米司法省、トランプ政権下でもグーグルに「Chrome」の売却を要求
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2期目のDonald Trump政権では、注目されていた複数の訴訟の取り下げや中断が続くなど、テクノロジー企業に対する規制の適用に重要な変化が見られている。例えば、米司法省は、雇用差別を理由としたSpaceXに対する提訴を取り下げる動きに出た。また、「Facebook」ユーザーの財務データを不正に利用したとして米消費者金融保護局がMeta Platformsに科していた強制措置が中断されている。
だが、Googleについては話が違うようだ。米司法省は、同社に「Chrome」ブラウザーの売却を求めることを改めて表明した。
この動きは、検索とオンライン広告の分野で疑われているGoogleの独占的慣行に対処するための包括的な戦略の一環だ。米司法省は米連邦地裁のAmit Mehta判事宛てに新たな申立書を送付し、オンライン検索市場で競争を立て直すにはGoogleによるChromeの売却が必要だと主張した。
その理由として、米司法省は次のように説明している。「Googleの反競争的行為は、米国の基本的な価値、つまり市場で選択できる権利をユーザーから取り上げている。その圧倒的な規模と制約されることのない力を通じて、Googleが消費者や企業から奪っているのは、一般市民に約束された基本的な自由、すなわち複数の競合サービスを選択できる権利だ。Googleが違法行為によって生み出している経済のゴリアテ(巨人)は、市場に大混乱をもたらし、何が起ころうともGoogleが必ず勝てる状況を作り出している」
つまり、米司法省がGoogleに要求しているのは「Chromeを売却する」ことだ。そうなれば、「この重要な検索アクセスポイントに対するGoogleの支配が永久に阻止され、多くのユーザーにとってインターネットへのゲートウェイとなっている(Chrome)ブラウザーに、競合の検索エンジンがアクセスできるようになる」と、米司法省は述べている。
興味深いのは、米司法省がGoogleに対し、Chromeの売却を引き続き求める一方で、同社の人工知能(AI)への投資に対する姿勢を和らげていることだ。これまでと異なり、米司法省が現在要求しているのは、将来のAI関連の投資に関する事前通知のみで、規制当局の監督を受けながらAIの開発を継続することをGoogleに認めている。この方針は、Trump政権が政府によるAI規制を後退させている状況と一致するものだ。
Chromeに関する訴訟は4月に公聴会が開かれ、米司法省とGoogleの双方が、今回提案された対応措置についてそれぞれの主張を展開することになっている。最終的な判決は2025年の夏に下される見込みだ。