水素燃料電池飛行機へのZeroAviaの野望は技術的な課題が残るが大志は今なお空のように高い
今回は「水素燃料電池飛行機へのZeroAviaの野望は技術的な課題が残るが大志は今なお空のように高い」についてご紹介します。
関連ワード (ZeroAvia、イギリス、ゼロエミッション、バッテリー、水素、炭素、燃料電池、飛行機等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
2020年9月、ZeroAvia(ゼロアビア)の6人乗り航空機が英国クランフィールド空港から離陸して8分間の飛行を終えた時、同社は、商用サイズの航空機で史上初の水素燃料電池飛行を行うという「非常に大きな偉業」を成し遂げたと断言した。
この航空機はPiper Malibu(パイパーマリブ)プロペラ機を改造して作られており、同社によると、水素を燃料とする航空機の中では世界最大のものである。「水素燃料電池を使用して飛行する実験的な航空機はいくつかあったが、この機体の大きさからすると、完全にゼロエミッションの航空機に有償旅客を乗せる時代が目前に迫っている」と、ゼロアビアのCEOであるVal Miftakhov(ヴァル・ミフタコフ)氏は付け加えた。
しかし、水素を燃料としているといっても、実際にはどのような状況なのだろうか。乗客の搭乗はどの程度現実味を帯びているのだろうか。
ミフタコフ氏は飛行直後の記者会見で「今回の構成では、動力をすべて水素から供給しているわけではなく、バッテリーと水素燃料電池を組み合わせている。しかし、水素だけで飛行することも可能な組み合わせ方だ」と述べた。
ミフタコフ氏のコメントはすべてを物語っているわけではない。TechCrunchの調査では、今回の画期的なフライトに必要な動力の大半がバッテリーから供給されたこと、そしてゼロアビアの長距離飛行や新しい航空機で今後もバッテリーが大きな役割を果たすことがわかった。また、マリブは技術的には辛うじて旅客機と言えるかもしれないが、大型の水素タンクやその他の機器を収容するために、5つの座席のうち4席を撤去しなければならなかったのも事実だ。
ゼロアビアは、ピックアップトラックでの航空機部品のテストから始めたが、4年も経たないうちに英国政府の支援を得るまでになり、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏やBill Gates(ビル・ゲイツ)氏、そして先週にはBritish Airways(ブリティッシュエアウェイズ)などからも投資を呼び込んだ。現在の問題は、ゼロアビアが主張している軌道を進み続け、本当に航空業界を変革できるかどうかだ。
航空機が排出する炭素の量は、現在、人類の炭素排出量の2.5%を占めているが、2050年までには地球のカーボンバジェット(炭素予算)の4分の1にまで拡大する可能性がある。バイオ燃料は、その生産によって木や食用作物が消費し尽くされる可能性があり、バッテリーは重すぎるため短距離飛行にしか使用できない。それに対し、水素は太陽光や風力を使用して生成でき、大きな動力を生み出すことができる。
燃料電池は水素と空気中の酸素を効率的に反応させて結合させるもので、生成されるのは電気、熱、水だけである。ただし、既存の航空機に燃料電池をすぐに搭載できるかというと、話はそう単純ではない。燃料電池は重くて複雑であり、水素には大型の貯蔵庫が必要だ。このようにスタートアップが解決しなければならない技術的な課題は多い。
ロシア生まれのミフタコフ氏は、1997年に物理学博士号の取得を目指して勉強するために渡米した。いくつかの会社を設立して、Google(グーグル)で勤務した後、2012年に、BMW 3シリーズ用の電気変換キットを製造するeMotorWerks(EMW、eモーターワークス)を設立した。
しかし2013年、BMWは同社の商標を侵害しているとしてEMWを非難した。ミフタコフ氏はEMWのロゴとマーケティング資料を変更すること、そしてBMWとの提携を示唆しないことに同意した。ミフタコフ氏はまた、BMWオーナーからの需要が落ち込んでいることにも気づいていた。
EMWはその後、充電器とスマートエネルギー管理プラットフォームの提供にビジネスの軸を移した。この新しい方向性はうまくいき、2017年にはイタリアのエネルギー会社Enel(エネル)がEMWを推定1億5000万ドル(約162億円)で買収した。しかしミフタコフ氏はここでも法的問題に直面した。
