クラウドインフラ支出、2021年第3四半期は6.6%増–IDC
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クラウドインフラ支出は2021年第3四半期、世界全体で成長基調に戻ったという。コロナ禍で支出の大幅な伸びが見られていたが、第2四半期には前年同期比で減少していた。
IDCによると、専有および共有環境を含むクラウドインフラのコンピュートとストレージインフラ製品に対する支出は第3四半期、前年同期比6.6%増の186億ドル(約2兆1000億円)だった。2019年第3四半期以来、7四半期連続で前年同期を上回っていたが、2021年第2四半期は1.9%減となっていた。2020年第2四半期には38.4%増を記録していた。
クラウドは専有型か、共有型かにかかわらず、今後従来のハードウェア支出を侵食していくと見込まれている。2020年には「クラウド以外の専有インフラ」と「クラウドによる共有インフラ」「クラウドを用いた専有インフラ」に対する支出がそれぞれ46.4%と37.5%、16.2%だった。
IDCは、コンピュートとストレージ関連のクラウドインフラ支出が2025年までに1188億ドル(約13兆5000億円)に達し、すべてのコンピュートとストレージ関連支出の67%を占めるようになると予測している。これらのクラウド支出のうち、共有インフラへの支出が70.9%を占めるようになるという。
また、2021年通期のクラウドインフラ支出は前年比8.3%増の718億ドル(約8兆2000億円)になるとIDCは予想する。2年間減少していたクラウド以外のITインフラに対する支出は、前年比1.9%増の584億ドル(約6兆6000億円)となり、増加に転じるとしている。共有クラウドインフラ支出は前年比7.2%増の497億ドル(約5兆7000億円)、専有クラウドインフラ支出は10.7%増の222億ドル(約2兆5000億円)になると予測している。
IDCは「Worldwide Quarterly Enterprise Infrastructure Tracker」の一環として、さまざまなカテゴリーのサービスプロバイダーを追跡し、これらのサービスプロバイダーが、クラウドとクラウド以外の両方を含め、コンピュートインフラやストレージインフラをどれだけ購入しているかを調査している。サービスプロバイダーは、クラウドサービスプロバイダー、デジタルサービスプロバイダー、通信サービスプロバイダー、マネージドサービスプロバイダーなどのカテゴリーに分類される。サービスプロバイダーを1つのグループとして見た場合、2021年第3四半期のコンピュートとストレージインフラへの支出は、前年同期比10.2%、前期比6.7%増の189億ドル(約2兆1000億円)だった。この支出は、コンピュート、ストレージインフラ市場全体の57.1%を占めた。2021年の支出は前年比7.4%増の726億ドル(約8兆3000億円)になるとIDCは予想している。
地域別では、2021年第3四半期に日本と中国を除くアジア太平洋地域における支出は伸びが最も高く、前年同期比64.3%増だった。米国は1.1%増だった。
Canalysは、多くの企業がデジタルトランスフォーメーションに積極的に取り組んでいることなどから、2021年第3四半期のクラウドインフラサービス支出は世界全体で約500億ドル(約5兆5000億円)に達したとしていた。クラウドインフラサービス支出総額に占めるシェアは首位のAWSが32%、2位のMicrosoft Azureは21%、3位のGoogle Cloudは8%となっていた。またCanalysは、世界的なコンピューターチップの不足が、クラウドの導入に急ブレーキをかける恐れがあると指摘していた。