国産のインメモリDB「劔(Tsurugi)」、さくらの高火力上で一貫性を保ちつつ永続化の書き込み処理を5ミリ秒で実証。超低遅延AIシステムの実証実験
今回は「国産のインメモリDB「劔(Tsurugi)」、さくらの高火力上で一貫性を保ちつつ永続化の書き込み処理を5ミリ秒で実証。超低遅延AIシステムの実証実験」についてご紹介します。
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ノーチラス・テクノロジーズ、さくらインターネット、そしてスーパーフォーミュラなどカーレースの運営や宣伝などを行う日本レースプロモーション(以下、JRP)の3社は、鈴鹿サーキットで超低遅延AIシステムの実証実験を行い、その結果を発表しました。
実証実験では、鈴鹿サーキットで実施されたスーパーフォーミュラのレースにおいて走行中の21台のフォーミュラカーからテレメトリデータを取得。さくらの高火力コンピューティング上で稼働する国産インメモリデータベースである「劔(Tsurugi)」で機械学習によるラップタイム予測と順位予測などの推論とデータベースへの登録などの処理が行われました。
この実証実験におけるシステム上のパフォーマンスは、テレメトリデータに適切な前処理を施し、かつ一貫性を担保した状態での永続化の書き込み処理を5ミリ秒で行い、同時にAIの推論処理を5ミリ秒から20ミリ秒程度の時間で実行されたと報告されています。
人間よりも早く反応を返す機械学習を可能に
この実証実験には主に次のような2つの意義があると説明されています。
1つは、オープンアーキテクチャで高速な機械学習などの処理が可能になった点です。
従来のAIシステムではこのスピードでの処理を実行するためには、フォーミュラカーに搭載している端末側に特殊なチップを組み込むなどの対応が必要でしたが、本実証実験では特殊なチップなどは不要で、データ処理も標準的なSQL文で実装されているため、従来のオープンアーキテクチャにより高いパフォーマンスを維持したままで実施できた点です。
もう1つは、ミリセカンドの速度の世界で学習処理を実行することで、人間の反応よりも速い反応を返す機械学習処理も可能となることが実証された点です。
発表の中で3社は、今後はこのシステムの他分野への提供にも力を入れていくとしています。