった。最近のForbes(フォーブス)の調査によると、資金調達に成功した女性経営企業はわずか823社だった。VCの支援を受けた女性経営企業の数は今でも非常に少ないが、同調査によると2019年現在で3450社以上と10年前に比べればかなり増えている。別に10年間で女性が賢くなったわけではない。VCにも現状是正の圧力がかかり、先を見据えた投資活動を行うようになったのだ。
彼らは、女性も優れた起業家そして投資家にもなれることに気づいた。この10年で、女性を雇用する(さらには女性によって創業される)VC企業が増えた。それでもまだ11%程度ではあるが。
人種間格差の方はどうだろうか。私の知人に、米国で5本の指に入る工科大学で電気工学とコンピューターサイエンスの修士号を取った優秀な黒人男性がいる。彼は数億ドルの資金を調達した会社のエンジニアリングチームでトップを務めている。さらには、法人向けのハイテクスタートアップを創業して100万ドル(約1億300万円)以上の収益を上げていて、黒字経営で、しかも自己資金のみで運営している。もし彼が白人だったら、間違いなくVCからかなりの資金を調達していただろう。だが黒人であるという理由だけでそれもできなかった。
繰り返すが、私はこれをあからさまな人種差別の問題とは思っていない。おそらく彼はVC社会に受け入れられず、彼自身居心地も悪いのだろう。資金を調達できる自信もなかったのかもしれない。自分の周りの黒人で資金を調達した人を見たことがないのだろう。こうした問題に加え、いわゆる「起業家らしい外見」を備えていないため、VCから門前払いされるだろう。
こうした事実はあるものの、起業家の側にも変化が起こり始めている。例えば当社では最近、Supplied(サプライド)という新サービスをリリースした。これは小規模企業やブティックが中国の工場から直接製品を大量仕入れできるようにするもので、顧客の約95%が女性、60%が有色人種だ。
この市場向けにサービスを開発するつもりはなかったのだが、顧客がSuppliedを積極的に活用するようになると、こちらも顧客を受け入れるようになった。最初、当社の取締役会(すべて白人男性)はこの市場を理解せず、少し慎重になっていた。私は彼らを責めるつもりはない。彼らのそうした想定や初期反応は何ら悪意のあるものではない。ただ、当社の顧客を理解できるような経験をこれまでにしていなかっただけだ。
しかし、私には少なくとも顧客ベースが直面する人種問題という意味では、その経験がある。私にはこの市場はビジネスになるという確信があった。同じような経験と野心を持つ有色人種の女性を大勢知っていたからだ。顧客は当社のプラットフォームに引き寄せられていた。法外に高い料金のため他社の卸売プラットフォームに入ることもできずにいたのだ。
また、私自身、顧客ベースを十分に理解できていないこと、顧客ベースを本当に理解できるだけの十分な多様性が自社チームにはないという事実にも気づかされた。そこで、組織の女性の割合を意識的に増やす努力をした。現在当社の経営幹部は女性が33%、黒人が33%、有色人種が77%だ。これは誇っていい数字だと思う。Suppliedの運営チームは、その顧客ベースと同様、女性が圧倒的に多い。
The/StudioとSuppliedのマーケティング部門のトップはどちらも黒人女性で、1人はナイジェリア、もう1人はガーナ出身だ。当社の有色人種の数は私の知っているどのテック企業よりもはるかに多い。ダイバーシティは当社にとって単なるお題目ではない。ダイバーシティは私にとって身近なことであるため、社内にも当たり前のように存在する。
シリコンバレーは信じられない結果を生み出してきた。だから、少数民族や女性を故意に締め出すこの人種差別主義的状況はあるものの、それだけでシリコンバレーを悪く言いたくはない。だが、あからさまな人種差別、歴史的要因、人の本性などを含む多くの要因のため、シリコンバレーが米国の人種と性別の多様性を反映していないことは依然として事実のままだ。
米国の多様性は増しており、世界はより豊かになっている。シリコンバレーがイノベーションの旗手としての地位を保つには、多様性を高めて米国および新興市場を理解できるようにすることが重要だ。有色人種の社員が増えることで現職者が締め出されてしまうゼロサムゲームにする必要はない。実際、多様性によって競争力が向上し、世界に対してより多様性のある見方ができるようになり、結果として、すべての人たちが利益とチャンスを得られる可能性が高まる。
黒人創業者およびリプリゼンテーションの低いその他の少数民族グループに属する人たちにも、自助努力を惜しまず、たとえ困難でも、起業家になる目的、資金を調達する目的を追求していく義務がある。今の世代が次世代の人たちを鼓舞し、雇用するようになる。資金調達に成功する黒人が増えるほど、黒人の起業家精神が正常化され、VCによる黒人創業者への投資が正常化されて起業家への道を進む黒人も増えるというフライホイール効果が生まれる。
私は、誰もが資本を獲得し起業家精神を持てる社会を目指すことは、最後の公民権運動だと確信している。我々は、シリコンバレーそして世界で、金銭的にも社会的にも本当の平等を作り出し、未来を築き上げる機会を与えられている。
画像クレジット:Larry Washburn / Getty Images
【原文】
Context is always important. In the grand scheme of things, I have privilege: I was born a male, in the most powerful country in the world, during the most prosperous time in history, to parents who both went to college, all in a middle-class neighborhood.
