デザイン手法を再発明–ダッソーが描く「AI駆動型デザインの未来」

今回は「デザイン手法を再発明–ダッソーが描く「AI駆動型デザインの未来」」についてご紹介します。

関連ワード (製造 x IT等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 製造業向けソフトウェアベンダーのDassault Systemes(ダッソー)は、米国時間2月11日から4日間にわたってテキサス州ダラスで年次ユーザーイベント「3DEXPERIENCE World 2024」を開催したリアルでの参加者は世界30カ国から約5000人、オンラインでは約1万人に上る。

 このイベントは、同社の3次元コンピューター支援設計(3D CAD)/製造/解析ソリューションなどのユーザーを対象にした「ユーザーコミュニティー構築の場」としての意味合いが強い。会期中は3Dデザインや解析、シミュレーションに関するワークショップや技術トレーニングセッションをはじめ、生成AIやバーチャルツインといった最新技術に関する講演、クラウドベースの製造業向け技術情報共有基盤「3DEXPERIENCE Platform」上でのコラボレーション事例など295のセッションが設けられた。

 今回のイベントは、前身となる「SOLIDWORKS World」から数えて25周年となる。会期のうち3日間を通じて行われた基調講演には、会長のBernard Charles(ベルナール・シャーレス)氏や、3DEXPERIENCE Works&CRE(Customer Role Experience)担当 シニア・バイス・プレジデントのGian Paolo Bassi(ジャン・パオロ・バッシ)氏、SOLIDWORKS 最高経営責任者(CEO)兼R&D担当バイス・プレジデントのManish Kumar(マニシュ・クマー)氏らが登壇。過去25年における設計の進化を振り返るとともに、次の25年にわたって、AIなどの技術が製造プロセスと設計デザインの分野にどのような変化をもたらすかを展望した。

 初日の基調講演に登壇したCharles氏は、「現在はデザイン設計のやり方をreinvent(再発明)し、プロダクトライフサイクルリソースを再定義する時期だ」と指摘する。

 地球資源の保護や気候変動対策、企業の社会的責任といった背景から、製造業には廃棄(リサイクル)までも包含した製品設計のあり方が求められている。“モノ”を生み出す企業は、製品を設計・製造・販売したり、モノから得られる体験を提供したりするだけにとどまらず、製品がどのように廃棄されてリサイクルされ、再生資源として活用されるかまで考慮する必要があるという。「だからこそデザイン設計が未来には果たす責任は大きく、(それを下支えする)AIの役割は重要になっている」(Charles氏)

 ダッソーは、以前よりAI開発に注力しており、「3DEXPERIENCE Platform」上で稼働するアプリケーションには、用途に応じて特化したAI機能が備わっている。例えば、3Dモデリングの「xDesign」のAI機能である「Design Assistant」は、設計者の過去の操作を学習し、次の操作に必要な操作を予測して提案する。また、BI(ビジネス分析)ツールの「NETVIBES」は、製品マテリアルの変更によるビジネスインパクトを予測する機能を備える。さらに、今後は対話型AIも提供していく予定だという。

 Charles氏は、「われわれは、これを『Magic SOLIDWORKS』と呼び、新たなインターフェースで提供していく計画だ。例えば、ある製品でどの部分がリサイクル素材であるかを分析したり、デザイン設計段階で製品の軽量化を図る提案をしたりといったことを、対話をしながら実現していく。また、手書きの設計図を3D CADに変換し、製品の耐久性までもシミュレーションできるような高度な機能も提供する計画である。(中略)AIを当たり前のように活用するデザイン設計の未来を考えた時、必要なのはモデリングからシミュレーションまでを一元化されたプラットフォーム上でシームレスに連携できる環境になる」と説明する。

 なお、これらのAI機能は、12カ月以内にリリース予定だという。

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