EMWのVPであるGeorge Betak(ジョージ・ベタック)氏はミフタコフ氏に対して2件の民事訴訟を起こし、ミフタコフ氏が特許からベタック氏の名前を除外したり、報酬を渡さなかったり、さらにベタック氏が自分の知的財産権をEMWに譲渡したように見せかけるために文書を偽造したりした、などと主張した。後にベタック氏は請求を一部取り下げ、2020年夏にこの訴訟は穏便な和解に至った。
2017年にEMWを売却してから数週間後、ミフタコフ氏は「ゼロエミッション航空」という目標を掲げ、カリフォルニア州サンカルロスでゼロアビアを法人化した。ミフタコフ氏は、既存の航空機の電気化への関心がBMWのドライバーよりも高い航空業界に期待していた。
ゼロアビアが初めて公の場に登場したのは、2018年10月、サンノゼの南西80キロメートルにあるホリスター空港だった。ミフタコフ氏は、1969年型エルカミーノの荷台にプロペラ、電気モーター、バッテリーを据え付け、電気を動力として75ノット(時速140キロメートル)まで加速させた。
12月にゼロアビアは6人乗りのプロペラ機であるPiper PA-46 Matrix(パイパーPA-64マトリックス)を購入した。このプロペラ機は後に英国で使用することになる航空機と非常によく似ている。ミフタコフ氏のチームは、モーターと約75キロワット時のリチウムイオンバッテリーをこれに搭載した。このバッテリーは、テスラのエントリーレベルのモデルYとほぼ同じ性能である。
2019年2月、FAAがゼロアビアに実験的耐空証明書を発行した2日後、電気だけを動力とするパイパーが初飛行に成功した。また、4月中旬には最高速度と最大出力で飛行していた。これで水素にアップグレードする準備は整った。
輸入記録によると、3月にゼロアビアは炭素繊維製水素タンクをドイツから取り寄せている。マトリックスの左翼にタンクを搭載した写真が1枚存在するが、ゼロアビアは飛行している動画を公開したことがない。何か不具合が起こっていたのだ。
ゼロアビアのR&Dディレクターが、パイパーオーナー向けのフォーラムに次のようなメッセージを投稿したのは7月のことだ。「大事に扱ってきたマトリックスの翼が破損しました。損傷が激しく、交換しなければなりません。すぐにでも部品取り用に販売される『適切な航空機』をご存知の方はいませんか」。
ミフタコフ氏は、今までこの損傷について明言してこなかったが、今回、ゼロアビアが航空機に手を加えている最中にこの損傷が発生したことを認めた。この損傷の後、その航空機は飛行しておらず、ゼロアビアはシリコンバレーにおけるスタートアップとしての活動を終えようとしていた。
ミフタコフ氏は、ゼロアビアの米国での飛行テストを中断し、英国に目を向けた。英国のBoris Johnson(ボリス・ジョンソン)首相が「新たなグリーン産業革命」に期待しているからだ。
2019年9月、英国政府が支援する企業であるAerospace Technology Institute(航空宇宙技術研究所)(ATI)は、ゼロアビアが主導するプロジェクト「HyFlyer(ハイフライヤー)」に268万ポンド(約4億100万円)を出資した。ミフタコフ氏は、水素燃料電池を搭載し、飛行可能距離が450キロメートルを超えるパイパーを1年以内に完成させると約束した。出資金は、燃料電池メーカーのIntelligent Energy(インテリジェントエナジー)および水素燃料供給技術を提供するEuropean Marine Energy Centre(EMEC、ヨーロッパ海洋エネルギーセンター)との間で分配されることになっていた。
当時EMECの水素マネージャーだったRichard Ainsworth(リチャード・エインズワース)氏は「ゼロアビアは、電動パワートレインを航空機に組み込むというコンセプトをすでに実現しており、電力はバッテリーではなく水素で供給したいと考えていた。それがハイフライヤープロジェクトの中核となる目的だった」と述べている。
ATIのCEOであるGary Elliott(ゲイリー・エリオット)氏はTechCrunchに対し、ATIにとって「本当に重要」だったのは、ゼロアビアがバッテリーシステムではなく燃料電池を採用していたことだと述べ「成功の可能性を最大限に高めるには、投資を広く印象づける必要がある」と語った。
ゼロアビアはクランフィールドを拠点とし、2020年2月に、損傷したマトリックスと似た6人乗りのPiper Malibu(パイパーマリブ)を購入した。同社は6月までにマリブにバッテリーを取り付けて飛行したが、政府は安心材料をさらに求めていた。TechCrunchが情報公開請求によって入手したメールに対し、ある政府関係者は「ATIの懸念を確認し、それに対して我々ができることを検討したいと考えている」と書いた。
