日立、運用管理ソフト「JP1 V12.5」を販売–SaaS型「JP1 Cloud Service」も提供へ

今回は「日立、運用管理ソフト「JP1 V12.5」を販売–SaaS型「JP1 Cloud Service」も提供へ」についてご紹介します。

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 日立製作所は、複雑なマルチクラウド環境で人のスキルに依存しないシステム監視と一元的な業務運用管理を容易にする統合システム運用管理ソフトウェアの最新版「JP1 V12.5」の販売を開始する。

 また、これらのシステム監視と業務運用管理などの高信頼な運用基盤をSaaS型で利用できる新サービス「JP1 Cloud Service」も3月31日に販売を開始する。

 同社は多くの企業にJP1を提供し、システム環境全体の運用に関わる情報を関連付け可視化するインテリジェント統合管理「JP1/Integrated Management 2」(JP1/IM2)や、業務の自動実行を制御・管理する「JP1/Automatic Job Management System 3」(JP1/AJS3)などにより、IT部門の運用効率化や業務自動化などのニーズに応えてきた。これらの取り組みで日立が蓄積してきたIT部門の運用ナレッジをもとに、最新版のJP1 V12.5では、中核製品であるJP1/IM2とJP1/AJS3を中心に機能強化した。

 JP1 V12.5は日立の運用ナレッジに基づき、リアルタイムなシステム状況から最適な対処手順の提案が提示されるようになった。具体的には、各JP1製品で検知したエラーや障害で影響を受ける業務の実行状況やシステムリソース状況などの多様な運用情報に応じた対処案を、JP1/IM2の統合オペレーション・ビューアーに一覧表示する。

 経験が浅い運用担当者でも迷わず適切な対処を実行でき、例えば、サーバーの障害が発生した場合、運用担当者は影響を受ける業務の確認、担当するエンジニアへの連絡、原因調査用画面の表示といった対処案に従って迅速に対処できる。さらに、同社の「IT運用最適化サービス」のAI(人工知能)などと連携することで、より高度な分析や判断を伴う対処の提案や実行も可能となり、属人性をさらに軽減できる。

 またJP1/AJS3では、クラウドサービスを利用する業務とオンプレミス側の既存業務とを連携させるといった、マルチクラウド/ハイブリッドクラウド環境をまたがる一連の業務を自動実行し、一元的に実行状況を把握・管理することができる。しかし従来は、JP1/AJS3からクラウドサービス上の業務を制御するために処理を作り込む必要があった。これに対し、今回、Amazon Web Services(AWS)のAmazon S3やAWS Step Functionsといったクラウドサービスの制御を行う機能を提供することで、この作り込みを不要にした。さらに、RESTインターフェースを持つサービスとの連携機能も強化し、業務の柔軟な制御を容易にした。

 JP1 Cloud Serviceは、第一弾として、システム運用の中核を担うJP1/IM2とJP1/AJS3の機能を利用できる「統合管理プラットフォーム」「ジョブ管理プラットフォーム」と、JP1/AJS3の運用データを元に長期的な運用傾向などの分析結果をダッシュボードに表示できる「ジョブ運用データ分析サービス」を提供する。

 統合管理プラットフォーム、ジョブ管理プラットフォームでは、異なるデータセンター間での冗長化構成やサービス稼働中のセキュリティパッチ適用など、業務の継続性を向上する工夫により、基幹システムの運用基盤として安心して利用できる。また、ジョブ運用データ分析サービスは、IT部門の分析工数を削減するだけでなく、将来、業務実行の遅延が発生するリスクを早期に発見し重大な障害を事前に回避できるなど、事業継続性を向上することが可能だ。

 JP1 V12.5は各種運用データを収集し関連付けて、システム全体の可視化と目的別の活用を実現する「JP1/Integrated Management 2- Manager」と業務の自動実行の順序を制御し、実行状況を一元管理する「JP1/Automatic Job Management System 3 – Manager」の2種類が提供される。

 提供価格はJP1/Integrated Management 2- Managerが税別60万円から、JP1/Automatic Job Management System 3 – Managerが同27万円からとなっている。

 またJP1 Cloud Serviceは、JP1の統合管理のマネージャー機能をSaaS型で提供する統合管理プラットフォームと、同じくJP1のジョブ管理のマネージャー機能を提供するジョブ管理プラットフォーム、さらにジョブ管理製品の運用データを収集・分析し、運用状況の可視化と評価を行うジョブ運用データ分析サービスの3種類が提供される。

 それぞれの提供価格は統合管理プラットフォームとジョブ管理プラットフォームが月額で税別39万円から、ジョブ運用データ分析サービスが同6万円からとなっている。

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