横浜国大や三井住友海上らが共同研究–多様な台風災害を仮想再現
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横浜国立大学、三井住友海上火災保険(三井住友海上)、MS&ADインターリスク総研、あいおいニッセイ同和損害保険(あいおいニッセイ同和損保)、ウェザーマップは「台風経路アンサンブルデータを基にした気象警報注意報・被害推定データの作成および自治体向けの仮想災害訓練メニューの考案」に関する共同研究を開始した。
横浜国立大学では過去に甚大な被害をもたらした台風を仮想台風として再現し、その経路を少しずつずらす実験「台風経路アンサンブルシミュレーション」を行ってきた。これによりさまざまな台風を仮想再現できるが、実際の防災・減災対策にひも付けるには、台風が社会に及ぼす影響をより多層的に検討する必要がある。こうした状況を踏まえ、社会の防災・減災につながる成果の創出を目指し、今回の共同研究を実施することとなつた。
共同研究では、気象警報・注意報や危険度分布システム「キキクル」など実際の防災・減災行動の基準に則したリスク評価を行うことで、「過去のある台風が任意の地点に上陸した場合」など、多様なパターンの台風災害を仮想再現する。キキクルは、気象庁が発表する防災気象情報の1つで、大雨による土砂災害・浸水害・洪水災害の危険度の高まりを地図上に表示する。
また、仮想台風を基に作成した気象警報・注意報を用いた自治体を対象とする災害訓練メニュー、「台風経路アンサンブルシミュレーションデータ」を基にした住宅の風災リスク評価手法の開発を行う。
各者の役割として、横浜国立大学は共同研究の全体統括、台風経路アンサンブルデータの提供などのほか、防災タイムラインに利用されるデータの準備、風災による住宅被害の推定を担当する。三井住友海上は全体統括のほか、自治体向け防災ソリューション「防災ダッシュボード」における台風経路アンサンブルデータと作成された仮想警報・注意報データの可視化方法の検討を進める。
MS&ADインターリスク総研は、台風経路アンサンブルデータを活用した被害推定手法の検討、台風経路アンサンブルデータや仮想警報・注意報データを活用した自治体事業継続計画(BCP)の構築・見直し支援メニューの検討を行う。
ウェザーマップは、台風経路アンサンブルデータを用いた仮想キキクルの導出とそれに基づく仮想警報・注意報シナリオの作成、同シナリオを用いた訓練メニューの考案を担当する。あいおいニッセイ同和損保は、台風経路アンサンブルデータに基づく被害想定とリアルタイム被害予測ウェブサイト・アプリ「cmap(シーマップ)」の比較による精度検証、仮想災害訓練メニューの検討における避難所情報の提供を担当する。