I could have been born during my dad’s generation when there were still signs that said “Whites Only” and he was barred from entry. Even now, the fact that I’m half-Jewish and look more ambiguous than “Black” has been a privilege.
But despite my privilege, I’m also confident that my Black heritage made it more difficult for me to raise venture capital. It’s a reality that goes against the classic Silicon Valley ethos: strive for perfection and constantly improve.
It’s in our national interests to make becoming an entrepreneur as egalitarian as possible.
Today — and the data proves this — if you are a white male, you have an unfair advantage when looking to raise venture capital. This doesn’t take anything away from the brilliant white male entrepreneurs that have built incredible companies, but it has made an equivalent crowd of Black founders almost nonexistent.
As a nation we know the benefits of encouraging entrepreneurship across backgrounds: Entrepreneurs create jobs, spark innovation and allow us to maintain our position as the most competitive nation on the planet. It’s in our national interests to make becoming an entrepreneur as egalitarian as possible, and yet we’ve fallen remarkably short of that goal across both race and gender.
I moved to southern China shortly after graduating from UC Berkeley. A lot of my decision-making process at the time was more subconscious, but I always had this feeling that as a Black male, I wasn’t going to get fair treatment working for a large company; I always knew my path to success was through being an entrepreneur and creating my own company. China, not the U.S., seemed the place to do that.
I fell in love with the entrepreneurial spirit of China. And surprisingly, as a foreigner in China, I felt that I wasn’t judged in the context of race. They saw me as an American that could bring them business opportunities and that was it, I felt that I was judged more on the merits of the value that I could bring than I would in the U.S. — and it was refreshing. Spurred by opportunities, I started a successful import and export business in China, and after a few years I had over 30 employees. I loved the experience of working with factories and I found it mesmerizing watching products that we use and wear being made.
At that time, my clients were larger U.S.-based retailers and brands. I could see the growth of Shopify and how this deceptively simple e-commerce product, plus marketing tools like Instagram, allowed small businesses to sell online and market their products in ways that had only been accessible to my larger clients years before. But I kept thinking that there was no equivalent inroad for small businesses to vast resources of supply chain and manufacturing.
That was the reason I founded The/Studio, a custom manufacturing platform that would give small businesses access to factories so that they could easily manufacture products in low quantities, without having to deal with all of the hassle and risks associated with manufacturing — just like the big brands.
At the time, I didn’t even know that raising venture capital was a possibility. And really, this was where my race became an obstacle. Those closer to the concentric circles of venture capital know that venture capital exists and they know how to access it.
Those that are further away don’t know how it truly can scale your company, let alone how to access it. Now, when you have a commodity like capital that is a closely held resource to a favored few, that’s called elitism and cronyism. I believe it’s the antithesis of what Silicon Valley is supposed to stand for and it’s detrimental to America’s ability to lead on a global, entrepreneurial scale.
