カプコン、クラウド型決算基盤を導入–月次決算業務を15営業日から7営業日に短縮
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カプコンは、財務経理部門の効率化と品質向上を目的に、クラウド型決算基盤「SAP Account Substantiation and Automation by BlackLine」を導入した。同ソリューションを提供するブラックラインとブラックラインが3月22日に発表した。
カプコンは、デジタル販売を重点的に強化したことでビジネスを急速に拡大。現在では200を超える国と地域でゲームソフトを販売し、2020年度の年間販売本数の実績は2015年度比で2倍超、ダウンロード版は全体の約80%を占めるという。
こうした消費者ニーズの多様化やコロナ禍を経た新しい生活様式の変化を受けて、カプコンではデジタル化の潮流を先取りしたビジネススタイルへの変革が必要だった。同社の財務経理部門は、低付加価値で定型化された業務や財務諸表作成、決済、連結・開示といった業務のシステム化を進め、人工知能(AI)による自動化や省人化で対応しきれない付加価値の高い戦略的業務に人的資源を集中することを目標としている。
同社の財務経理部門は業務変革の段階として、2019年度を財務経理部の統合、2020年度を業務プロセスの見直し、2021年度をシステムの本格的なデジタル移行としている。これまで、電子/キャッシュレス決済、旅費精算システム、固定資産管理システム、プロジェクト管理、収益性管理ビジネスインテリジェンス(BI)システムなどを導入している。また、同時期に行われた基幹システムの「SAP S/4HANA」へのマイグレーションを機に大量のアドオンから脱却し、周辺業務を含めたシステムの見直しを一気に進めた。
BlackLineはSAP S/4HANAとシームレスに連携しつつ、決算に関する業務プロセスの可視化や標準化、自動化、統制強化を実現できる点が評価された。カプコンは月次決算を起点とした業務プロセス変革を推進しており、ルーティンワークを繰り返す中で改善点を分析でき、クラウドサービスを含む複数の業務システムを取りまとめながら監査にも耐え得る仕組みであると判断した。
BlackLineの導入で、定期的な仕訳入力から始まる決算業務のタスクを一元管理するとともに、リアルタイムなダッシュボードとレポート機能により各タスクの進行状況が可視化された。これにより現状の業務プロセスから無駄な部分や非効率な部分を洗い出して改善し、さらにワークフロー化することで大幅な効率化を実現した。
また、BlackLineが持つベストプラクティスに基づく勘定照合テンプレートと自動承認ルールを活用することで、毎月の勘定照合プロセスにおける定型業務のほとんどを自動化できるようになった。具体的には、残高試算表の勘定科目別残高と補助簿や明細内訳とを比較して差異を自動的に抽出し、こうした勘定照合プロセスの標準化と自動化を通じて、迅速かつ正確な決算を実現できるようになった。
これにより、カプコンの財務経理部門では2021年12月期の決算において、月次決算にかかる時間を15営業日から7営業日に短縮できたとしている。
カプコン 管理本部 財務経理部長の湯川直樹氏は「BlackLineの導入により、決算に費やしている財務経理部の部員総工数を現状の80%から40%以下に削減することで、人材を付加価値の高いコア業務へシフトしていくことを目標としている。裏を返せば、この目標を達成するために必須となっているのが財務経理のデジタルトランスフォーメーション(DX)にほかならない」とコメントしている。