キャディ、既存事業の統合による「製造業AIデータプラットフォーム」構想を表明
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キャディは7月16日、新たな事業構想「製造業AIデータプラッ トフォーム CADDi」を発表した。部品調達の「CADDi Manufacturing」と図面データ活用クラウドの「CADDi Drawer」の2つの既存事業を統合して製造業のデータ活用支援により注力するとし、CADDi Manufacturingの部品と組み立て品の提供を終了する。
同社は2017年に創業し、「モノづくり産業のポテンシャルの解放」を企業理念に掲げる。同社が品質・コスト・納品(QCD)を担保して金属加工品などの調達から製造までを行う部品調達支援事業のCADDi Manufacturingと、2022年からは多種多様な部品などの図面データをクラウド上で管理、活用するためのCADDi Drawerを提供している。
新たな事業構想では、図面やドキュメント、画像、加工やセンサーなどの多様なログ、受発注実績や品質実績といった製造業における資産をプラットフォームに一元化し、AIなどのテクノロジーを活用しながら生産性や効率性の向上につなげるためのサービスを提供していく。
CADDi Manufacturingの各種ソフトウェア機能やCADDi Drawerの図面データ管理・検索、見積もり支援サービスの「CADDi Quote」を統合的に利用できるようにすることで、例えば、設計の自動化や過去の不良情報を基にしたの設計の改善提案、サプライヤー選定の最適化、見積もり価格の自動算出、製造指示の自動作成、品質リスクの提案などが可能になるという。
同日に記者会見した代表取締役の加藤勇志郎氏は、CADDi Manufacturingが現在では国内有数の取引実績を持つ部品調達サービスに成長し、製造業の変革に大きく貢献を成し遂げたとしつつ、同社がCCDを担保してパートナーと協働しながら製造を手掛ける中では、設計フェーズにおける情報活用の変革をさらに推進しなければ、同社が掲げる理念の実現が難しいと説明した。
加藤氏は、品質不良の半数が設計段階で発生しているとし、業界の慣習や企業ごとにも異なる設計や図面などにまつわるルールや情報の解釈、受注側での対応の負担といったさまざま課題を解消して“フラットな構造”を実現していく必要があると述べた。
特にCADDi Drawerは、ユーザーの多くがエンジニアだといい、データ化されたデジタルの図面情報を活用できる点が高く評価されているという。製造業では、過去の図面や資料などが紙のドキュメントとして大量に保管されたままであったり、紙の情報のままであることによって過去の資産の検索や活用が非効率的であったりするなどの課題を抱えている。加藤氏は、新たな構想を通じて提供するデータプラットフォームにより、製造業のユーザーがデータを利用して価値を創造する「System of Insight」を実現したいと語った。
同社は、新たな事業構想の具体化に向けてCADDi Manufacturingでの部品と組み立て品の提供を終了する。新規受注は行わず、受注済み品の製造と納品が完了次第サービスを終了する。大手など一部の既存顧客には連絡済みといい、今後も調達を希望する顧客には、製造パートナーを紹介するなどの対応を進めている。
加藤氏によれば、同社の社員数は約600人で、CADDi ManufacturingとCADDi Drawerの担当はそれぞれ約300人という。CADDi Manufacturingの部品と組み立て品の提供終了に伴う人員削減は行わず、新たな事業構想に基づくサービスに人員を集中させるほか、今後1年間で、新たに国内で300人を増員する計画も明らかにした。
また、新たな事業構想に基づく業績計画などは非公開としつつ、加藤氏は、CADDi Drawerで掲げている2030年までに1000億円規模を達成するという目標に近づけたいとした。事業のグローバル展開も推進中で、現在までにベトナムやタイ、米国に進出。加藤氏も米国に活動拠点を移しており、新たな事業構想とグローバル展開に引き続き取り組むことで、さらなる製造業の変革と同社の成長を目指すとの意気込みを表明している。