ServiceNow、「Now Platform Tokyo」をリリース–新しい業務の在り方を支える新機能
今回は「ServiceNow、「Now Platform Tokyo」をリリース–新しい業務の在り方を支える新機能」についてご紹介します。
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ServiceNow Japanは10月4日、記者向けの説明会を開催し、同社が提供する「Now Platform」の最新版「Tokyo」のリリースを発表した。説明会に登壇した執行役員 ソリューションコンサルティング事業統括 事業統括本部長 原智宏氏は、「『Now Platform Tokyo』のリリースを通して、企業に新しい業務の在り方を提言したい」と、説明した。
原氏は、現在の企業を取り巻く環境について、激変するマクロ経済環境下で企業はさらに複雑化したビジネス課題に直面していると説明。その中で、「ハイブリッドワーク時代における優れた人材の発掘、雇用、維持」「企業が顧客へ届ける製品・サービスを取り巻く、サプライチェーンへの混乱に対処する柔軟性と強靭性の確保」「コンプライアンスや規制対応の見直しや複雑性の増大に対する速やかな対応」の3つが、今の企業に求められる新しい課題だと主張した。
また、IDCが2022年度に行ったCEO Surveyの結果から、「95%の最高経営責任者(CEO)がデジタルファースト戦略を追求している」ことを取り上げ、従来の「オフラインを補完するデジタル」から「デジタルを中心にオフラインを補完」する戦略に多くのCEOや企業がかじを切っていると、ServiceNowの考えを明らかにした。
今回リリースするNow Platform Tokyoでは、このような背景を踏まえて「業務、組織を超えたシームレスかつ人中心のエクスペリエンスの確立により、ビジネス改革に直結する『新しい業務の在り方』を実現」をリリースコンセプトとして掲げた。
このコンセプトを実現する主要な提供価値として、「優れた従業員体験と顧客体験の実現を通しエンゲージメントや生産性の向上に寄与すること」「事業運営と情報セキュリティへの信頼性を高めるため、プラットフォームをよりセキュアにし、データをインテリジェンスとして顧客に提供する」「あらゆるビジネス領域のニーズに対応する目的別のソリューションでビジネス価値の実現に関わる時間を短縮し、価値実現を加速する」の3つを挙げた。
Tokyoリリースでは、これら3つの提供価値を支えるため、さまざまな機能拡張をNow Platformおよびその上で提供しているモジュールに対して行った。
例えば、機能拡張の一つとして、従業員の生産性やエンゲージメントの向上を支援する従業員ポータル「Employee Center」の一機能である「Manager Hub」を紹介。Manager Hubは、部下を持つ管理職が従業員をより良くサポートできるように新たな機能が追加された。デスクトップやモバイル端末から利用可能で、管理者は従業員に関するプロセスやリクエストを一元管理できるようになり、管理者がリーダーとして成長することを支援するためにパーソナライズされたリソースとトレーニングを提供する。
ほかにも、従業員体験(EX)に焦点を当てた「Issue Auto Resolution for HR」は、IT Service Management(ITSM)で提供する「Issue Auto Resolution」の機能を人事部門向けに拡張する。自然言語理解(NLU)を活用することで、従業員からの依頼や問い合わせ内容を分析し、「Microsoft Teams」やSMS、電子メールなど、適切な手段で従業員の状況に合わせたセルフサービスコンテンツを解決策として提供する。また、緊急の人事案件を特定し、より高度な支援が必要な場合は担当者に直接転送する。
また、事業運営と情報セキュリティの信頼性を高めるソリューションとして、「ServiceNow Vault」を例として挙げた。ServiceNow Vaultは、企業がコンプライアンスの信頼性とガバナンスを高めることができるセキュリティとプライバシーコントロールのセットを提供する。プラットフォームの暗号化、データの匿名化、シークレット管理、ログ転送、コードサイニングの5つの主要サービスで構成されているため、企業の顧客がセキュリティポリシーを徹底し、コンプライアンスの要件を満たす支援ができる。これらの機能は単一のプラットフォームに集約されているため、顧客がセキュリティとプライバシーの機能をシンプルに、一括で導入できるとしている。
ビジネス価値の実現を加速するTokyoリリースは、経営者層が情報に基づき、持続的な意思決定を行うためのソリューションも含まれている。「ServiceNow Enterprise Asset Management」は、多岐にわたる業界においてビジネス資産の計画から廃棄までのライフサイクルを自動化するソリューション。企業全体の資産を可視化することでリスクを軽減し、コストを削減するために必要な情報を得ることができる。ビジネスに合わせて在庫レベルを最適化し、ストックルームを効率的に運用することで既存資産をより有効に活用し、耐用年数を最大化できるという。また、資産に対する問い合わせや予約など、あらゆるワークフローを自動化することで、資産に関する対応が記録されるため、監査や規制の順守をサポートする。
さらに、多くの企業が注目する温室効果ガス(GHG)排出量の算出を行カーボンアカウンティング(炭素会計)機能を搭載した、「Environment、Social、and Governance(ESG)Management」を強化。既存のESG管理報告機能に加えて、企業がESG目標および重要業績指標(KPI)の設定と文書化、監査対応データの収集と検証、主要なESG報告フレームワークに沿った情報開示を作成する。企業がESGデータに対して増大する要求に効率的に対応するために収集した全メトリクスや、とりわけ重要で対応が必要となるメトリクスを一元管理するダッシュボードも含まれている。
Tokyoリリースは、ほかにもさまざまな新機能を提供し、企業の複雑化したビジネス課題の解決に寄与する構えだ。優れた従業員体験や顧客体験の実現や、事業運営と情報セキュリティへの信頼性を高めるインテリジェンスの強化、そして人や地球に優しく、かつビジネスでの成功にも寄与する形でビジネス価値の最大化を可能する機能を強化している。