By 2016, without capital, I had bootstrapped the company to eight digits in revenue. We had more than 100 employees and the business was profitable. I knew that there was a much larger opportunity for us to take advantage of — the same one Shopify seized on — but I felt that I didn’t have the financial resources, nor the knowledge at the time, to really grow the business in the way that I thought was possible or responsible.
It was at this time that I started to understand that at this point in a technology company’s trajectory, they really need venture capital to put fuel to the fire. Not just for the money, though that helps — we needed the counsel and guidance that often comes with it, too.
So I upped and moved to San Francisco. I was very optimistic that it would be easy for my company to raise millions of dollars in venture capital — after all, I was used to reading in TechCrunch about companies that were raising millions of dollars, and sometimes tens of millions of dollars, with no product, just a good idea (and sometimes a bad one). I’d proven my ability as an entrepreneur by already building a sizable business with a massive TAM, plus a product that was live, already profitable and ready to be scaled.
I started off with several introductions that one of my friends from college and a former VC made for me to several of his previous colleagues. In the traditional Silicon Valley way, I would take one introduction and turn it into another. I began to realize that venture capital is a bit of a social game — and I was about to play it for two years.
Joseph Heller is CEO and founder of Supplied. Image Credits: Supplied
During this process, I want to be clear that I never faced overt racism; everyone was polite and gracious with their time. But when going to pitch meetings and VC events, I got the same feeling that I would get when you go to a high-end country club or a luxury store on Rodeo Drive in Beverly Hills. It was clear that the venture community — and the few entrepreneurs that they anointed to be part of their chosen — were a closely knit elite who wanted nothing to do with outsiders.
An air of arrogance, elitism and exclusivity pervaded literally every interaction. They spoke a certain way, they were looking for cues of who else you knew in their network — and the minute that they discovered that you were not one of them, the meeting was basically over. This feeling was in stark contrast with what in my mind Silicon Valley had stood for. I had envisioned an ideal where any brilliant, hard-working entrepreneur with a good idea and was scrappy as hell could raise money and find success.
In reality, it was a place where your admittance to the club was heavily based on your race, gender and what university you went to (even UC Berkeley wasn’t highly regarded). If you weren’t white, male and from Harvard, Stanford or the Ivies, you had to relentlessly pursue your vision for years to get in through the back door.
The/Studio did finally raise an $11 million series A — after 18 months and 150 meetings and 145 “no’s.” Read that again. I was mostly pitching white male VCs. Their prejudgements and the fact that you don’t know their friends made it a “no” before the meeting even started. The wider data suggests strongly that there was a racial component to this, as does my personal napkin math: Roughly 120 of the VCs I pitched were white and we got zero term sheets from them. Thirty that I pitched were ethnic minorities and I received five term sheets, or a success rate of 17%.
Two years later, I’ve become part of that exclusive group of entrepreneurs that have raised a sizable venture capital round. And I now have a behind-the-scenes view of what Silicon Valley is all about. There are some truly brilliant investors and entrepreneurs in Silicon Valley and the data backs that up; the number of VC-backed companies that go public in Silicon Valley dwarf the rest of the nation for a good reason.
But I’ve also learned that there are a lot of incompetent investors that are investors simply because of who they know, and a lot of entrepreneurs that aren’t the best in the world who get funded because of who they know. In addition, I’ve met a lot of people that would be great investors that never will have the opportunity to be investors, because of who they don’t know and how they look. Likewise, I know many great entrepreneurs, just as good as the ones that have taken major companies public, that won’t raise VC money because of who they don’t know and how they look.
I do believe there is a deep-seated perception in Silicon Valley that people that look a certain way and have a certain pedigree are the best entrepreneurs. The system is set up in a way that reinforces this mentality with a positive feedback loop: The VC structure is set up in a way that they make money off of 10% of their deals and the other 90% can fail, no problem.
If they invest in someone that is unknown within their social circles, they run the risk of being challenged by their partnership on why they made that decision, so the personal risk of going out on a limb is big. If they invest in someone that has a ton of social credibility in Silicon Valley, then even if they fail, nobody will question them. It’s part of the process.
