KDDI、2030年度までにCO2排出量実質ゼロへ–環境意識の高まりで20年前倒し
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KDDIは4月7日、2030年度までに自社の事業活動で発生する二酸化炭素(CO2)の排出量を実質ゼロ(カーボンニュートラル)にするという目標を発表した。従来は2050年度までに達成する計画だったが、世界的な環境意識の高まりを受け、20年の前倒しを目指す。
同社は、電力などのエネルギー消費を通じて年間約100万トンのCO2を排出しており、これは一般家庭の約50万世帯分に相当する。そのうちの98%が携帯電話基地局・通信局舎・データセンターで使用する電気に起因しており、第5世代移動体通信システム(5G)の普及と通信量の増大によりさらなる増加が想定され、CO2削減への取り組みが一層重要になっているという。
こうした背景から、カーボンニュートラルの実現に向けて、携帯電話基地局や通信設備などの省電力化と再生可能エネルギーの利用を従来計画から大幅に前倒しする。
省電力化については、2022年3月末にauの3G携帯電話向けサービス「CDMA 1X WIN」の終了による3G停波での削減を見込んでいる。加えて、省電力や再生可能エネルギー分野でのパートナーシップや新しいテクノロジーの導入によるCO2排出量削減にも取り組んでいく。
直近では、トラフィックに応じて通信用設備のCPUを制御して消費電力を最大20%削減する人工知能(AI)技術や、液体でIT機器を冷却する液浸冷却装置なども発表。これらの技術や装置を2024年度に導入し、通信局舎・データセンターのCO2排出量の削減を目指す。また、次世代の太陽電池として期待される「ペロブスカイト太陽電池」を将来的に携帯電話基地局に導入することを検討している。
同日、KDDIの欧州現地法人であるTelehouse International Europeは、英国ロンドン市内で5棟目となるCO2排出量実質ゼロのデータセンター「TELEHOUSE South」を3月24日に開業したと発表。TELEHOUSE Southは、企業の温暖化ガス排出量を測定するGHGプロトコルで定めるスコープ2に準拠したCO2排出量実質ゼロのデータセンターで、風力、太陽光、バイオマス、水力発電から調達した再生可能エネルギーだけで運営する。
KDDIは、2026年度までに全世界のTELEHOUSEデータセンターでCO2排出量実質ゼロを目指している。また、グループ全体では2050年度のカーボンニュートラル達成を計画している。