中京大、職員の業務に生成AI活用–学生の面接対策などで改善確認

今回は「中京大、職員の業務に生成AI活用–学生の面接対策などで改善確認」についてご紹介します。

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 梅村学園中京大学(中京大学)は、生成AIの業務活用を推進する製品「Graffer AI Studio」を導入した。提供元のグラファーが6月20日に発表した。

 中京大学はGraffer AI Studioを試験導入し、「Visual Basic for Applications」(VBA)の未経験者が約1時間でVBAプログラムを作成できたほか、就職支援における面接質問のリストアップ、大学運営における文書作成などの既存業務で改善を確認したことから、今回の導入を決定した。同大学は、OpenAIのマルチモーダルAI「GPT-4 Vision」を活用し、遺失物の登録業務の改善に関する検証も開始。同AIはGraffer AI Studioの製品内で利用できる。

 中京大学は、業務効率化と質の高い学生サービスの提供に向けて、学内の業務に生成AIを組み込むことが不可欠だと判断したという。Graffer AI Studio導入の決め手には(1)顧客の課題の特定と解決に向けた伴走支援、(2)生成AIの最新技術に関する情報提供、(3)直感的なユーザーインターフェース(UI)――があるとしている。

 (1)では、中京大学は生成AIの試験導入の準備を進めていたが、検証の対象や方法に関する知見は限定的であるため、学外の知見を活用することを決定。グラファーは、生成AIを活用するための環境に加え、導入前の課題分析・目標設定からプロジェクトの管理、職員の業務に即した活用方法の策定まで、包括的な支援を行った。

 (2)では、生成AIは変化の激しい領域のため、学内のみで日々の業務と並行して生成AIに関する最新情報を更新し続けることに限界がある。同大学は、グラファーのプロジェクトメンバーによる生成AIの最新技術に関する情報提供や新たな活用方法の提案を評価したという。

 (3)では、Graffer AI Studioが直感的に操作できるUIを備えていることから、職員の負担軽減と迅速な業務実行が可能になったとしている。

 活用事例には、(1)就職支援における面接の質問・深堀質問のリストアップ、(2)大学運営業務における文書作成、(3)財務部門での予算集計業務の改善、(4)遺失物の管理業務の改善――がある。

 (1)では、就職活動での面接対策のため、業種や職種に合わせた一般的な質問内容、深堀質問のアイデア出し、その質問に対する模範的な回答例出しを実施。これにより、学生の面接対策が効率的に実施できるようになり、職員の指導に一貫性を持たせることが可能となった。

 (2)では、学校法人における文書作成業務は、同一内容の案内でも学生、保護者、職員など対象者が多岐にわたるため、各対象者に向けて分かりやすい書類になっているかを確認するために活用。文書の再修正が必要となった際も、生成AIがアイデアを提供することで、業務の効率化と質の向上を実現したという。

 (3)では、VBAプログラムを作成して予算集計データを閲覧しやすく整える作業を自動化。通常、VBAを習得するためには約30時間の勉強が必要だが、生成AIを利用することでVBA未経験者でも約1時間でプログラムを完成させられた。自動化した作業は月に2回実施するため、今後も継続的に業務時間を削減できるとしている。

 (4)では、GPT-4 Visionを活用して学生の遺失物の写真から特徴を抽出し、遺失物の有無を素早く識別させる取り組みの検証を開始。中京大学は、学生本人が遺失物を探せるようにすることで職員の電話対応の工数を削減し、学生サービスの向上を目指している。

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