AIはホワイトカラーの業務をどこまで自動化するか–NECのAI事業責任者に聞いてみた

今回は「AIはホワイトカラーの業務をどこまで自動化するか–NECのAI事業責任者に聞いてみた」についてご紹介します。

関連ワード (CIO/経営、松岡功の一言もの申す等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 これまで人がやっていた業務を自律的に代行するという「AIエージェント」。とりわけデジタル化を進めやすいホワイトカラーの業務は、これによってどこまで自動化が進むのか。このほど記者会見を開いたNECのAI事業責任者に聞いてみた。

 「ホワイトカラーの業務は、AIによってほとんど自動化することができる」

 NEC Corporate SVP 兼 AIテクノロジーサービス事業部門長 兼 AI Research Officerの山田昭雄氏は、同社が先頃開いたAIの取り組みについての記者説明会でこう語った(写真1)。

 筆者はAIエージェントが注目されて以来、関係者への取材のたびに「AIはホワイトカラーの業務をどこまで自動化するか」と質問してきたが、これまで記事を書けるような返答は得られなかった。「ほとんど」という表現ながら、今回の山田氏の発言によってやっと記事が書けるようになった。

 ただ、山田氏はこの発言に注釈もつけた。その内容は後述するとして、同氏の発言の意味を捉えるためにも「NECが考える生成AI事業」と「NECが目指すAIエージェント」について、同氏の説明を基にポイントを紹介しておこう。

 生成AI事業については、2つのポイントがある。1つは「(ChatGPTのような)一般向けではなく、業種や業務に特化したサービスを提供すること」、もう1つは「さまざまな業務の自動化にフォーカスし、安全で安心な利用環境を提供すること」だ。チェックしておきたいのは、事業の基本姿勢として「業務の自動化にフォーカス」していることである。

 その業務の自動化の大半を担うであろうAIエージェントについては、「目的に応じてタスクの組み合わせを計画できる能力により、複雑な業務プロセスに対して意思決定まで任せることが可能なAIエージェントを目指す」と説明した。

 ここで本題から外れるが、筆者は改めて一言申し上げておきたいことがある。生成AI事業のポイントの1つに「(ChatGPTのような)一般向けではなく」とあるが、実はChatGPTのように一般向けに提供してNECの生成AIを広く知らしめるチャンスはあった。同社が生成AIの提供を始めた2023年7月時点では、既にChatGPTが一般に広く使える状況で大きな話題を呼んでいた。だが、この時点では日本市場においてほかに有力な競合相手がいなかった。このタイミングでNECが一般向けにも思い切ってチャレンジしていれば、「国産の生成AI」として大いに注目され、多くの人に使われたのでは……。

 この点については、2023年9月7日掲載の本連載記事「『日本からChatGPT対抗サービスを出してはどうか』とNECに提案してみた」に当時の筆者の思いの丈を述べているので、ぜひご覧いただきたい。なぜ、NECなのかについても記している。筆者は今でも「チャレンジしてほしかった」との思いに変わりはない。

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