【コラム】カナダ人は穏やかながらも積極的に米国のバイオテクノロジー人材をリクルートしている

今回は「【コラム】カナダ人は穏やかながらも積極的に米国のバイオテクノロジー人材をリクルートしている」についてご紹介します。

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本記事は、TechCrunch様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


本稿の著者はMichael May(マイケル・メイ)氏とJayson Myers(ジェイソン・マイヤーズ)氏。マイケル・メイ氏はCentre for Commercialization of Regenerative Medicineの社長兼CEO。ジェイソン・マイヤーズ氏はNext Generation Manufacturing CanadaのCEO。

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米国のトランプ大統領の任期中、カナダはSTEM(科学、技術、工学、数学)分野の労働者を自国に呼び寄せようと注力し、大きなニュースになった。トランプ氏は退任したが、カナダは隣国から人材をリクルートすることをやめてはいない。そして、この人材確保の戦いで最もホットな前線の1つがバイオテクノロジーだ。

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何世代にもわたり、カナダのエンジニアやプログラマー、研究者たちにとってシリコンバレーの給与水準と天候は魅力的なものだった。しかし、トランプ大統領による移民排斥の発言、政策、ビザ規制が行われた4年間は、カナダのテクノロジー企業や政府に競争上の優位性をもたらした。

2016年のトランプ大統領就任後、カナダ連邦政府は移民の受け入れを促進するプログラムを立ち上げ、トロントやモントリオール、バンクーバーといった都市のテクノロジーエコシステムを後押しした。カナダのテクノロジー界のリーダーたちは、より多くの労働者を同国に呼び込むキャンペーンに乗り出した。ケベックでは、移民排斥的な空気が高いことで知られる同州政府に業界が働きかけ、新規移住者を14%増やすことに成功している。

パンデミックによるシリコンバレーからの大規模な流出により、多数の国外移住カナダ人が故郷に押し寄せている。米国のH-1 Bプログラム(特定のスキルを備えた外国人労働者のためのビザプログラム)に応募するカナダ人の数は劇的に減少しており、10年にわたる傾向に拍車をかけている。

新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を抑え、新しい経済への移行を促進する政府支出は、カナダ国民に広く支持されている。

それでも、カナダのテクノロジー界や政治界のリーダーたちは依然として、先進的な製造、クリーンテクノロジー、バイオテクノロジーといった主要セクターの人材のインバウンドフローについて懸念している。彼らは、米国の長年の優位性を切り崩すためにあらゆる手段を講じている。

その活動の大半はバイオテクノロジー分野におけるものだ。新型コロナウイルス感染症はワクチン製造能力の不足を露呈させたが、カナダには優れた大学のエコシステムと最先端の研究を行う数千のベンチャー企業が主導する、活気に満ちたバイオテクノロジーおよび生命科学の研究セクターが存在する。これらの企業の多くは、パンデミックに端を発するバイオテクノロジーへの投資ブームに乗じて、2020年には記録的な額のベンチャー資金を調達している。

しかし、この財源流入は資金調達の展望を変えたものの、多くのカナダ企業はなおも規模の拡大を模索している。カナダのテクノロジーエコシステムは人材に満ちているが、伝統的には、これらの企業がグローバルな強豪企業に成長するために必要な、十分な数の上級人材を育成、採用、保持していない。

科学者のみならず、ビジネスリーダーも必要とされている。トロント地域のハブやベンチャー企業を対象とした最近の調査によると、生物医学工学、再生医療、その他の関連企業は、米国産業界のより良い賃金と機会に引き寄せられる上級幹部、最高経営責任者、科学専門家といった人材の大幅な不足に苦しんでいる。

我々双方の組織も属するカナダのイノベーション経済協議会(IEC)の最近のサミットでは、産業界のリーダーたちが、世界的な規制問題やビジネス開発における未充足の仕事、さらには最高医療責任者について議論を交わした。これらは、学問的な訓練と職場での進歩的なリーダーシップの任務の両方から培われた、技術的およびビジネス的な洞察力を必要とするハイブリッドな役割を担っている。

カナダの大学、ハブ、ベンチャーキャピタル企業は、専門の研修機関やプログラムを設立することでこのニーズに対応している。また、規模拡大を目指すカナダ企業は、新たに調達した資金を使って米国内外で大量の人材を採用することでこのギャップを埋めようとしており、パートナーシップを構築し、未開発の人材プールを精査しつつ、リモートワークや柔軟な勤務時間を提供している。

このような背景の中、カナダの連邦政府は2年ぶりに予算を執行した。これは、同国がこれまでに展開した中で最も積極的なテクノロジー支出計画の1つであり、世界市場が同国の伝統的なエネルギー輸出や天然資源、工業製品から離れつつある中で、連邦政府が先進産業の育成とSTEM分野の雇用創出に真剣に取り組んでいることを物語っている。予算には、大学研究パートナーシップ、雇用奨励金、助成金、インキュベーターやハブへの支援が含まれている。重要なのは、ライフサイエンス分野の人材パイプラインを構築するための22億ドル(約2400億円)のコミットメントがあることだ。

