遅くとも2年以内には国内シェアもトップに–ヴィーム・ソフトウェア
今回は「遅くとも2年以内には国内シェアもトップに–ヴィーム・ソフトウェア」についてご紹介します。
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ヴィーム・ソフトウェアは、2024年の事業戦略に関するプレス向け説明会を開催した。
説明を行った執行役員社長の古舘正清氏は冒頭、「2022年度についにグローバルでナンバーワンのシェアを取ることができた」と明かした。グローバルでは17年の歴史を持つ同社だが、国内では「実質的に6年」ということで参入してからあまり期間が経っていないこともあり、「国内ではまだナンバーワンになっていない」が、「かなり追い上げていて、おそらく今年には2位になり、早ければ来年、遅くとも2年以内にはトップになれるだろう」と自信を見せた。
国内事業は好調で、「日本の成長率はグローバルの平均を大きく上回っており、業界平均の5倍くらいのスピードで伸長している」という。その原動力として同氏は「エンタープライズユーザーの獲得」を挙げ、大手通信事業者やメガバンク、電機メーカーや自動車メーカーなど、国内の主要企業の多くが採用しているそうだ。その理由としては「クラウドシフトに伴うバックアップ体制の見直し」と「ランサムウェア対策」が大きいという。
クラウドシフトに関して、古舘氏はユーザー企業に「ITインフラがDX推進の足かせになってはいけない。DXのスピードを高めるために、できる限りITインフラはシンプルにしていきたい」という意識が強くあり、バックアップに関してもオンプレミスもクラウドも、どのような環境にデータがあったとしても統合的に管理できるようにしておきたいというニーズが出てきたことが同社製品の採用を後押ししているとする。
さらに、「Microsoft 365」などのSaaSの活用が拡大していることから、そうした環境に保存されるデータのバックアップのためにオンプレミスでバックアップサーバーを用意するという発想はないため、Backup-as-a-Service (BaaS)という形での利用も拡大しているという。
同社はこの分野向けに2023年10月から、「Cirrus for Microsfot 365」「Cirrus Cloud Protect for Microsoft Azure」の2製品の提供を開始している。Cirrusは豪CT4社がVeeamのプラットフォームを活用して開発/提供していたサービスだったが、これをVeeamが買収して自社製品として提供開始したもので、「2024年初旬をめどに、VeeamとCirrusが完全統合したBaaSの新バージョンを発表する予定」とされている。
古舘氏はさらに最新動向として「VMware買収によるアプリケーションモダナイゼーションの加速」を挙げた。米Broadcomは2022年5月にVMware買収を発表していたが、2023年11月に買収作業の完了が発表された。これを受けて、国内でも一部のVMware製品の新規提供の廃止やパートナープログラムの変更などが起こっているようで、混乱が起きていることが伝えられている。
こうした動向を踏まえて同氏は「ユーザー企業の中でも、クラウドシフトや別のハイパーバイザーへの移行を検討しているところもあるようだが、本来在るべき姿ではないかと思うのは、アプリケーションをモダナイゼーションしていくこと」と指摘した。
同氏はVMwareの仮想化インフラを使うことで古いアプリケーションをそのまま延命する例が国内では多かったことを指摘し、これがVMwareの体制変更を機に見直され、新たにクラウドネイティブ/コンテナーベースのアプリケーションへのモダナイズが進展することを期待していると表明した。
同社製品では、Kubernetes環境のバックアップ向けの「Kasten K10」でコンテナー環境のバックアップもカバーしていることから、アプリケーションのモダナイズの進捗(しんちょく)は同社にとって追い風となると見られる。
こうした動向を踏まえて同氏は、2024年の事業戦略として「BaaSビジネスの拡大」「Kubernetesソリューションの拡大」「OEMサポートビジネス拡大」「チャネルパートナービジネス拡大」の4点に取り組むとしている。