NEC、創薬の予測モデル構築を実証–連合学習と秘密計算の技術活用

今回は「NEC、創薬の予測モデル構築を実証–連合学習と秘密計算の技術活用」についてご紹介します。

関連ワード (調査等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。

本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。


 NECは、データを暗号化したまま計算処理ができる秘密計算技術を用いた複数組織間のデータ統合の有効性の検証を目的に、創薬における予測モデルの構築に関する実証実験を実施した。実施期間は2021年10月〜2022年2月の5カ月間。

 同実証は、京都大学 大学院 医学研究科の小島諒介講師、岩田浩明特定准教授、奥野恭史教授とNECとの継続的な議論を踏まえて行った。

 機械学習ライブラリー「kMoL」にNECの秘密計算技術を適用した毒性予測モデルなどにおいて、単体学習とのテスト精度・学習時間を比較した。クライアント数は2とした。

 実証実験の結果、秘密計算技術を適用して構築した人工知能(AI)モデルは、連合学習技術のみで構築したAIモデルと比較して同等の精度を満たすと確認した。これにより、秘密計算技術が毒性予測モデルの構築において化合物の構造データの秘匿性の向上に寄与する実用的な手段であると実証した。

 連合学習技術を用いたシステムでは、機密データである化合物情報と活性情報などを直接拠出することなくAIモデルの構築・統合が可能となり、情報の機密性を担保しつつ企業・組織間の連携ができた。

 今回、連合学習技術に秘密分散方式の秘密計算技術を適用することで、連合学習技術単独の場合に加えて、統合時のAIモデルの秘匿性をさらに高めることを試みた。秘密計算技術を用いることで、3つのノードに分散してAIモデルの統合処理を行うため、情報理論的安全性を確保できる。

 実証での使用データは、2014年に行われた米国における毒性学に関する共同研究プロジェクト「Tox21(The Toxicology in the 21st Century)」におけるコンペティション「Tox21 Data Challenge 2014」で使用されたデータセットと毒性予測のkMoLサンプルを使用した。

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