インテリジェントエナジーのCTOであるChris Dudfield(クリス・ダッドフィールド)氏はTechCrunchに対し、ハイフライヤープログラムは順調に進んでいるが、同社の大型燃料電池が飛行機に搭載されるのは何年も先のことであり、同氏はゼロアビアの飛行機を見たことさえもないと語った。
ゼロアビアは、インテリジェントエナジーとの提携により、英国政府から資金を確保しやすくなったが、マリブの動力の確保は進まず、燃料電池の供給会社を早急に見つける必要があった。
ゼロアビアは8月、政府関係者に「現在、水素燃料による初の飛行に向けて準備を進めている」と文書で伝え、国務長官を招待した。
ミフタコフ氏によると、ゼロアビアのデモ飛行では、航空機としては過去最大となる250キロワットの水素燃料電池パワートレインが使用された。これはパイパーが通常使用している内燃機関と匹敵する出力であり、飛行において出力を最も必要とする段階(離陸)においても十分な余力が残る数値である。
ゼロアビアは燃料電池の供給会社を明かしておらず、250キロワットのうちどの程度が燃料電池から供給されたのかも詳しく説明していない。
しかし、デモ飛行の翌日、PowerCell(パワーセル)というスウェーデンの企業が、プレスリリースで、同社のMS-100燃料電池が「パワートレインに不可欠な部品」だったことを発表した。
MS-100の最大出力はわずか100キロワットであり、残りの150キロワットの供給源は不明である。つまり、離陸に必要な電力の大部分は、パイパーのバッテリーから供給されたとしか考えられない。
ミフタコフ氏は、TechCrunchのインタビューにおいて、9月のフライトではパイパーが燃料電池だけで離陸できなかったことを認めた。同氏によると、飛行機のバッテリーはデモ飛行中ずっと使用されていた可能性が高く「航空機に予備的な余力」を供給した。
燃料電池車でも、バッテリーを使用して、出力変化を安定させたり一時的に出力を高めたりするものは多い。しかし、いくつかのメーカーは、動力源について高い透明性を持たせている。飛行機に関していうと、離陸時にバッテリーを利用する上での問題点の1つは、離陸時に使用したバッテリーを着陸まで積載し続けなければならないことだ。
Universal Hydrogen(ユニバーサルハイドロジェン)は、別の航空機向けに2000キロワットの燃料電池パワートレインを共同開発している企業である。同社のCEO、Paul Eremenko(ポール・エレメンコ)氏は「水素燃料電池航空機の基本的な課題は重量だ。バッテリーはフルスロットル時のみに使用されるものであり、これをいかに小さくするかが軽量化の鍵になる」と述べている。
2月、ゼロアビアのVPであるSergey Kiselev(セルゲイ・キセレフ)氏は、バッテリーを完全になくすことが同社の目標だと語った。また、Royal Aeronautical Society(王立航空協会)に対し「離陸時の余力を確保するためにバッテリーを利用することは可能だ。しかし、航空機に複数の種類の駆動力や動力貯蔵システムを使用するとなると、認証の取得が著しく困難になるだろう」と話した。
今回、ゼロアビアは、出力の大部分をバッテリーから供給することで、投資家や英国政府から注目を集めたデモ飛行を成功させることができた。しかし、これにより、有償顧客を乗せた初飛行が遅くなる可能性がある。
熱を排出する装置がなければ、燃料電池は通常、過熱を防ぐために空冷または水冷の複雑なシステムが必要になる。
「これこそが鍵となる知的財産であり、単に燃料電池とモーターを購入して接続するだけではうまくいかない理由なのです」とエレメンコ氏はいう。
ケルンにあるGerman Aerospace Center(ドイツ航空宇宙センター)では、2012年から水素燃料電池航空機を飛ばしている。特注設計された現在の航空機HY4は、4人の乗客を載せて最大で720キロメートル飛行できる。65キロワットの燃料電池には、冷却用の通風を確保するために、空気力学的に最適化された大きな流路を利用した水冷システムが搭載されている(写真を参照)。
画像クレジット:DLR
100キロワットの同様のシステムでは、通常、HY4のものより長く、3割ほど大きい冷却用インテークが必要になるが、ゼロアビアのパイパーマリブには追加の冷却用インテークがまったくない。