VCs are only human, and if you have billions of dollars of capital to deploy and thousands of entrepreneurs that want to raise money from you, and you can only select a few a year, it’s easy to take the resistance-free route and invest in people that you know. Those people are generally white males. It becomes a self-fulfilling prophecy, because statistically if you invest in predominantly white males and a few of them succeed, then invest in far fewer people of color or women, even fewer of them will succeed. You end up internalizing that bias in your mathematically “objective” decision-making.
We saw this same issue begin to be resolved for women in the last decade. There were very few female entrepreneurs who raised VC money 10 years ago — 823 women-owned businesses, according to a recent Forbes study. There are still very few female-led VC-backed companies today, compared to male-led ones, but there are a lot more now; over 3,450 as of 2019, according to the same study. Women didn’t get smarter in 10 years; pressure was applied to VCs and they started being less myopic.
They realized that women made great entrepreneurs — and investors, too. During the last decade, more VC firms began hiring — and were started — by women, although even now it’s still a meager 11%.
But what about the racial divide? I know a brilliant Black guy that has a master’s degree in electrical engineering and computer science from one of the top five engineering schools in the nation, heads an engineering team for a company that has raised hundreds of millions of dollars and has created a high-tech startup serving enterprise customers, doing over $1 million a year in revenue, is profitable and totally bootstrapped. I’m confident that if he were a white male, he would have already raised significant VC money. He hasn’t.
Again, I don’t think it’s a matter of overt racism. But he probably isn’t accepted and doesn’t feel comfortable in VC social circles; he probably doesn’t have the confidence that he can raise money; he hasn’t seen others that look like him raise money. Because he lacks these things and because he doesn’t have the traditional “entrepreneur look,” he would be dismissed by VCs.
Now, all this being said, change begins with entrepreneurs, too. For instance, we recently launched a new product called Supplied that allows small businesses and boutiques to buy products wholesale directly from factories in China. About 95% of our customers are women — and 60% of our customers are people of color.
We didn’t set out to build a product for this market, but once they embraced it, we embraced them. Initially, my board, which is all white and male, didn’t understand this market and was a bit cautious. I don’t blame them; there was nothing nefarious about their assumptions or initial concerns, they just didn’t have the experience in their life that helped them to understand our customer.
But I did, at least the racial challenges faced by our customer base. I had conviction that there was a business here because I know a lot of women of color that had similar experiences and aspirations as the customers that were gravitating toward our platform, only to be shut out by prohibitively high prices on other “wholesale” platforms.
And I recognized my own inability to fully understand our customer base, as well as the fact that my team wasn’t diverse enough to really understand them, either. So I deliberately tried to recruit more women into our organization. I’m now proud to say that my executive leadership is 33% female, 33% Black, 77% people of color. The team that runs Supplied is predominantly female, just like the customer base.
Both The/Studio and Supplied’s head of marketing are Black women, with one working from Nigeria and the other from Ghana. Our diversity numbers are far better than almost any tech company I’ve encountered. Diversity isn’t something we just talk about; it comes naturally to us, because diversity comes naturally to me.
Silicon Valley has created incredible outcomes, and I don’t want to unfairly malign Silicon Valley as this racist institution that deliberately keeps out minorities and women. But because of many factors — which do include overt racism, historical factors and just human nature — the fact remains that Silicon Valley does not reflect our nation’s diversity across race and gender. Yet.
Our country is becoming more diverse and the rest of the world more wealthy. For Silicon Valley to maintain its crown as a beacon of innovation, it’s important to make it more diverse so it can understand the United States as well as emerging markets. It doesn’t need to be a zero-sum game where more people of color will push out the incumbents. In fact, it will make things more competitive, with a more diverse perspective on the world, which is better for returns and opportunities for all.
Blacks founders and other underrepresented groups also have an obligation to pull up their bootstraps and pursue being entrepreneurs and being funded, no matter how hard it is. This generation will serve as the inspiration — and employer — of the next. The more Black people who get funding, the more Black entrepreneurialism becomes normalized, creating a flywheel effect of normalizing investing in Black founders for VCs and encouraging more Black people to pursue being entrepreneurs.
I firmly believe that equal access to capital and entrepreneurship is the final civil rights movement. We have an opportunity to create real equality — financial and social — in Silicon Valley and the world, all while building the future.
(文:ゲストライター、翻訳:Dragonfly)