三菱ガス化学と日立、半導体材料などの新素材開発をデジタル化
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三菱ガス化学と日立製作所(日立)は、半導体材料などの新素材開発をデジタル化した。三菱ガス化学の機能化学品事業部門において、マテリアルズインフォマティクス(MI)などのデジタルソリューションを活用することで、半導体材料において目標性能を満たす新素材探索の精度が約50%向上するほか、新素材探索に必要な実験時間が30~50%短縮すると確認している。
MIは、大量の材料データから人工知能(AI)などを用いてデータの関係性を見いだすことにより、新素材開発を高度化・加速する手法。
三菱ガス化学では、ユーザーニーズに直結した高屈折率レンズ材料などの先端製品の開発に注力する機能化学品事業において、2019年から日立を「協創パートナー」として研究プロセスの高度化と効率化を行ってきた。今回の協創では、日立のLumadaで展開する「材料開発ソリューション」を活用している。
MIを用いた仮想実験により、新素材に要求される特性を満たす素材の組み合わせの探索に成功した。同技術により、従来人手での作業で膨大な時間を要していた新素材の条件探索が効率化され、開発期間を大幅に短縮できた。これまでは熟練者が手作業で、大量の原材料とその配合比率のパターンから、新規の高機能ポリマーや半導体材料の条件探索をしており、工数を要していた。
また、これまで熟練者の経験を基に、顕微鏡画像や目視観察などで材料の画像と品質の関係性を定性的に判断していたため実験結果の再現が困難だったが、今回MIと画像解析技術を用いて、原材料の顕微鏡といった大量の画像から材料性能の異常を自動識別することで、製品開発時の最終実験候補の組み合わせを従来手法の約半分程度の時間で見いだすことに成功した。
さらに従来、実験が複数工程にまたがるため、研究計画と結果の関係性を把握することが困難だという課題があった。しかし今回、実験データを管理するサービスを用いて、研究計画、実験データ、計画・承認・実行などの研究プロセスの統合化・可視化、研究者間での実験情報の共有を実現した。これにより、研究における依頼・承認などのステータス管理や過去の実験データの検索が容易になり、新規樹脂開発の合成に関する実験管理時間を30〜50%削減できた。