「離陸時の対気速度や巡航速度に対して、開口部が小さすぎるように見えます」というのは、ゼロアビアと共通する取引企業があることを理由に匿名でコメントを述べた航空燃料電池エンジニアである。
「熱交換器の配置や設定を試す必要はありましたが、熱を処理するために航空機の形状を再設計する必要はありませんでした」とミフタコフ氏は反論した。また同氏は、飛行中に燃料電池は85〜100キロワットの出力を供給していたと主張した。
ゼロアビアは、TechCrunchのインタビューに答えた後、パイパーの燃料電池が地上試験中に最大70キロワットの出力を供給している様子を示すビデオを公開した。地上試験中の70キロワットは、飛行中であればさらに高出力になる。
もちろん長距離飛行での実証は必要だが、ゼロアビアは、他のエンジニアを何年も悩ませてきた排熱問題を解決したのかもしれない。
9月には、Robert Courts(ロバート・コート)航空大臣がクランフィールドでデモ飛行を見学し、飛行後に「ここ数十年間の航空業界で最も歴史的な瞬間の1つであり、ゼロアビアの大きな成果だ」と語った。タイム誌は、2020年の最大の発明の1つとしてゼロアビアの技術を挙げた。
ハイフライヤーの長距離飛行はまだこれからだというのに、12月、英国政府はハイフライヤー2を発表した。これは1230万ポンド(約18億4000万円)のプロジェクトであり、ゼロアビアが大型の航空機に600キロワットの水素電気パワートレインを提供するというものだ。ゼロアビアは、19人乗りの飛行機を2023年に商業化することで合意している(現在は2024年に変更されている)。
同日、ゼロアビアは2130万ドル(約23億円)のシリーズAの投資家陣営を発表した。これには、Bill Gates(ビル・ゲイツ)氏のBreakthrough Ventures Fund(ブレイクスルーベンチャーズファンド)、Jeff Bezos(ジェフ・ベゾス)氏のAmazon Climate Pledge Fund(アマゾン気候誓約基金)、Ecosystem Integrity Fund(エコシステムインテグリティファンド)、Horizon Ventures(ホライゾンベンチャーズ)、Shell Ventures(シェルベンチャーズ)、Summa Equity(スマエクイティ)が参加している。3月下旬には、これらの投資家からさらに2340万ドル(約25億3000万円)の資金を調達することを発表した。これにはAmazonは参加していないが、英国航空が参加している。
ミフタコフ氏によると、マリブはこれまで約10回のテスト飛行を終えているが、新型コロナウイルス感染症のため、英国での長距離飛行は2021年後半に延期されたという。また、ハイフライヤー2については、当初はバッテリーと燃料電池を半分ずつ使用する予定だが「認定取得可能な最終飛行形態では、600キロワットすべてを燃料電池でまかなう」とのことだ。
19人乗りの航空機から始まり、2026年には50人乗り、2030年には100人乗りと、約束した航空機を完成させることが、ゼロアビアにとって厳しい挑戦となることは間違いない。
水素燃料電池トラックの公開デモを誇張し、株価の暴落やSECによる調査を招いたスタートアップであるNikola(ニコラ)のせいで、水素燃料電池にはいまだに胡散臭いイメージがある。ゼロアビアのような野心的なスタートアップにとって最良の選択肢は、投資家や、持続可能な空の旅の可能性に期待している人たちの期待を弱めることになっても、現在の技術と今後の課題について透明性を高めることだ。
ポール・エレメンコ氏は「ゼロアビアの成功を切に願っている。我々のビジネスモデルは非常に相補的であり、力を合わせれば、水素航空機を実現するためのバリューチェーンを築くことができると考えている」と述べている。
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【原文】
When ZeroAvia’s six-seater aircraft completed an eight-minute flight from Cranfield Airfield in the U.K. last September, the company claimed a “major breakthrough” with the first-ever hydrogen fuel cell flight of a commercial-size aircraft.
