ServiceNow Japan、生成AIプロバイダーとしての価値提案を推進–2024年度事業戦略

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 ServiceNow Japanは3月28日、2024年度の事業戦略説明会を開催した。執行役員社長に就任して1年が経過した鈴木正敏氏は、「素晴らしいお客さまとパートナーに恵まれ、大変良い成果を1年間で残すことができた」とし、2023年のハイライトとともに今後の事業方針について説明した。

 まず同氏は、グローバル規模での2023年のハイライトとして「Fortune 500」に企業リスト認定したことを挙げた。「これまで、ServiceNowは成長企業として注目されることが多かったが、Fortune 500という成熟した企業の一つとして認定を頂いたことを大変光栄に思う」と述べた。

 ServiceNowの2023年度の決算は、全体売上が89億7100万ドル(約1兆3000億円)、社員数は2万2500人を超える。顧客数は8100社超、パートナー数は2000社超と順調に推移し、契約更新率も99%と引き続き高い水準を保っている。

 提供する製品の面では、ITサービス管理(ITSM)だけでなく、運用の自動化やセキュリティ運用の高度化、戦略的なIT投資を支援するポートフォリオ管理など、ITに関わる網羅的なソリューションをカバーするプラットフォームに進化を遂げているという。加えて、IT部門以外の領域に対しても調達・経理業務、総務・施設管理、人事サービス、営業・受注管理、AIサービスなど幅広い業務領域を全社横断的にカバーするソリューションも提供している。

 「数年前は、『私たちの創業であるITSMだけではない』ということを必死に訴えていたが、今では全社の業務を支える『プラットフォームベンダー』だということが周知されつつあると感じている」と鈴木氏はこれまでの道のりを振り返った。

 ServiceNow Japanの活動成果としては、受注件数や大型案件数が前年比で大幅に増加し、売り上げは大きく成長している。IT領域のソリューション群だけでなく、非IT領域の人事サービスや顧客サービス、フィールドサービス管理ソリューションが特に伸びているという。

 また、2023年度の事業方針を基に、さまざまな事業基盤を強化。事業拡大に向けた組織体制の強化や顧客との関係構築の強化、製品開発部門との連携、パートナーエコシステムの拡充、ServiceNowコミュニティーを支える裾野の拡大において成果を残してきた。

 ServiceNow Japanの2024年度における事業方針は、(1)業界向けビジネスの加速、(2)“Beyond CRM” 進化した顧客体験の実現、(3)日本発のパートナーエコシステムの確立、(4)中堅/成長企業市場での本格的な事業展開、(5)お客さまファーストの価値提案・支援、(6)お客さまビジネス上での生成AIの価値創出――の6つを掲げている。

 (1)業界向けビジネスの加速では、これまで同社のビジネスをけん引してきた通信・サービスプロバイダーをはじめ、製造業、金融サービス業、公共事業への展開を2023~2026年の間で段階的に行うと説明してきた。しかし、既に製造業、金融サービス業、公共事業で想定以上のビジネスの伸長があり、計画を前倒して投資の強化を行うという。加えて、公益や流通、運輸、メディア、不動産、商社などの各業界でも大規模な活用が進んでいる。

 同日には、ServiceNow Japanが中央省庁・自治体(公共)向けビジネスを包括的に強化する旨を発表した。これは中央省庁や自治体の国民・市民、職員向けのDXを加速することを目的にしているという。

 具体的には、2023年比で約2倍の人員を配置し、営業体制の強化や公共特有の課題に応える各種スペシャリストの配置を拡大する。また、ガバメントクラウド上でも円滑に稼働するServiceNow製品の提供や、同社が提供するプラットフォーム「Now Platform」とパートナーが持つ知見を組み合わせた、公共向けのソリューションを引き続き提供していくという。

 (2)“Beyond CRM” 進化した顧客体験の実現では、さまざまな顧客接点を統一し、一つのプラットフォームで全てのやりとりに関連するプロセスを整流化するという。鈴木氏は、「お客さまの情報や商談の情報などを360度管理するというのは大きく進んでいる状況にあるが、それだけでは顧客体験(CX)の向上に至っていないと感じる」と指摘する。

 Now Platformで統一されたユーザーインターフェース(UI)やデジタルワークフロー、ダッシュボードなどを用いて業務プロセスを横断的にオーケストレーションすることで、自社の顧客の要求への迅速な対応やリードタイムの削減、途中経過の可視化を実現するという。また、統一されたUIによって、商品やサービスごとにプロセスが異なるということがなくなり、CXの飛躍的な向上が見込めるとしている。

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