メタバースの台頭で真剣にとらえるべきセキュリティの課題
今回は「メタバースの台頭で真剣にとらえるべきセキュリティの課題」についてご紹介します。
関連ワード (セキュリティ等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
大手IT企業は、私たちが好むと好まざるとに関わらず、メタバースを実現しようとする試みを止めるつもりはないようだ。どのメタバースが、いつ勝利するのかはまだ分からない(そもそも、「5年後には一般人が仮想現実(VR)や拡張現実(AR)を使うようになる」と言われ始めてから、もう30年も経つのだ)。
しかし、メタバースがいつどんな形で実現するにしても、私たちが長年解決しようとしてきた、既存技術が抱えているプライバシーやセキュリティの問題を克服できるとは考えにくい。
むしろ、悪化する可能性の方が高い。
現代のウェブの多く(大部分と言ってもいいかもしれない)は、監視資本主義によって支えられていることを忘れてはならない。これは、ほとんどの大手IT企業が、私たちを観察し、分析し、私たちがどういう人間で、何を好むかについての情報収集をビジネスモデルの基礎にしているということだ。
解決されない問題はもう1つある。IT企業は、開発者が安全性を確保するための時間を十分に取れないまま、バグの多いソフトウェアのコードをリリースし続けている。これは、製品を最初に市場に出すことが、顧客のデータやプライバシーを守ることよりもはるかに重要だからだ。その結果、プライバシー情報の漏えいはあまりにも頻繁になり、消費者は何かがあっても肩をすくめるだけで、漏えいを起こした企業との取引を続けてしまうようになった。
一方、詐欺師たちの手口も巧妙さを増している。フィッシング攻撃であれ、ランサムウェアであれ、データの窃盗であれ、ほとんどの警察はこうした犯罪を理解できず、理解できたとしても、犯人が別の管轄地域に消えてしまうこともあれば、時には犯人がいずれかの政府の指示を受けていたことが判明する場合すらある。いずれの場合も、犯人を追跡するのは困難だ。
メタバースには、これらすべての問題を悪化させる危険がある。