激動の時代続いたSUSE、安定した事業体制で顧客に選択肢を提供へ

今回は「激動の時代続いたSUSE、安定した事業体制で顧客に選択肢を提供へ」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 SUSEソフトウェアソリューションズジャパンは、本社CEOを迎えてプレス向けの事業戦略説明会を開催した。

 概要を説明したSUSE 最高経営責任者(CEO)のDirk-Peter van Leeuwen(ダーク-ピーター・ヴァン・ルーウェン)氏は自身の経歴から紹介。同氏は2023年5月にCEOに就任したが、それ以前は18年間にわたってRed Hatのシニアエグゼクティブポジションを歴任しており、2010~2021年にはAPAC&Japanのゼネラルマネージャーを務めた。コロナ禍以前は2カ月のうち1週間を日本で過ごすサイクルを続けていたそうで、日本にもなじみのある人物だ。

 Leeuwen氏は「SUSEは業界でも最古のオープンソース企業の1社で、30年以上の歴史がある」と紹介。同社の創業は1992年だが、その後2003年にNovellがSUSEを買収して子会社化し、その後Novellが買収されるなどしてオーナーが次々と変わっていき、2018年にプライベートエクイティーファンドによる買収を経て再び独立企業に戻った。

 この経緯について、Leeuwen氏は「何度もオーナーが変わる困難な時期が続いたが、現在は非公開企業として安定した状態にある」とした。同社は2023年に株式を非公開化し、プライベートカンパニーとなっている。この意義について同氏は「事業への積極的な投資が可能になり、再び成長軌道に戻り、その成果を顧客に還元できるようになる」とした上で、現状の市場の状況について「われわれがリーダーシップを発揮するべくステップアップするよう期待されていると感じている」と語った。

 その理由として、Leeuwen氏はVMware(Broadcom)とRed Hat(IBM)の2つの買収の影響を挙げ、「これらの買収は顧客企業にインフラを単一ベンダーに依存することがリスクとなるということを強く意識させ、既存のプラットフォームの代替候補を探させるきっかけとなった」と指摘し、同社がユーザー企業に対して代替案を提供できると強調した。

 Leeuwen氏は携帯電話で実現したナンバーポータビリティーに例えて「携帯電話会社を換えたいと思っても電話番号は変えたくはないし、機種変更も強制されたくはないだろう。われわれはソフトウェアの世界でも同じことを実現するのだ」と語った。

 同社の中核製品はLinuxディストリビューション「SUSE Linux」だが、同氏はほかに重要な製品として「OpenBuild Service」と「SUSE Manager」を挙げた。OpenBuild Serviceは2008年リリースで、オープンソースソフトウェアの開発者を支援し、ソースコードのリリースサイクルの管理を容易にする。SUSE ManagerはSUSE以外のディストリビューションにも対応したLinux OSの管理ツールだ。

 同氏は「顧客企業はさまざまなベンダーのさまざまなバージョンのLinuxやKubernetesを運用しているが、多くのベンダーは自社製品のみをサポートする運用管理ツールしか提供していない。SUSE Managerはマルチベンダー対応の運用管理ツールで、顧客企業が望む『単一画面(Single Pane of Glass)』での運用管理を実現できるユニークな製品だ」と強調した。

 また、2022年にはNeuVectorの買収を完了、さらに同社のゼロ・トラスト・コンテナー・セキュリティ・プラットフォームのオープンソース化を完了させた。2020年に買収したRancherはKubernetes管理ツールで、NeuVectorと組み合わせることでコンテナープラットフォームおよび下層のLinuxOSレイヤーまで含めたゼロトラストセキュリティを実現する。なお、SUSE Managerと同様こちらもマルチベンダー対応となっており、SUSE製品以外のプラットフォームでも利用できる点が特徴となる。

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