リコー、360度カメラ「THETA」新製品–GPSを内蔵、不動産や建設に焦点
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リコーは3月30日、360度カメラの新製品「RICOH THETA X」を発表した。5月中旬から提供する。国内提供価格は約11万円。
THETAシリーズは2013年11月に初代モデル、直近では2020年3月にビジネス利用を念頭に置いた「RICOH THETA SC2 for Business」を発売している。同社はTHETAシリーズやクラウドサービス、ソフトウェアによるビジネス市場向け事業を強化するとともに新たにECチャネルの開設を予定している。
過去7機種を発表してきたTHETAシリーズだが、8機種目にあたるTHETA Xは、1月下旬に海外で先行発表、発売している。国内提供を5月中旬とした理由についてリコー リコーフューチャーズビジネスユニット Smart Vision事業センター 副所長 藤木仁氏は「(THETA Xを)リコージャパン、新設するECチャネルで販売」するためだと説明した。
現行のTHETAシリーズはエントリーモデルの「RICOH THETA SC2」、1型イメージセンサーやRAW形式に対応するプレミアムモデルの「RICOH THETA Z1」となっている。「THETA Xは使いやすさを追求したアドバンスドモデル。2機種の中間に位置する」(藤木氏)
従来のTHETAシリーズは撮影内容を確認するためにPCやスマートフォンが必要だったが、THETA Xは2.25型のタッチパネルモニターを搭載し、その場で撮影内容を確認できる。他方でBluetooth経由の無線LAN接続やMIMO対応無線LANルーターの場合は過去のTHETAシリーズと比較して、転送速度を約1.5倍向上させるなど、スマートフォンとの親和性も向上させた。
THETAシリーズの要となる360度撮影機能は、イメージセンサーに代表される内部構造を一新し、最大5.7K(5760×2880ピクセル)の秒間30フレームの動画撮影が可能。撮影後は自動的に映像の上下を調整する天頂補正や撮影動画をつなぎ合わせて動的につなぎ処理を本体内に実行するため、撮影終了後から動画データを扱える。静止画撮影機能も約6000万画素相当の11K(11008×5504ピクセル)と、約1500万画素相当の5.5K(5504×2752ピクセル)の2種類を用意する。
THETA X最大の特徴はシリーズ初のバッテリー&外部メモリーを交換できる点。複数のバッテリーとmicroSDXCメモリーカードを用意することで、長時間の撮影が可能になった。「世界中のユーザーから最も要望をいただいた機能の一つ」(藤木氏)だという。蛇足だが、1350ミリアンペアのバッテリーは、同社のデジタルカメラでも採用中の「DB-110」を使用する。
顧客要望の観点では、GPS内蔵も需要に基づいた改善点の一つ。具体的にはアメリカのGPS、ロシアのGLONASS(GLObal NAvigation Satellite System)、日本のQZSS(Quasi-Zenith Satellite System、みちびき)、SBAS(Satellite-Based Augmentation System、静止衛星補強型衛星航法システム)、A-GPS(無線LANクライアントモードのみ)に対応する。
藤木氏は「従来のTHETAシリーズは、スマートフォンのアプリケーションと接続してGPS情報を取得していた。建設系などで求められる360度画像と高精度な位置情報の組み合わせは、各種業種で活用いただける」と新機能を強調した。
従来のTHETAシリーズに引き続き、THETA XはAndroidを採用しているため、機能を拡張できるプラグイン「THETA Plug-in Application」の利用が可能だ。あわせて、THETA Xはタッチパネルモニターを搭載しているため、「プラグインの幅が大きく広がる」(藤木氏)
「(パノラマツアー制作アプリケーションの)RICOH360 Tours専用機のように使える『物件撮影用プラグイン』、撮影映像を直接クラウドにアップロードして遠隔監視する『現場タイムラプス/ライブ映像』に加えて、建設現場の360度画像を(図面などに)自動マッピングする『現場向けオートマッピング』の提供」(藤木氏)を6月に予定、近日中に防水ケースの提供も予定している。