「Web3」が主流になる時期はいつ頃か–富士通CTOに聞いてみた

今回は「「Web3」が主流になる時期はいつ頃か–富士通CTOに聞いてみた」についてご紹介します。

関連ワード (松岡功の「今週の明言」、経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。

 今回は、富士通 執行役員 SEVP CTOのVivek Mahajan氏と、NEC AI・アナリティクス事業統括部 上席データサイエンティスト/NECアカデミー for AI 学長の孝忠大輔氏の発言を紹介する。

 富士通は先頃、独自の「Web3」向けプラットフォームを発表した。同社 執行役員 SEVP 最高技術責任者(CTO)のVivek Mahajan(ヴィヴェック・マハジャン)氏の冒頭の発言は、そのオンライン発表会見の質疑応答で、Web3の世界が主流になる時期について聞いた筆者の質問に答えたものである。

 発表内容は、本人の真正性および契約や取引に伴う行為を保証するWeb3の要素技術を用いて、デジタル空間上で信頼をもってつながることができる環境や場であるWeb3プラットフォーム「Fujitsu Web3 Acceleration Platform」を、同社のグローバルパートナー共創プログラム「Fujitsu Accelerator Program for CaaS」に参画しWeb3の新サービスの企画や実証実験などを共創するパートナーを対象に、2023年3月より日本国内で、グローバルには2023年度以降に順次、無償提供を開始するというものだ。

 Mahajan氏は会見の冒頭で富士通がWeb3に取り組む理由について、「Web3による新たな価値創出と自律分散型社会システムへのリデザインへの期待が高まっている。そうした社会的要請とともに、『イノベーションによって社会に信頼をもたらし、世界をより持続可能にしていく』という当社のパーパスを実現していくためだ。信頼をもってつながり、貢献し合える場を提供し、個人や企業が安心してつながり、貢献し合うことで、未来に向けた課題を解決し合える社会を目指したい」と説明した(図1)。

 会見の内容については速報記事をご覧いただくとして、ここでは冒頭の発言に注目したい。会見の質疑応答で「Web2.0から移行したWeb3が主流になるのはいつ頃だと見ているか」と聞いた筆者の質問に対し、Mahajan氏は次のように答えた。

 「非常に難しい質問だ。現段階ではWeb3の定義も考え方も人によって異なる面がある。また、Web3は既に始まっているという見方もあれば、まだまだ先の話だという意見もある。当社としてはそうした時期に執着するよりも、Web3の方向に行くことは間違いないので、これからできることをどんどんやっていくという姿勢だ」

 その上で、時期を述べたものではないが、冒頭の発言のようにWeb2.0とWeb3が「共存」していくことを強調した。

 この質問に対しては、Mahajan氏とともに会見に臨んだ同社 理事 SVP Uvance Core Technology本部長の有山俊朗氏も、「Web3のウエイトが高くなる時期についてはなかなか明確に答えられないが、当面はWeb2.0とWeb3が共存しながら新しい世界が形成されていくのではないかと捉えている」との見方を示した(写真1)。

 おそらく明確な時期を示す回答はないだろうと想定していたが、富士通のCTOを務めるMahajan氏がどう答えるかを確認したくて質問した。新しい技術がビジネスになる時期を見定めるのはなかなか難しい。見誤ると先行投資が重くのしかかることにもなるが、どうやらWeb3についてはWeb2.0との共存がしばらく続くとの見立てがポイントのようだ。富士通がこの分野において、グローバルで確固たる存在感を示せるか、注目していきたい。

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