The modified Piper Malibu propeller plane was now the largest hydrogen-powered aircraft in the world, wrote the company. “While some experimental aircraft have flown using hydrogen fuel cells, the size of this aircraft shows that paying passengers could be boarding a truly zero-emission flight very soon,” added Val Miftakhov, ZeroAvia’s CEO.
But just how hydrogen-powered was it, and how close is ZeroAvia to flying passengers?
“[In] this particular setup, not all the energy is coming from hydrogen,” said Miftakhov at a press conference directly afterwards. “There is a combination of the battery and hydrogen. But the way the battery and hydrogen fuel cells combine is such that we are able to fly purely on hydrogen.”
Miftakhov’s comments don’t quite tell the whole story. TechCrunch has learned that batteries provided the majority of the power required for the landmark flight, and will continue to feature heavily in ZeroAvia’s longer flights and new aircraft. And while the Malibu is technically still a passenger aircraft, ZeroAvia has had to replace four of the Malibu’s five passenger seats to accommodate bulky hydrogen tanks and other equipment.
In less than four years, ZeroAvia has gone from testing aircraft parts in pickup trucks to gaining the support of the U.K. government, and attracting investment from the likes of Jeff Bezos, Bill Gates and — just last week — British Airways. Now the question is whether it can continue on its claimed trajectory and truly transform aviation.
Take off
Aviation currently accounts for 2.5% of humanity’s carbon emissions, and could grow to a quarter of the planet’s carbon budget by 2050. Biofuels can displace trees or food crops, while batteries are too heavy for anything more than short hops. Hydrogen, by contrast, can be generated using solar or wind power, and packs quite an energetic punch.
Fuel cells combine hydrogen with oxygen from the air in an efficient reaction that produces only electricity, heat and water. But that doesn’t mean you can simply drop a fuel cell into an existing aircraft. Fuel cells are heavy and complex, hydrogen requires bulky storage and there are many technical problems for startups to solve.
Russian-born Miftakhov arrived in America in 1997 to study for a physics doctorate. In 2012, after starting several companies and a stint at Google, he founded eMotorWerks (aka EMW) to produce electric conversion kits for the BMW 3-series.
But in 2013, BMW accused EMW of infringing its trademarks. Miftakhov agreed to change its logo and marketing materials, and to refrain from suggesting it was affiliated with the carmaker. He also found demand from BMW owners to be sluggish.
EMW then pivoted to providing chargers and a smart energy management platform. The new direction succeeded, and in 2017 Italian energy company Enel acquired EMW for a reported $150 million. But Miftakhov faced legal difficulties here, too.
George Betak, an EMW vice president, filed two civil lawsuits against Miftakhov alleging, among other things, that Miftakhov had left his name off patents, withheld money and even faked a document to make it seem as though Betak had assigned his intellectual property rights to EMW. Betak later withdrew some claims. The cases were quietly settled in the summer of 2020.
Weeks after selling EMW in 2017, Miftakhov incorporated ZeroAvia in San Carlos, California with the stated aim of “zero emissions aviation.” He was counting on the aviation industry being more interested in electrifying existing aircraft than BMW drivers had been.
First step: batteries
The first public outing for ZeroAvia was in October 2018 at Hollister Airport, 50 miles southwest of San Jose. Miftakhov mounted a propeller, an electric motor and batteries in the bed of a 1969 El Camino and took it up to 75 knots (85mph) on electric power.
In December, ZeroAvia bought a Piper PA-46 Matrix, a six-seater propeller plane very similar to the one it would later use in the U.K. Miftakhov’s team installed the motor and about 75kWh of lithium ion batteries — about the same as in an entry-level Tesla Model Y.
In February 2019, two days after the FAA granted it an experimental airworthiness certificate, the all-electric Piper took to the air. By mid-April, the Matrix was flying at its top speed and maximum power. It was ready to upgrade to hydrogen.
Import records show that ZeroAvia took delivery of a carbon fiber hydrogen tank from Germany in March. One company photo exists of the Matrix with a tank on its left wing, but ZeroAvia never released a video of it flying. Something had gone wrong.
In July, ZeroAvia’s R&D director posted a message on a forum for Piper owners: “We have damaged a wing of our Matrix, which we loved and pampered so much. The damage is so bad that it has to be replaced. Is anyone aware of [a suitable aircraft] that is going to be sold for parts any time soon?”
