シンガポールと豪州、フィンテックブリッジ協定を締結–協力関係をさらに強化へ
今回は「シンガポールと豪州、フィンテックブリッジ協定を締結–協力関係をさらに強化へ」についてご紹介します。
関連ワード (経営等) についても参考にしながら、ぜひ本記事について議論していってくださいね。
本記事は、ZDNet Japan様で掲載されている内容を参考にしておりますので、より詳しく内容を知りたい方は、ページ下の元記事リンクより参照ください。
シンガポールとオーストラリアは、フィンテック分野での協力をさらに推進し、お互いの国のエコシステムをサポートすることを目指している。両国は二国間協力関係の「深化」と共同イノベーションプロジェクトのための枠組みの確立に取り組む。
オーストラリアとシンガポールの新しいフィンテックブリッジ協定は、フィンテック分野におけるより強力な二国間協力関係への道を開くだろう、とオーストラリア財務省とシンガポール金融管理局(MAS)は現地時間4月13日の共同声明で述べた。
両国の業界規制当局は、それぞれのフィンテックセクターで貿易と投資を促進し、政策当局、規制当局、および業界グループ間の関係を強化することを目指す。
さらに、お互いの市場でフィンテック企業の設立を支援することにも注力し、これらの企業が、新たな市場機会の創出と参入障壁の軽減を目的とする施設とサポートを利用できるようにする。
また、両国のフィンテック協定では、ブロックチェーンやデジタルID、国境を越えたデータ接続、データポータビリティー、持続可能な金融など、さまざまな新興分野で共同イノベーションプロジェクトを模索する。
シンガポールのLee Hsien Loong首相がオーストラリアのScott Morrison首相と会談した2021年6月、フィンテック分野における両国の協力関係を深化させる取り組みが開始された。この会談は、両国が2020年に合意したデジタル経済協定に続くものだった。
両国の業界規制当局は共同声明の中で、フィンテックブリッジ協定の重要性について詳しく説明し、二国間協定によって、政策が強化され、国境を越えた業界の成長が促進されると述べた。
彼らがFinTech Australiaの数字を引用して指摘したところによると、オーストラリアには700社以上のフィンテック企業が存在しており、2015年に2億5000万オーストラリアドル(1億8648万ドル)だったこのセクターの規模は、2020年に推計40億オーストラリアドル(29億8000万ドル)まで成長したという。
シンガポールにも、約1400社のフィンテック企業と40のイノベーションラボがある。
KMPGの「Pulse of FinTech」レポートによると、2021年、シンガポールのフィンテックセクターへの投資は前年比で47%増加し、39億4000万ドルに達したという。ブロックチェーンと仮想通貨(暗号資産)がその資金の半分近くを獲得し、82件の取引で14億8000万ドルを調達した。
シンガポールとオーストラリアは、国境をまたぐデジタル決済を処理する共通プラットフォームの開発とテストで現在協力している4つの中央銀行に含まれている。2021年9月に発表されたこのイニシアチブは、仲介機関の必要性を排除することで、国境をまたぐデジタル決済の時間とコストを削減することを目的としている。
それら4つの中央銀行は、シンガポールにある国際決済銀行(BIS)のイノベーションハブと協力して、複数の中央銀行のデジタル通貨を使用する共有プラットフォームのプロトタイプ構築を目指している。彼らの狙いは、金融機関がそれぞれの中央銀行によって発行されたデジタル通貨で相互に直接取引できるようにすることにある。
マレーシアと南アフリカの中央銀行もこのイニシアチブに参加している。