新型コロナの影響を抑え、新しい経済への移行を促進する政府支出は、カナダ国民に広く支持されている。4月初旬に行われたIECとCampaign Researchによる世論調査では、中等後のSTEM教育への投資に対して3対1の支持が示され、バイオテクノロジーを含む先進的な製造業への政府投資に対しても同様に強い支持が見られた。10倍の広さの隣国と競争するには、まさに必要とされることである。

カナダの研究者や大手製薬企業のCEOの米国流出がすぐになくなるとは言い難い。しかし、投資資金の流入、テクノロジーエコシステムの急成長、自律的な人材エコシステムの構築、採用、維持に向けた協調的な政策努力などにより、カナダは業界が望むような存在になりつつある。

言い換えれば、米国は、自国のバイオテクノロジーの人材がカナダに積極的に惹きつけられようとしていることに留意すべきであろう。

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画像クレジット:Ivan-balvan / Getty Images


【原文】

Canada made headlines during U.S. President Donald Trump’s administration for its efforts to lure STEM workers north. Trump is gone now, but Canada hasn’t stopped trying to recruit talent from its neighbor — and one of the hottest fronts in this talent war is biotech.

For generations of Canadian engineers, coders and researchers, Silicon Valley’s better salaries and weather were a siren call. But four years of Trump’s anti-immigration rhetoric, policy and visa restrictions gave Canadian tech companies and governments a competitive advantage.

After Trump took office in 2016, Canada’s federal government boosted the tech ecosystems of cities like Toronto, Montreal and Vancouver by creating a program to fast-track immigration. Canadian tech leaders climbed aboard with campaigns to tempt more workers north. In Quebec, the industry even persuaded Quebec’s notoriously immigration-shy provincial government to accept as many as 14% more newcomers.

The pandemic-driven exodus from Silicon Valley has sent large numbers of Canadian expatriates flocking home. The number of Canadians applying for the U.S. H-1B program has fallen dramatically, accelerating a decade-long trend.

Canadians have been broadly supportive of government spending to beat back COVID-19 and hasten the transition to a new economy.

Still, Canadian tech and political leaders remain concerned about the inbound flow of talent to key sectors like advanced manufacturing, clean tech and biotechnology. They’re pressing every button they can to chip away at long-held American advantages.

Much of the action is in biotech. COVID-19 has exposed Canada’s lack of vaccine manufacturing capacity, but the country has a vibrant biotech and life-sciences research sector, driven by an excellent university ecosystem and several thousand startup ventures doing cutting-edge research. Many of these firms have cashed in on the pandemic biotech investment boom, racking in a record amount of venture capital in 2020.

But while this influx has changed the funding landscape, many Canadian companies are still trying to reach scale. The Canadian tech ecosystem is full of talent but it hasn’t traditionally developed, recruited and retained enough of the senior people these firms need to develop into global powerhouses.

They don’t just need scientists — they need business leaders. A recent survey of Toronto-area hubs and ventures revealed that biomedical engineering, regenerative medicine and related firms are suffering significant shortages of senior executives, top managers and scientific specialists, who gravitate toward the better pay and opportunities of the U.S. industries.

At a recent summit of Canada’s Innovation Economy Council (IEC), which both our organizations belong to, industry leaders spoke of unfilled jobs in global regulatory affairs and business development, even chief medical officers. These are hybrid roles that require the kind of technical and business acumen forged from both academic training and progressive leadership roles in the workplace.

Canadian universities, hubs and venture-capital firms are reacting to this need by building specialized training institutes and programs. And scaling Canadian companies are trying to fill the gaps by using newly raised cash to recruit heavily in the U.S. and beyond, offering remote work and flexible work hours while striking partnerships and investigating untapped talent pools.

Against this backdrop, Canada’s federal government just delivered its first full budget in two years. It’s one of the most activist tech-spending plans the country has ever rolled out, showing how seriously the federal government is about building out advanced industries and creating STEM jobs at a time when global markets are moving away from the country’s traditional energy exports, natural resources and manufactured goods. The budget includes college research partnerships, hiring subsidies, grants, and support for incubators and hubs. Critically, there is also a $2.2 billion commitment for building a life-sciences talent pipeline.

Canadians have been broadly supportive of government spending to beat back COVID-19 and hasten the transition to a new economy. An IEC/Campaign Research poll conducted in early April found 3:1 public support for investments in postsecondary STEM education and similarly strong support for government investment in advanced manufacturing, including biotech. That’s just what it takes to compete with a neighbor 10 times your size.

It’s fair to say that Canada won’t drain the U.S. of all its research scientists and Big Pharma CEOs anytime soon. But with an influx of investment capital, a burgeoning tech ecosystem and a concerted policy effort to build, recruit and retain a self-sustaining talent ecosystem, it’s flying under the radar as a place the industry increasingly wants to be.

In other words, America, take note: Canada is actively working to attract your biotech talent.

(文:Michael May、Jayson Myers、翻訳:Dragonfly)

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