ブロックチェーンやIoT、AI活用でワクチンのサプライチェーン強化へ–IT企業の取り組み
今回は「ブロックチェーンやIoT、AI活用でワクチンのサプライチェーン強化へ–IT企業の取り組み」についてご紹介します。
関連ワード (経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
Larry Breen氏がスーパーマーケットのサプライチェーンマネージャーとして仕事をしていた時、賞味期限が近づいた商品に対処する簡単なソリューションがあった。商品に黄色いステッカーを貼り、安い価格で販売するというものだ。これは、貧乏な学生顧客と店にとってウィンウィンの解決策だった。
現在、Breen氏はアイルランドのソフトウェア企業NearFormで最高コマーシャル責任者(CCO)を務めており、新規プロジェクトの中であるアプリに取り組んでいる。そのアプリは、世界中から送られてくる新型コロナウイルス感染症(COVID-19)ワクチンの在庫管理とリソース割り当て管理を支援するというものだ。こういった問題は、スーパーマーケットのサプライチェーンで生み出された不備を解決する黄色いステッカーと割り引きでは解決できない。
NearFormは、アイルランドで期待以上の成功を収めたCOVID-19追跡アプリ「COVID Tracker Ireland」の開発に関わったことで最近注目を浴びた企業であり、同社のテクノロジーは現在、北アイルランドとスコットランド、ジャージー代官管轄区、ジブラルタル、米国の一部の州における接触追跡アプリとして展開されている。しかし同社のチームはここ数週間、向こう数カ月について考えを巡らせ始め、そこに大きく複雑な難題が持ち上がってくることに気付いた。COVID-19のワクチンの有効性が確認された後、世界各国はどのようにして大規模かつ迅速に患者へのワクチン接種を実施するのだろうか?
過去数カ月間で生み出された多くの事例と同様に、テクノロジーが解決の鍵になりそうだ。Breen氏は米ZDNetに対して「われわれはCOVID-19への対応に向けて、デジタルという観点から非常に積極的に関与してきた」と述べ、「そして接触追跡アプリから得た教訓に基づき、次なる付加価値の提供について考え始めた」と続けた。
Breen氏は過去20年にわたってサプライチェーン関連の仕事に従事してきたため、要求がいつ、どこで生み出されるのかを知るということが根本的な課題になると認識していた。しかしBreen氏によると、ヘルスケア分野において、特にワクチンの配布において、要求は「基本的なレベル」でしか理解されていないという。これはつまり、どのようなソフトウェア開発者チームにとっても、向上の余地があるということを意味している。