Miftakhov confirmed that the damage, not previously reported, occurred while ZeroAvia was reconfiguring the aircraft. That aircraft has not flown since, and ZeroAvia’s time as a Silicon Valley startup was coming to an end.
Moving to the UK
With ZeroAvia’s U.S. flight tests on hold, Miftakhov turned his attention to Britain, where Prime Minister Boris Johnson is banking on ”a new green industrial revolution.”
In September 2019, Aerospace Technology Institute (ATI), a U.K. government-supported company, funded a ZeroAvia-led project called HyFlyer, with £2.68 million ($3.3 million). Miftakhov committed to deliver a hydrogen fuel cell Piper that could fly more than 280 miles, within a year. Sharing the money would be Intelligent Energy, a fuel cell maker, and the European Marine Energy Centre (EMEC), which would provide hydrogen fueling tech.
“ZeroAvia had proved the concept of retrofitting an electric power train into an aircraft and instead of powering it by batteries, they wanted to power it with hydrogen,” said Richard Ainsworth, EMEC’s hydrogen manager at the time. “That was the whole purpose of the HyFlyer project.”
Gary Elliott, CEO of ATI, told TechCrunch that it was “really important” to ATI that ZeroAvia was using fuel cells rather than a battery system: “You need to spread your investment profile, so that you’ve got as much likelihood of success as you can.”
ZeroAvia set up in Cranfield and in February 2020, bought a six-seater Piper Malibu, similar to the damaged Matrix. Although the company fitted and flew it with batteries by June, the government still needed reassuring. “I’d be happy to catch up and think about what we can do to address the concerns that are nagging away at the ATI,” wrote an official, according to an email obtained by TechCrunch under a freedom of information request.
Intelligent Energy CTO Chris Dudfield told TechCrunch that the HyFlyer program went smoothly, but that his company is still years away from flying a larger fuel cell and that he never even saw ZeroAvia’s plane.
ZeroAvia’s partnership with Intelligent Energy might have helped it secure U.K. government funding but it wasn’t going to help power the Malibu. ZeroAvia needed to find a fuel cell supplier — fast.
Second step: Fuel cell power
In August, ZeroAvia wrote to government officials that “we are now gearing up for our first hydrogen-powered flight,” and invited the Secretary of State to attend.
Miftakhov said that ZeroAvia’s demonstration flight used a 250 kilowatt hydrogen fuel cell powertrain — the largest ever in an aircraft. This is comparable in power to the internal combustion engine that Pipers typically use, giving a healthy margin of safety for the most demanding phase of flight: take off.
ZeroAvia never identified its fuel cell supplier, nor detailed how much of the 250kW came from the fuel cell.
However, the day after the demonstration flight, a Swedish company called PowerCell issued a press release stating that one PowerCell MS-100 fuel cell was “an integral part of the powertrain.”
The MS-100 generates a maximum power of just 100kW, leaving 150kW unaccounted for. This means the majority of the power needed for take-off could only have come from the Piper’s batteries.
In an interview with TechCrunch, Miftakhov acknowledged that the Piper could not have taken off on fuel cell power alone in the September flight. He said the plane’s batteries were probably operational for the entire demonstration flight, and provided “some additional safety margin for the aircraft.”
Many fuel cell vehicles use batteries, either to smooth out fluctuations or to boost power briefly, although some manufacturers have been more transparent about their sources of power. One problem with relying on batteries for take off is that the plane then has to carry them for the whole flight.
“The fundamental challenge for hydrogen fuel cell aircraft is weight,” said Paul Eremenko, CEO of Universal Hydrogen, which is collaborating on a 2000kW fuel cell powertrain for another aircraft. “One of the ways we save weight is having a much smaller battery that is only used when a pilot guns the throttle.”
In February, ZeroAvia’s vice president, Sergey Kiselev, said that the company’s goal was to do without batteries altogether. “Batteries may be used to provide an extra oomph during take off,” he told the Royal Aeronautical Society. “But if you use different types of propulsion or energy storage on the aircraft, the certification effort will be significantly harder.”
Relying heavily on batteries allowed ZeroAvia to pull off its high-profile demonstration flight for investors and the U.K. government, but could ultimately delay its first flights with paying passengers.
The problem of heat
Without an exhaust to expel waste heat, fuel cells usually need a complex air or liquid cooling system to avoid overheating
“This is really the key intellectual property, and why it isn’t just a matter of buying a fuel cell, buying a motor and plugging them together,” says Eremenko.
