富士通CTOが注力する「テクノロジーのグローバル展開」は奏功するか
今回は「富士通CTOが注力する「テクノロジーのグローバル展開」は奏功するか」についてご紹介します。
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本連載「松岡功の『今週の明言』」では毎週、ICT業界のキーパーソンたちが記者会見やイベントなどで明言した言葉を幾つか取り上げ、その意味や背景などを解説している。
今回は、富士通 執行役員専務 兼 CTOのVivek Mahajan氏と、McAfee Enterprise 執行役セールスエンジニアリング本部 本部長の櫻井秀光氏の発言を紹介する。
富士通は先頃、オンライン形式によるグローバルテクノロジーイベント「Fujitsu ActivateNow:Technology Summit 2022」を開催した。同社の最高技術責任者(CTO)を務めるVivek Mahajan(ヴィヴェック・マハジャン)氏の冒頭の発言はそのキーノートで、同社が注力する技術領域について語ったものである。
このイベントは、富士通が2021年10月に開催した「グローバルフラッグシップイベント」と銘打った「Fujitsu ActivateNow 2021」に続き、「持続可能な世界の実現に向けてより良い未来を築くために、富士通のテクノロジーが果たす役割と具体的な取り組みに焦点を当てたテクノロジーイベント」と位置付けている。
Mahajan氏はキーノートで、「今後10年の間に起こる可能性があること」として、次の5つを挙げた。
第1に、膨大なコンピューティングリソースが必要になる。分析し学習して予測する能力も飛躍的に向上する。その観点から量子コンピューティングの技術には、さらに大きな可能性がある。
第2に、完全につながる世界がやってくる。IT機器によるやり取りだけでなく、情報が実際に人やモノの周囲を取り囲む。高速でユビキタスなネットワークが、シームレスな接続と瞬時にデータを転送する機能を実現する。
第3に、自動化された世界になる。人工知能(AI)によって複雑さを取り除き、利便性を向上させ、世界が直面している困難な問題に取り組めるようになる。
第4に、情報が保護される世界になる。イノベーションによって安全で透明性の高いトランザクションを実現し、人々のプライバシーをしっかりと保護する世界になる。
第5に、物理的な世界とデジタルの世界が融合する。技術によって人々の日々の体験が、自然な方法で充実し、向上する。そして価値も加わる。
同氏は上記の5つについて説明した上で、「私たちが経営資源を集中させるのは変化をもたらす技術領域だ」と強調した。つまりは上記の5つが「変化をもたらす技術領域」というわけだ。
実は、上記の5つは同社が7つの重点戦略分野を新ブランドとして掲げた「Fujitsu Uvance」の事業を支える「コンピューティング」「ネットワーク」「AI」「データ&セキュリティ」「コンバージングテクノロジー」からなる重点注力テクノロジーのことである(図1)。
このイベントで興味深かったのは、英語でのスピーチが基本だったことだ。富士通のテクノロジーをグローバルに一層広げていくのは、Mahajan氏のミッションの一つでもある。その意味では、このイベントに対する海外からの視聴率や反応が気になるところだが、まずはアグレッシブなチャレンジを評価したい。