インテル、オレゴン州の製造施設「D1X」を拡大–ロードマップ前倒しに弾み
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Intelは米国時間4月11日、次世代の製造プロセス開発に特化した最新の半導体製造棟「Mod3」の開設を発表した。Mod3は、新たにGordon Moore Parkと改称されたオレゴン州の同社キャンパスで、製造施設「D1X」に30億ドル(約3800億円)を投じて新設したもの。同社はD1Xで開発した製造プロセスを、世界中の製造施設に展開するという。
Intelは、製造プロセスの最新化に苦戦し、競合する台湾積体電路製造(TSMC)やサムスンに後れをとった。2021年には、チップデザイナーのPat Gelsinger氏を同社に復帰させ、最高経営責任者(CEO)に迎えている。その直後、Intelは製造プロセスを進化させ、今後4年間で5つのプロセスノード「Intel 7」「Intel 4」「Intel 8」「Intel 20A」「Intel 18A」を投入するロードマップを発表した。これらのノードごとに、消費電力に対するパフォーマンスを改善するという。中でも最も先進的な製造プロセスであるIntel 18Aが、当初の計画より半年早い2024年下半期に投入される見通しとなったことは朗報だ。
ロードマップの各段階を進めることで、Intelは2024年にライバルに追いつき、2025年には首位の座を奪還しようとしている。Gelsinger氏の計画が成功すれば、Windows PCは高性能化するMacに追いつき、Intelは半導体事業のリーダーだった栄光の日々に返り咲き、数百億ドル規模の投資を正当化し、チップ製造が米国からアジアへ移行する流れを遅らせることができるはずだ。
製造面の進化は、Intelの2024年のチップ投入計画のみならず、ロードマップの各段階を利用した事業という点でも良い前兆となる。
これらの段階からなる取り組みは、Intelの自社開発プロセッサーにとっても、また同社が再生のために開設したIntel Foundry Services(IFS)にとっても重要だ。IFSは、TSMCやサムスンと同様に、他社開発のチップを製造するために立ち上げられた独立の事業部門だ。Intelによると、IFSの顧客はIntel 3およびIntel 18Aプロセスを利用できるようになるという。