パナソニック、新R&D拠点「シオメル」始動–共創と技術者大幅増で新開発に挑む
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パナソニック エレクトリックワークス社は12月9日、共創とソフトウェアエンジニアの採用活動の強化を目的に、新たな研究開発(R&D)拠点「SHIOMER(シオメル)」を開設した。ワークスペース、共創拠点のほか、最新技術を取り入れた実証実験の場としても機能する。
SHIOMERは、東京都港区の「msb Tamachi 田町ステーションタワーN」内に設置。約870平方mの面積を持ち、12月に本格稼働した。開設時はパナソニック エレクトリックワークス社の25人が勤務し、うち半数をエンジニアが占める。
パナソニック エレクトリックワークス社 CTO(最高技術責任者)の磯田雅章氏は「現在は物売りを中心としたビジネスで、コスト削減や不快低減など、お客さまの顕在化している課題の解決にとどまっている。今後は(1)環境貢献、(2)ウェルビーイング、(3)レジリエンス――の3つを重点領域に定め、広く社会課題に向き合っていきたい。これは、パナソニック1社ではできないこと。自前主義を脱し、他社との共創、協業によって、価値の幅出しや創出が不可欠になっている。SHIOMERはそうしたアイデア創出の拠点として開設した。お客さま、パートナーとの共創によってソリューションを生み出していく、新しいR&Dの形に挑戦する」とSHIOMER開設の意義を説明した。
フロア内には、ワークスペースを設けるほか、コミュニケーションを促進するラウンジや会議スペース、休憩スペースなどを確保。可動式のデスクや椅子により、オフィス家具を移動することで、イベントスペースを作り上げるなど、フレキシブルな使い方ができる。
パナソニック エレクトリックワークス社が展開する最新設備を導入していることも特徴で、天井には無線調光・調色システムや新無線照明制御システム「LiBecoM(リベコム)」、天井に設置した熱センサーにより、自律的にスポット気流が動作するなどの設備を設置。照明と空調を連携し、一人一人に合った温熱環境を実現する「ゾーニングソリューション」などの可能性も検討するとしている。
パナソニック エレクトリックワークス社 ソリューション開発本部の柳生博之氏は「オフィスの出社率や人流密度、時間ごとの変化、これに照明と空調を連動させ、個人の快適性向上と省エネが両立できるようになる。将来的には人流制御や音環境との連携制御によるコミュニケーションの活性化などにも結びつけたい」と新たなソリューションシステムをテストする場としてもSHIOMERを活用する。
SHIOMERでは、(1)共創のための人脈や情報を集積する「ネットワーキング」、(2)新しい事業を成立させるために欠かせない「お客さまやパートナーさまとの連携」、(3)さまざまな社会課題に対して問題意識を共有し、共に解決に臨む「同じビジョンを持つ他社様との協働」――の3タイプの共創に取り組んでいくとのこと。同時に、ソフトウェアの開発拠点として、ソフトウェアエンジニアの人材獲得を目指す。
パナソニック エレクトリックワークス社では、2022~2024年度で150人のソフトウェアエンジニア獲得を目標に据えており、現時点で158人のエンジニアを採用する見通し。「SHIOMERの拠点を通じてさらに多くの才能を引き寄せるため、イベントやSNSを通じたブランディング活動をしていく」(柳生氏)と意欲を見せる。
施設名のSHIOMERは「ステークホルダーの皆さまと『潮目を読み、産み、変える』拠点として社会に貢献していく」(柳生氏)という意味を込めて名付けられたもの。3年後となる2027年には、年間約150社のコンタクトパートナー、年間約10件の事業化プロジェクトを目標に据えるほか、ソフトウェアエンジニアの大幅増を狙う。