日本企業の約8割が内部脅威に対策せず–Imperva調査
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Impervaは、企業のセキュリティ対策における内部脅威に関する実態調査の結果を発表した。これによると、回答した日本企業の78%が、内部脅威を阻止するための対策を講じていないことが判明した。
また、過去1年間にアジア太平洋地域で起きたデータセキュリティインシデントの約6割(59%)は、内部脅威が原因だったことが分かった。しかし、日本企業の半数以上(55%)は、内部脅威対策の優先度は低いと回答している。
この調査は、セキュリティやITのプロフェッショナルを対象に、2021年9月に実施され、世界で464人(日本では51人)が回答した。
内部脅威に対する企業の優先度が低い理由として、予算(43%)と社内の知識(32%)の不足が挙げられている。また、日本企業の32%は、内部脅威を重大な脅威と認識しておらず、回答者の4分の1(25%)は、内部脅威に対する組織的な無関心さは、役員からの支援がないなど社内問題に起因するものと考えていることが分かった。さらに、日本企業で内部脅威に対応する専門部署があるのはわずか24%にとどまった。
Impervaが2021年に行った別の調査によると、過去5年間に世界中で起きた大規模な情報漏えいの24%は、人為的(過失または悪意による認証情報を使った詐欺、窃盗、身代金、データ損失)または認証情報の漏えいが原因だったという。
内部脅威や認証情報の不正利用の防御策として採用されている主な戦略は、暗号化(47%)と、手動での従業員の行動の定期的な監視・監査(47%)たった。
この他にデータの保護・損失防止ポリシーを順守するため、従業員教育を行っていると回答した企業は61%だった。しかし、こうした取り組みにも関わらず、不正アクセスなどのデータセキュリティインシデントが引き続き発生しており、半数(51%)のエンドユーザーがデータ保護ポリシーを回避しようとしていることが分かった。
Impervaは、内部関係者が重要システムに対して正規のアクセスを取得しているため、内部脅威の検知は困難であり、ファイアウォールや侵入検知システム(IDS)などの従来型のセキュリティソリューションでは発見できないとしている。さらに、こうした脅威を把握するための可視性の欠如は、企業のデータセキュリティにとって重大なリスクであり、企業のリーダが自社のネットワークに隠れている潜在的な脅威に注目する必要があると解説する。
まずは企業全体で同意に基づくリスク対策投資が必要だとし、内部脅威への防御体制を向上させる方法として、ゼロトラスト原則の順守、専門部署の開設、内部リスク対策のプロセス策定および順守、包括的なデータセキュリティソリューションの導入などが求められるとしている。