The German Aerospace Center in Cologne has been flying hydrogen fuel cell aircraft since 2012. Its current aircraft, the custom-designed HY4, can carry four passengers up to 450 miles. Its 65kW fuel cell has a liquid cooling system that uses a large, aerodynamically optimized channel for the cooling air flow (see picture).
Image Credits: Credit: DLR
A similar 100kW system would generally need a cooling intake longer and a third bigger than the HY4’s. ZeroAvia’s Piper Malibu has no additional cooling intakes at all.
“The openings look way too small for the air speed at take off, and even for cruise speed,” said an aviation fuel cell engineer who asked not to be named because they deal with some of the same companies as ZeroAvia.
“We had to experiment with the location and configuration of the heat exchangers… but we did not have to redesign the shape of the aircraft to handle the heat,” countered Miftakhov. He claims the fuel cell was operating at between 85 and 100kW during the flight.
Following TechCrunch’s interview with ZeroAvia, the company released a video that appears to show the Piper’s fuel cell operating at up to 70kW during a ground test, which could equate to a higher power level when airborne.
Although this still needs to be demonstrated with long-distance flights, ZeroAvia may have solved the heat problem that has dogged other engineers for years.
The next plane: bigger and better?
In September, aviation minister Robert Courts was at Cranfield to watch the demonstration flight. “It’s one of the most historic moments in aviation for decades, and it is a huge triumph for ZeroAvia,” he said after the flight. Time magazine named ZeroAvia’s technology as one of the best inventions of 2020.
Even with the HyFlyer extended flight still to come, in December the U.K. government announced HyFlyer 2 — a £12.3 million ($16.3 million) project for ZeroAvia to deliver a 600kW hydrogen-electric powertrain for a larger aircraft. ZeroAvia agreed to have a 19-seat plane ready for commercialization in 2023. (It now says 2024.)
On the same day, ZeroAvia announced its $21.3 million Series A investor lineup, including Bill Gates’ Breakthrough Ventures Fund, Jeff Bezos’ Amazon Climate Pledge Fund, Ecosystem Integrity Fund, Horizon Ventures, Shell Ventures and Summa Equity. It announced another $23.4 million raise from these investors, without Amazon but with British Airways, in late March.
Miftakhov said the Malibu has now completed about a dozen test flights, with the long-distance U.K. flight pushed to later this year, due to COVID delays. And as for HyFlyer 2, Miftakhov now says that this will initially use half batteries and half fuel cells, although “the final certifiable flight configuration will get its full 600kW from the fuel cells.”
There is no doubt that ZeroAvia is facing a steep climb to deliver its promised aircraft, starting with the 19-seater, then a 50-seater plane in 2026, and a 100-seater by 2030.
Hydrogen fuel cells still have a whiff of snake oil about them, thanks to Nikola, a startup that exaggerated a public demonstration of a hydrogen fuel cell truck, triggering a collapse in its share price and investigation by the SEC. The best option for ambitious start-ups like ZeroAvia is to be more transparent about their current technology and the challenges that lie ahead, even if that means tempering the expectations of investors and a public excited by the prospect of sustainable air travel.
“I desperately want ZeroAvia to be successful,” says Paul Eremenko. “I think we have very complementary business models and together we help complete the value chain to make hydrogen aviation happen.”
(文:Mark Harris、翻訳:Dragonfly)
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新型コロナウィルスのワクチン接種が、日本でも、いよいよ本格的に始まった。一方、昨年12月上旬から全国的に接種を開始したイギリスでは、現在までに総人口6700万人の約半分に当たる約3300万人が1回目の接種を終…
イギリスという国はない - AsahiNet
イギリスという国はない. たとえば、わが国では、「イギリス」とか「イギリス人」という言葉をよく. 使用する。. この時、われわれの頭の中には「日本」とか「日本人」という概念に. 対応するものとして、「イギリス」とか「イギリス人」という表現を理解し. ている。. しかしイギリス(イングランドまたはイングリッシュ)とこの国または国籍. をこのように ...
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2021-05-01 22:51乗ってた飛行機が撃墜されてなんとか不時着したら、武器を持った現地の人間に襲撃されて手足をもがれて殺された奴がいるらしい 銀の人っていうんですけど。